【まとめ】日本のIT人材不足は深刻?人材不足の理由からそれが与える影響まで徹底解説!
仕事をはじめ、様々な場面で便利にしてくれているIT。今やなくてはならない技術です。しかし、IT業界は、人材不足というイメージがついて回っています。しかも相当に深刻なのではないかという話です。本当にそうなのでしょうか?また、その原因はどういったことなのでしょうか?今回はIT業界の人材に関して解説していきます。
目次
IT人材不足は本当?
2019年をピークに人材不足に拍車がかかる
「IT業界は人材不足」というイメージがついています。実際に、そういったイメージを持っていませんか?
しかし、本当のところはどうなのでしょうか?
まずは、IT業界の人材不足について解説していきます。
平成28年に経済産業省が、『IT人材の最新動向と将来推計に関して』調査をしています。この結果によると、調査時点で約17万人の不足との結果が出ています。また、2019年をピークに、より一層人材不足となっていくとのことです。
需要の高いIT業界において、約17万人もの人材が不足しているということは、大きな痛手といえます。
IT業界の人材不足は、間違いのない事実でした。
IT人材不足の理由は?
IT業界は人材不足であるということは、経済産業省の調査において裏付けされた事実でした。
では、人材不足は、どのような要因から起こるのでしょうか?人材不足の要因がわかれば、人材不足を解決するための手掛かりになるかもしれません!
というわけで、解説していきます。
市場の成長
IT業界の人材不足の大きな要因は、IT業界という業界の市場の成長が著しいことが上げられます。様々な業界がITを導入していること、官公庁、民間問わず、IT化をしていることも、市場の成長の大きな要因になっています。
では、市場が成長するとなぜ人材が不足するのでしょうか?
一番大きな要因は、IT人材の確保合戦が起きていることです。
ITは今や、日常の生活においても、ビジネスシーンにおいても、必要不可欠なものになっています。そうすると、官公庁や民間企業がこぞってIT人材を確保しようとします。社内のIT化や、新たなビジネスモデルを確立しようとするからです。
市場が成長することで、多くの人材を求めることになり、需要のパイが拡がっていきます。
IT人材を増やしていかない限り、この問題の解決は難しいです。
定年による人材の枯渇
二つ目は、定年による人材の引退が挙げられます。
これまでIT業界を支えてきた多くの人材も、これから少しずつ定年により引退をし始めます。ここまでIT化を支えてきた人材が、高齢化していくこと、定年を迎えることで引退をし始めます。それに伴い、新たに業界に入ってくる人材数よりも、業界を去っていく人材数のほうが多くなってしまうことが容易に想像できます。
(参考:https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/18-2/index.html)
技術者の高齢化に伴い、IT人材のパイの減少が業界の人材不足に拍車をかけています。
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業界へのイメージもその理由
ネガティブイメージ
三つ目の要因として、過去からあるIT業界のネガティブなイメージです。
このネガティブなイメージが払拭されていないため、業界を志望する人材が増えず、業界全体のパイが増えない大きな要因になっています。
IT業界のイメージというと、「遅い時間まで仕事をしなければならない」や、「クライアントの無茶ぶりにも応えなければならない」などの本当に大変なイメージを思い描く方も少なくないのではないでしょうか?
(参考:https://www.disc.co.jp/research_archive_category/adopt/?data=2016
上記URL内の就活準備段階、業界イメージ調査 ~就活生が抱く10業界の印象とは~より)
参考資料内の調査結果から読み解くと、労働時間や給与に対して、ポジティブなイメージを持てていないことから業界に対する労働時間のネガティブイメージが裏付けされています。
実際に一昔前のシステムエンジニアやプログラマは、遅い時間まで仕事をしていたり、クライアントのリテイクに振り回されたりと、そんな働き方をしていたかもしれません。
このイメージが払拭されていないため、IT業界は現在でも「きつい」、「給料が安い」、「帰れない」といったネガティブなイメージを持たれ続けています。
このため、業界を志望する人材が少ないことが、人材不足の大きな要因の一つとなっています。
業界の変化の早さ
IT業界は、非常に変化に富んだ業界です。
「新しい技術が続々と出てきては消え」を繰り返す業界です。その都度、新たな技術を習得する必要があります。そうでないと、自身の市場価値が下がってしまうからです。そうならないために、常に勉強をしていく必要があり、その勉強を続けていくためには、大変な努力が必要になります。
しかし、新たな技術の習得が、その先の新たな技術の出現に追い付かなくなってしまいます。
その変化に富んだ業界では、仕事と勉強を両立する必要があります。
ですから、敬遠されてしまい、IT業界を志望する人が少なくなってしまうという図式が出来上がってしまうというわけです。
人材不足が与える影響
IT業界の人材不足と、その理由についてはご理解いただけたと思います。
人材不足の理由は、若干、負のスパイラルのようなイメージを持ってしまいがちになりそうです。人材不足は様々なところに、大きな影響を与えてしまいます。
具体的にはどのような影響を与えてしまうのでしょうか?
国家規模のプロジェクトに遅延の恐れ
一番影響が大きいのは社会に与えてしまう影響です。
例えば国家規模でのプロジェクトに遅延が出てしまうということです。国家規模のプロジェクトは、現在も進行中です。その進行中のプロジェクトには、様々なIT化が必要不可欠なモノになっています。
マイナンバー制度のシステム構築、及び導入や、メガバンクのシステム更新などがその一例でしょう。規模の大きなプロジェクトほど、人手は必要になってきます。ただ、その人手を補うための人材がいないため、これらのプロジェクトに遅れの恐れができてしまいます。
国家規模のプロジェクトは、国の威信をかけている部分もあります。
世界中からお客さんが日本に来られます。その時に、プロジェクトの遅延が影響で不快な思いをされてしまうと、日本にもう来られないのではないかと思います。
そうすると、経済損失になってしまいます。
国家規模のプロジェクトは、大きな経済効果を狙っているものもあります。そのため、経済損失を出すと、投資を回収できなくなってしまいます。その結果、大きな損失を与えてしまうという影響が出てしまうのです。
労働環境の悪化
労働者自身にも影響があります。人手不足で一番に思いつくことは、労働環境の悪化です。人手不足でも、仕事の量は変わりません。
そのため、単純に考えても一人ひとりの業務量が増えるということが考えられます。業務量が増えてしまうと、労働時間が長くなってしまい、労働環境が悪化します。労働環境が悪化すると、過重労働となり、仕事の質の低下や、健康被害などといった悪影響も引き起こします。
仕事の質の低下や健康被害を引き起こしてしまうと、プロジェクトの遅延を起こしかねません。そうすると、クライアントからの信頼を失ってしまいます。
そうならないためにも、IT業界の人材不足は早急に解決しなければならないことです。
IT業界の将来性は?
大きなチャンスがある
人材不足が深刻なIT業界ですが、その将来性はどうなのでしょうか?
まず、市場の成長が著しいことからも、ニーズがなくなることはないと予想されます。
IT業界のニーズは、これからも増えていきます。
すでにシステムを導入している企業でも、そのシステムは時代とともに、変化を余儀なくされます。そうなった際には、必ずと言っていいほどシステムの再導入が必要になってきます。
そのため、ITエンジニアのニーズはなくなりにくいと思われます。次に考えられるのは、なり手が少ないために、給与面での待遇がよくなる可能性があるという点です。
先ほど『3K』である、と解説しましたが、それほどきつい仕事であるので、ITエンジニアのなり手の少なさを解決するために、給与の待遇を良くしようとする動きも出てくると思われます。
世の中に求められている仕事ですので、なり手を増やしたいという思いからも予想されます。そういう面でも、将来性は十分にあると想像できます。将来性があっても、「大変な仕事はしたくない」と思われる方も多いでしょう。
しかし、チャンスがあります!
なり手が少ないということは、なって仕事をしていけば、あなたの市場価値が高まります。「出世したい!」や「多くの収入を得たい!」と思う人にとっては、大きなチャンスです。働き方や仕事への想いは、人それぞれです。
どういった仕事をしたいのかをよく考えて、選択するといいでしょう。
最後に~人材不足だからこそチャンスがある
IT業界の人材不足は深刻なものでした。
理由は、『市場の著しい成長』、『定年による人材の枯渇』、『業界に付きまとうネガティブなイメージ』、『業界の変化の早さ』が挙げられます。
こういった理由からも、ITエンジニアへのなり手が少なくなっています。
しかし、これはチャンスとも言えます。
ただし、仕事への取り組み方や、どのようになっていきたいのかによって、それは変わってくるものだと思います。深刻な人手不足だからこそチャンスと捉えるのか、仕事が大変そうだから、なりたくないと捉えるのか、あなたの考えを尊重して、決めることをお勧めします!
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