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事業部制組織を具体例で解説!メリット・デメリットやカンパニー制との違い

組織構造には様々なものがあります。中でも「事業部制組織」という構造は現在の大手企業で多く導入されているものです。では事業部制組織は具体的にはどんな組織を指すのでしょうか?そして多くの企業が事業部制組織という体制を選ぶ理由は何故なのでしょうか?今回はそんな「事業部制組織」に焦点を合わせ、その意味やメリット・デメリットを解説していきます。

事業部制組織とは

 

イメージ画像-仕事が出来そう人々

 

現在日本の多くの企業が取り入れてる組織構造の1つ

 

事業部制組織とは事業によって部署を分ける、企業における組織構造の1つです。他の組織構造には「機能別組織」「マトリクス組織」などがあります。

1つの企業でも多種多様な事業に携わっているといったケースが多く見られますよね。それは自社の強みや技術を本来の事業とは別のものに活用することで、さらなる利益を見込めるからです。

しかし、多くの事業を展開していくと、それぞれの事業ごとに必要な手続きや決裁が生じます。すると、肝心の企業経営自体に影響を及ぼしかねません。

そこで、事業別に部署を設けて、部署内である程度の経営ができるようにしました。これが「事業部制組織」です。

現在幅広く事業を行っている企業が事業部制を採用するのにはこのような理由があったのですね。

 

事業部を分ける3つのパターン

 

①製品別に事業部を分ける

扱っている製品によって事業を分けるというのは、事業部制組織では採用しやすい選択肢の1つでしょう。なぜなら製品についての知識や技術など、専門性の高い人材を集めることでよりその製品に特化していくことができるからです。

優れた製品を生み出しつつ、製品に関する問い合わせや営業などもその部署に任せる方が効率的に利益を得ることができます。

 

②地域別に事業部を分ける

たとえば本社が東京で、全国展開あるいは世界展開をしている場合は一定の地域ごとに事業部を置く方が対応しやすいですよね。規模の大きい企業は地域によって事業部を分け、事業部内である程度の問題は解決できるような体制を採っています。

 

③顧客別に事業部を分ける

サービスやシステムなど、メインとなる顧客に傾向が見られる場合もありますよね。そのようなときは顧客に応じた部署を作り、よりニーズに応えられる体制を整えているのも1つの手です。

確かに、企業用ソフトウェアの売り込みをシステム構築の部署に回しても、仕事を回された側は困惑してしまいますもんね。

 

 

カンパニー制との違い

 

イメージ画像-SAME

 

事業別に経営を進めている点では共通

 

事業部制と似た組織構造にカンパニー制といったものもあります。

どちらも多くの事業を進めながら、その経営の裁量を特定のところに任せる点は共通です。

対応できる事業には積極的に挑戦し、利益拡大を目指す姿勢が見て取れます。

 

事業部制はあくまで「企業内の部署」で特定の事業を担当

 

カンパニー制において、事業ごとのカンパニーはあたかも独立した一企業のように扱われます。

そのため、より経営視点での意思決定をスピーディに行える一方、資金調達なども本社とは別に行う必要があります。文字通り「カンパニー(会社)」制ですね。

 

一方、事業部制は本社が「ある1部署」に事業を任せているに過ぎません。あくまで企業に所属している形であるため、事業の売上や損失は本社のものとなります。

2つの決定的な違いは、本社との関係性の強弱と言えるでしょう。

 

 

事業部制で得られるメリット

 

イメージ画像-可視化する

 

スピーディな意思決定や業務遂行

 

担当事業での方針策定や有事が発生した際に、些細なことでも本社に確認を入れるのは非効率的。

反対に、各事業部への分権化を進め、部署内だけで事業を完結できるようにするのが事業部制です。事業運営に支障をきたさないために、部署自体に大きな権限が付与されます。

意思決定や緊急時の対応が各事業部に任されているため、スピーディに業務を遂行できるのです。市場の変化にも対応しやすくなります。

重要な判断が現場に一任されているため、経営視点を持った人材を育成できることもメリットと言えるでしょう。

 

責任の所在の明確化

 

業績が悪化した際、本社の経営陣はその原因や責任をすぐに見つけ出し、適切な改善策をとらなければなりません。

事業部制を採ることで各事業部ごとに売り上げなども可視化できるため、責任の所在が明確になります。経営陣にとっては経営判断がしやすくなるのです。

また各事業部はマイナス事業とならないように、自社のメイン事業となれるように事業の成長を目指すことでしょう。事業部間での競争が生まれることで、結果的に、会社全体の成長につながっていきます。

 

需要の高い事業の可視化

 

事業ごとに部署が分かれていると、売上や前年比を可視化しやすくなります。

それによって本社は、「需要がある」もしくは「これから需要が高まる」と見込まれる事業に優先して予算を配分し、売り上げを伸ばすことができます。

事業の成長具合を分析することで今後の事業展開について戦略を立てることもできるでしょう。

 

本社の運営コスト削減

 

それぞれの事業部が部内で諸手続き等を行うため、本社は事業自体に割くリソースを節約することができます。細かい事業については各部署に任せ、「企業」として必要な活動や業務、意思決定に集中できるのは大きなメリットです。

事業部に裁量を与えることで、仮にどこかの事業で問題が起こった際の対応も円滑に。

本社が決定を下す事項が大幅に減り、経営戦略や市場の調査、予算策定といった業務に集中できれば、会社全体の舵取りも適切に行えます。

 

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事業部制が引き起こしやすいデメリット

 

イメージ画像-事業部での対立

 

事業部同士の交流が減りやすい

 

各事業部がそれぞれの事業運営に集中してしまっているため、他の組織構造と比べ部署を超えた交流の必要性が低い傾向にあります。

異なる事業部同士の交流がないと、それぞれでの知見を活かした新たなサービスや製品のアイデアが生まれにくいという弊害があります。また、異なる事業についての知識共有をする機会がないこともデメリットです。

 

事業部間での摩擦が生じる

 

どの事業に需要があるかがわかりやすい、というのは経営が予算配分を考える上でとても役立ちます。

しかし売上が少ない、またはすぐに結果が出ない事業を担当している部署にとってはどうでしょうか。

長期的に見れば改善や売上増加の見通しが立っているにも関わらず予算がもらえないとなった場合、不満の種になるかもしれません。

予算を巡って同じ企業内の部署同士が争うのは、社員のモチベーションに深く影響を及ぼします。健全な競争意識につながらなかった場合、社員の不満が積もることで離職や内部対立のきっかけにもなる可能性も否定できません。

 

それぞれが経営機能を所持しているため無駄が生じる

 

事業部が大きな権限を有していることが原因で生じる無駄もあります。

本来は共用で使えるシステムやハックオフィス系の機能を事業部それぞれが所有している場合、人件費等の運用コストが増大してしまうのです。

特にランニングコストがかさむようなシステムを複数所持するようなことになってしまうと企業にとって痛いコストとなってしまいます。

 

 

事業部制組織の具体例をご紹介

 

ビルディング

 

ヤフー株式会社

 

日本最大級のインターネットサービスを展開するヤフー社。厳密にはカンパニー制を導入しています。

イーコマース事業・会員サービス事業・広告事業など複数の事業を展開しています。

 

 

株式会社ディー・エヌ・エー

 

メガベンチャーとして複数の事業を展開しています。ゲームプラットフォーム事業・横浜DeNAベイスターズなどのスポーツ事業・オートモーティブ事業・カーシェアリング事業などを手掛けています。

 

 

求人を紹介してもらう

 

 

事業部制組織で働くには

 

 

経営視点を身に着ける

 

事業部制組織で働くことの一番の魅力は、経営視点を身に着けやすいことではないでしょうか。

各事業部に経営機能の権限を委譲するのが事業部制組織です。経営の疑似体験をするチャンスが多いため、個人として能力を高められる環境と言えます。同様にマネジメントのチャンスも多くなります。

 

スピード感をもって働く

 

大企業で働いている方が不満に感じることとして頻出なのが、スピード感です。

上司の承認を得て、さらにその上司の承認を得て、さらにそのまた…

これでは市場の変化に対して即座に対応することは難しいでしょう。

そういった課題を解決するための組織体制が事業部制組織。

現場に権限が与えられているため、スピード感をもって仕事を進めることができるでしょう。

 

複数の事業について学ぶ

 

事業部制組織を成立させるためには、そもそも複数の事業が必要です。

そのため、より多くの市場やビジネスモデルに触れることができるのが事業部制のメリットです。

また、複数の事業を同時運営するためには企業体力も必要。事業部制組織で働くということは、必然的に業界内の有力企業や大手企業で働くことにもつながります。

 

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最後に~企業ごとに適した組織構造を採用しよう~

 

イメージ画像-choice

 

様々な事業に関わりつつ、本社の経営が煩雑にならないようにするには、事業部制組織の形は適したものの1つではあります。

しかし特定の事業で大きな損失が出た際には本社の経営にも影響が出てくるでしょう。そうなればその事業からだけではなく他の事業からも撤退、最悪の場合は企業自体が立ち行かなくなり倒産…なんて未来も現実になってしまいます。

もし事業内容別に担当箇所を分けたいのであれば、カンパニー制なども視野にいれることもオススメです。

「企業にとって大切なことは何か」を念頭に置いて決断するのがベストと言えます。

 

まとめ

 

多くの企業が採用しているからということのみを理由として、事業部制組織を選ぶのは早計です。

デメリットの部分で示したように企業の分裂に及ぶ危険性もある構造であると理解しておきましょう。

他にも企業ごと、経営陣ごとに適した組織構造というものも存在します。

周りに流されず、経営方針や事業方針に適した選択をするのが失敗しないコツですよ!

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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