【徹底比較】組織構造とは?3種類の解説とそれらの違いを比較!
組織構造の代表的な3種類についてそれぞれの意味と違いについて解説します。3種類の他にどのような組織構造があるかについても紹介します。日頃務めている会社がどの組織構造に分類されるのかこの記事を読めば分かります!各組織構造のメリットとデメリットについて紹介し、デメリット要因に関しては軽減のメソッドまで徹底解説します。それぞれの違いを把握することで企業の仕組みが見えてきます!
目次
組織の種類
3種類の組織構造とは?
企業の組織構造とは、企業内の業務や、その責任、権限の仕組を表すものになります。様々な組織構造が存在しますが、それぞれにメリットやデメリットが存在します。
組織構造の種類は「機能別」「事業部制」「チーム型」の3つが代表的な物として挙げられます。3種類以外にも、さらにいくつか挙げることができますが、今回はこの3種類を軸にして組織構造について徹底解説していきます。
3つの組織構造の説明
- 機能別
- 事業部制
- チーム型
機能別
機能別組織とは業務の内容で分けて業務を遂行する形式をとる特化型のビジネススタイルと言えます。多くの企業は、この機能別組織構造をしています。
車を扱う会社を例をあげると、「営業」「販売」「製造」といったような業務が存在します。機能別組織とは業務別に能力を持ったチームを編成する組織の事です。
特定の業務に特化しているため、その分野では能力を発揮しやすく業績を上げることが可能です。
企業が大きくなるにつれて業績が上がるというメリットはありますが、同時にデメリットも増えてきます。
デメリットとしては、企業が大きくなるにつれて意思決定に時間がかかる点です。
機能別組織の場合、事業の方向性や意思決定は上層部が決定します。そのため判断を下す必要があるときには機能毎の上層部と企業全体の上層部が話し合う必要があります。
つまり、企業が大きいほど、その規模が大きくなるため意思決定に時間がかかってしまいます。
こういった理由から、現場で迅速に対応したい時、上層部の許可が降りなければプロジェクトや事業の進行に時間がかってしまいます。
柔軟かつ臨機応変に対応できずにプロジェクトや事業の参入タイミングを見逃すといったマイナス面が発生してきます。
機能別組織は大きく業績に繋がりやすいが、大きな企業に成長した際、上層部の判断でしか動けないことにより、業績低下のリスクも予測されます。
事業部制
事業部制組織とは各事業で部署を分けることにより、上層部での意思決定を待たずとも各部門での意思決定が可能であるため、業務を迅速に進める事が出来ます。トップに縛られない構造となっています。
家電メーカーで例えると「エアコン部門」「コーヒーメーカー部門」「ドライヤー部門」と言う形で部署を分ける組織構造です。
この場合は上層部に許可を取ることなく各部門で1つのまとまった内容の仕事が行えるため、判断をする際に全て上層部と話し合う必要がありません。そのため、迅速な対応が可能になり、ビジネスチャンスを逃す事はありません。
意思決定の判断は迅速に行うことが可能ですが、販売部と制作部などが重複してしまうデメリットがあります。また、軸となる考え方が全体の作業バランスの管理が優先されがちなため、専門性が低い傾向にあります。
事業部制組織の場合、買収などでトップが代わり蓄積した経験が無くても部署ごとに独立して判断ができるため、経営破綻しにくい組織づくりとなってきます。
つまり、トップが変わったとしても働き方を変えずにビジネスを継続していくことができるため、買収されても対応しやすい構造になっています。
部署ごとにすべての業務が完結する用になっているため、1つの部署では一括の製品をはじめから終わりまで担当する事ができます。
イメージで言うと会社の中に小さい会社がある様なイメージを持っていただければなお分かりやすくなります。
チーム型
日本ではまだ少ない働き方ですが、海外ではプロジェクト事にチームを形成するといった働き方改革が進んでいます。
プロジェクトチーム型はプロジェクトごとに違う職種の人を集め構造された短期構造型です。プロジェクトが終了するとチームを解散し、再度新たなプロジェクトを立ち上げる際に、新たな人材を集める手法を取り入れています。
この働き方では特化型の人が多く一人一人の能力が高いことが基本です。そのため、スピーディーかつクオリティーが高い仕事を完遂することが可能です。この組織は「プロジェクト・チーム」や「タスク・フォース」と呼ばれています。
基本的な3種類以外にもカンパニー制組織構造とマトリックス組織構造などが存在します。次にこの2つについて解説していきます。
カンパニー制組織構造
小さな会社
カンパニー制組織では、事業部制組織の特徴を強調したような仕組みになっており、完全に独立した事業形態として認識されます。
事業部制組織の強調したと言いましたが、カンパニー制と事業部制の大きな違いは重要な意思決定を行う権限があるかないかです。
つまり、事業部制組織には組織での大きく利益に直結する様な意思決定の権限がなく、上層部に問い合わせなければ組織内の最終決定ができません。一方、カンパニー制組織では組織での大きな権限を持つためそういった重要な判断が迫られた場合も即時に対応でき、事業部より自発的な意思決定が行うことが可能です。
意思決定をする上で現場の状況で得たノウハウは必要な要素です。ビジネスで良い効果を生むためには、現場の決定権が重要になり、現場で働く人にとってもメリットがある構造です。
事業部制組織でも迅速に対応することが可能ですが、事業の意思決定は上層部に連絡しなければなりません。
決定権限を持つカンパニー制組織では、大きな決定ありきの迅速な対応が行えるメリットがあります。逆に判断を誤るというリスクもあり大きなデメリットになる場合もあります。
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マトリックス組織構造
機能別と事業制の双方を活かす
マトリックス組織の構造は機能別組織と事業部制組織を掛け合わせて構成された組織です。
機能に特化したスキル面と迅速に対応できる事業部制のスピーディーさを掛け合わせたのがマトリックス組織です。双方の良い点を掛け合わせる事で結果的に効率が高まります。
機能別組織の考え方と事業部制組織の考え方を同時に持つことによりスピーディーで迅速に業務を行うことが可能です。
デメリットとしては機能別と事業部制の2つの組織の考え方があり、双方の考えで噛み合わない部分が確実に出てくる事が予測できます。その議論に時間をかけることで商品の品質にこだわる時間が減り、結果的に品質の低下に繋がる恐れもあります。
つまり、どちらの良さも始めは取り入れられるが、徐々に時間や経験を積むことによりそれぞれの組織の考えで合わない部分が出てきてしまいます。結果として大きなリスクになることも想定できます。
そのため、大きなリスクを背負うことがないようにどちらかの組織の基準を高めに設定し、片方に大きな権限を持たせることにより、円滑に双方のメリットを効率よく調整することが可能です。
違いを徹底比較
メリット比較
各組織構造の一番大きなメリットは以下の通りです。
機能別
各業務を専門的に行うため、製品やサービスの品質が向上し、質を高めやすい組織構造です。この組織構造で仕事をこなすことにより、数多くの知識やスキルを会得する事が可能です。
事業部制
事業部別で事業の始めから終わりまで、つまり、一気通貫して関わる事ができます。全体を部署ごとに担当出来るため、多くの異なるビジネスを同時進行可能です。
チーム型
主要人物だけを選抜して効率よく仕事が出来ます。高いスキルと経験者で構成されることが多いため、雑用であったり新人の指導といったような本質と異なる業務をする事無く集中して取り組むことが出来ます。
カンパニー制
企業に属しながらも子会社のように独断で業務変更など様々な意思決定が可能です。そのため、現場の判断により適切な対策を見込め、業績を向上させることが可能です。
マトリックス
機能別の品質向上と事業部制の最後まで手掛けるメリット2つを兼ね備えている構成です。双方の良い所を加えることにより、クオリティーの高い製品を生産でき、さらには最初から最後まで関わることが出来るといった大きなメリットがあります。
デメリット比較
考えられるデメリット要因を挙げていきます。
機能別
企業の全体進行が見えづらいため、進行管理が難しい事が挙げられます。理由として品質にこだわるため、管理側も進行の遅れよりも製品を優先する傾向が高いためです。
事業部制
全体を俯瞰するため製品の品質低下傾向にあります。理由として事業全体で把握するとどうしても業務の割り振りで時間が足りなくなる傾向が多く見られます。時間を優先するために製品にこだわる時間等が削減対象になってしまう傾向があります。
チーム型
選抜されたメンバー次第で進行が難しくなることもあります。個人同士の会話や価値観が合わないなどの理由から、仕事をする上で作業がしづらくなるリスクもあります。
カンパニー制
独立して動けるため間違った方向に進んでしまい失敗することも考えられます。多くの場合が企業のノウハウを上手く活用できず、カンパニー毎の現場だけの判断に、重心が寄りがちな傾向が予測できます。
つまり、独自に考えた決定事項が偏ったものになってしまい、経営面の要因をしっかり取り入れずに破綻することもあります。
マトリックス
組織の良いとこ取りをしたことにより、返ってまとまらず考え方の違いで分裂してしまう恐れもあります。似たような立場で同レベルの立ち位置ではお互いに議論を交わし、主張のぶつかり合いになり、結論がまとまりにくいことも考えられます。
デメリットの軽減メソッド
機能別
製品の機能向上以外の全体の管理を意識することでリスクを軽減できます。
事業部制
スケジュール管理を徹底することで時間を作れ、その時間で製品の向上に取り組む方法が良いでしょう。
チーム型
チームは一体感が重要なため、能力以外の共感できる要素を持つ人材を選ぶとスムーズに仕事が回り、作業面でもプラスに働くことも多く考えられます。
カンパニー制
本社のノウハウを学ぶことにより判断ミスを軽減出来ます。
マトリックス
月毎に組織格差を設け上下関係をローテーションさせる事によりお互いの良さを反映させつつ、譲れない月と譲らなければならない月を設けることで、より円滑に業務を行うことが可能です。
まとめ
- 機能別組織構成は企業規模の拡大と共に業績も上がるが、企業が大きくなるにつれ上層部と現場の意思疎通が遅くなり、プロジェクト進行に時間がかかる
- 事業部制はトップが変わっても部署ごとに意思決定ができるため影響を受けにくいが、作業時間を優先するため技術研究などに割り当てる時間が減る傾向がある
- チーム型は業務に特化した高いスキルを持つ人材を集められて高いレベルで仕事を行う組織構造だが、人間関係でギクシャクすると業務全体に影響が出る
- 組織構造には組織構造別にデメリットを軽減させるメソッドがある
多くの企業は「機能別」「事業部制」「チーム制」の3つの種類で比較されますが、今回説明したように他にも組織構造の種類はあります。
現在働いている組織の構造を知ることにより、本来あるべき自分の役割などが見えてくると思うので是非参考にしてみてください。
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