ジョブローテーションとは!目的やメリットデメリットを解説
皆さんはジョブローテーションという言葉をご存知でしょうか。言葉としては聞いたことがない人も多いですが、実は結構よくあることです。そもそもなぜジョブローテーションを行うのか、メリットやデメリットはどういうものか、覚えておくと良いこともかなりあります。今回はそんな日本ではおなじみのジョブローテーションについて解説します。
目次
ジョブローテーションって何?
一定期間で職場や役職を変えること
人材育成と聞くと、入社して間もない社員に対して行う新人研修を思い浮かべる人が多いはずです。しかし会社としては、自社の事業に大きく貢献してくれる社員にしたいものです。そのため新人研修が終わって業務に慣れてくると、研修以外にも様々な施策をします。その一つが、ジョブローテーションです。
その名の通り様々な業務などを一通り経験させることであり、会社によってそのやり方は様々です。一つの業務をどのくらいさせるか、そしてどのくらいの期間で別の業務を任せるかも、会社によって異なっています。
転勤などの異動もジョブローテーションの一つ
よく会社で仕事をしているときに、突然上司から転勤などの異動を言い渡されることがあります。実はこの転勤などの異動も、ジョブローテーションの一つなのです。別の業務を任せる以外にも、違う場所での勤務を経験させるのも、企業にとっては欠かせないことなのです。
このように、違う場所での勤務や異なる業務を経験させることにより、人材育成をしていくのがジョブローテーションなのです。突然異動を命じられて混乱する人もいるかもしれませんが、その裏には優れた人材に仕上げたいという会社の思いがあるのです。
なぜジョブローテーションをするの?
適材適所となる職種をみつけるため
ジョブローテーションは新卒で採用した社員に対して行われることが多いです。その理由としては、現状の日本の新卒採用は「今何ができるか」よりも「ポテンシャル」を見込んで行われるためです。採用する時点でどんなことが得意なのかはあまり重視されない傾向にあります。
そこでジョブローテーションにより様々な業務を体験させることにより、その人が最も力を発揮できる業務を見つけることができるのです。適材適所となる職場や業務を見つけることで、自社の業務の生産効率を上げることもできます。
広い視点を身につけるため
また転勤などにはもう一つ目的があります。それは社員一人ひとりに広い視点を身につけるためです。会社といっても様々な部門や部署などがあり、それぞれ役割があります。ときには異なる部署で連携を取る必要も出てきます。
そこで様々な部署の業務などを知っておくことで、何かあったときでも広い視点で仕事をすることができます。また少しでも他の業務の経験をしておくことで、なにか緊急事態が起こったときでも対応することができます。
ジョブローテーションのメリット
会社の業務をより深く理解できる
先程も少し述べた通り、会社というのは様々な部署の仕事によって成り立っています。一つの業務を深くまで理解したとしても、その会社全体の業務を理解することは到底不可能です。そこで異動などで様々な経験をすることで、会社の業務をより深く理解することができるのです。
様々な業務を理解することができれば、自分の業務を改善するためのアイデアも浮かんできます。そしてそのアイデアを実現することができれば、それだけ会社の生産効率も上げることに繋がります。こうしたことが増えていくと、それだけ会社も大きく変わることができるのです。
様々な職種を経験できる
もう一つのメリットとしては、様々な職種を体験することができることです。製造業の仕事と言っても、純粋に製品の製造しかしていないわけではありません。商品開発をする部署や、商品を販売する営業部署も当然ながらあります。つまり、一つの会社でも異なる業務というのは少なからず存在するのです。
そうした異なる業務を経験できるのが、ジョブローテーションのメリットでもあるのです。人によっては今まで気づくことができなかった特技などが見つかることもあります。また、そうした様々な経験を積み重ねることで、将来転職をするときも選択肢が大きく広がります。
ジョブローテーションのデメリット
職人が生まれにくい
会社としては色々なことができる社員が非常に役立ちます。しかしその一方で、一つの業務に長けている職人のような人も必要となります。しかしこの職人のような人というのは、一つの業務を限界まで極めなければ生まれません。特にジョブローテーションの場合、そうした職人のような人を生み出すのは不向きなのです。
基本的に若いうちは様々な経験を体験させ、30代になったところでようやく一つの業務に落ち着く、というのがよくある流れです。しかし最近はその様々な経験を体験させる間に会社をやめてしまう人が多いため、結果的に職人気質の人が生まれにくい傾向にあるのです。
異動自体が大きな負担になることも
ここ最近転職をしたりする人は増加しています。その転職をする理由として多いのが、転勤などの異動が多いためです。会社によっては短い期間で転勤などの異動を命じる企業もあります。特に全国に展開している企業となると、入社したときは地元の職場でも数カ月後には東京に転勤する、ということも結構あるのです。
当然転勤となると、転勤先の住居を探したり引っ越しもしなければ行けません。転勤先で仲間と馴染めるかの不安もあり、転勤を命じられた人にとっての負担はかなり大きいものです。そうした負担から開放されたいという思いで転職をする人も、実は結構多いものです。
日本と海外のジョブローテーションに対する考え
日本古来の常識とマッチしている?
日本の就職といえば、新卒一括採用と終身雇用が定番でした。最近ではその終身雇用が危ぶまれるなど、時代の変化に合わせて今まで常識とされていたものが崩れつつあります。しかしそれでも日本古来の新卒一括採用や終身雇用を続けている企業も少なくありません。
ジョブローテーションというのは、その日本の古くからある常識と非常にマッチしているのです。だからこそ、現在でも転勤などが残っているのです。日本でジョブローテーションが広まっているのは、終身雇用などの風習があるからなのです。
海外はジョブローテーションは馴染みがない?
では海外の場合はどうなのでしょうか。実は海外の場合は逆にジョブローテーションはあまり馴染みがありません。その理由としては、日本と海外の働く人の考え方の違いにあるのです。そして考え方の他に、行動の仕方も日本と海外では大きく異なっているのです。
海外の場合、会社の業務は誰かに教えてもらうより自分で積極的に調べる、仕事は取りに行くものだ、というスタンスの人が多いのです。そしてその考えの元動くため、転職などもポジティブにとらえられています。与えられて動くのではなく自分から積極的に経験していく、そうした考えや行動だからこそ、ジョブローテーションはそこまで必要とされていないのです。
ジョブローテーションは日本古来の人材育成
今回はジョブローテーションとはなにか、その目的やメリットなども交えて解説しました。
変わりつつあるジョブローテーション
今まで転勤と言われると、全く異なる地域に異動となることがほとんどでした。しかし最近はその部分も変わりつつあります。会社によっては転勤する可能性があるとしても、具体的にどのエリアへの転勤となるか明確に書かれている企業もあるのです。
また別の企業では、そもそも転勤はないと明言している会社もあるのです。このように最近では、わざわざ転勤をしなくても人材育成ができる企業というのが、徐々に増えつつあるのです。地元に愛着がある人にとっては、非常に嬉しいものです。
まとめ
先程のジョブローテーションのデメリットの部分で異動自体が大きな負担になる、ということを説明しました。確かに転勤先の住居などの確保も大変ですが、最も負担となるのが転勤先の労働環境です。企業によっては転勤先で労働環境が大きく異なるということもあります。
最初に入社したときの職場は残業などなかったのに、転勤したら毎日夜遅くまで残業の日々、ということも実際にあるのです。こうした労働環境の激変によって精神的な負担が大きくのしかかってしまうこともあるのです。もしも現在転職を考えている人や転職のために動いている人は、しっかり転職先のことを調べるようにしましょう。
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