ブレインテックの市場規模を解説!国内外での取り組みや将来性は?今後の注目分野をエージェントが解説
脳科学とITを融合させたブレインテックに世界中の注目が集まっています。ブレインテックを活用したサービスが普及することで、私たちの生活が大きく変わる可能性が秘められているのです。アメリカやイスラエルは国家規模でブレインテックに関するプロジェクトを進めていますが、市場規模や将来性はどうなのか、国内外での取り組みと一緒に詳しく解説します。
目次
ブレインテックの市場規模はどのくらい?
脳神経科学とITを融合させたブレインテックを活用した新サービスが、アメリカやイスラエルを中心に発表されています。
世界各国が脳科学に関する研究を推し進めていることもあり、ブレインテックの市場規模はあと数年で5兆円規模になるといわれています。
ブーム開始は2013年
そんなブレインテックの火付け役となったのは、アメリカのオバマ前大統領とイスラエルのシモン・ペレス前大統領です。
2013年、オバマ前大統領がブレインイニシアティブと呼ばれるアメリカの脳神経科学を推進するプロジェクトを発表し、莫大な予算を投じました。
一方のイスラエルでは、シモン・ペレス前大統領がIsrael Brain Technologies(IBT)を設立し、ブレインテックカンファレンスを隔年で主催しています。
シリコンバレーが本腰を入れる
2016年になると、シリコンバレーの有名企業やスタートアップ企業がブレインテックに関する部門を設立したり予算を投じたりしました。
2013年アメリカ政府が脳神経科学を推進したことをきっかけに、シリコンバレーの企業が次々に参入してきたのです。
2013年と2016年2つの要因により、アメリカやイスラエルを中心としたブレインテックへのプロジェクトが本格的に始まりました。
海外でのブレインテックの取り組み
海外ではアメリカやイスラエルが、国家規模でブレインテックに関するプロジェクトを推進しています。
アメリカは脳の全容解明を目指すとして、莫大な予算を投じました。
イスラエルのIBTが主催するカンファレンスには、スタートアップや投資家、政府関係者などが世界中から集まります。
ブレインテック業界をけん引しているのはこの2ヶ国であることに間違いありません。
また2020年現在、欧州連合ではHuman Brain Projectと呼ばれる脳の仕組みを理解するプロジェクトが進行中です。
そのほか中国や韓国を中心としたアジア各国、カナダ、オーストラリアもブレインテックに力を入れ始めています。
国内でのブレインテックの取り組み
日本国内においてもブレインテックの動きが活発化し始めています。
ブレインテックの研究開発や実証実験に取り組む企業のほか、ヘルスケアや睡眠分野のサービスが注目されているのです。
また、日本の特徴としてニューロマーケティングに力を入れていることが挙げられます。
ニューロマーケティングとは、ある商品を使用したときにおける脳の状態を計測し、その反応を商品開発などに生かす技術です。
これまでは、商品使用者を対象としたアンケートや口コミを商品開発に生かしてきました。
しかし、ニューロマーケティングを活用することで言葉にできない微妙な感情も読み取り、より詳細なマーケティング活動が期待できるのです。
実際の導入事例として、化粧品会社の資生堂が脳の血流反応測定を用いた口紅の使用感に関する評価法を開発しています。
今後、ニューロマーケティングを使用した商品開発はさらに発展していくとみられます。
ブレインテックに注目すべき理由
国が主体となってプロジェクトを進めているブレインテックは、すでに多くの脳神経科学サービスがリリースされています。
特に医療用サービスや睡眠に関するサービスが普及すれば、私たちの生活が現在よりも豊かになることは間違いありません。
ブレインテックにより脳が「見える化」すれば、脳神経科学が更なる発展を遂げるでしょう。
脳科学分野の進化
ブレインテックは脳神経科学とITの融合です。
脳波や脳の血流を読み取ることにより、言語化できない感情をより詳細に伝えることが期待できます。
これまで何度か脳科学分野に関する研究の進歩がみられましたが、ブレインテックが更なる発展をもたらすことは間違いありません。
また、脳科学分野が進化することで私たちの生活が豊かになることが期待できます。
さらに、脳と脳が直接つながったコミュニケーションや購買活動など、ライフスタイルそのものが進化していくと予想されるのです。
ライフスタイルが一変すれば、私たちの生活の可能性が大きく広がるので、ブレインテックには世界中が注目しています。
医療分野の進化
ブレインテックにより医療面でも進化を遂げることが期待できます。
近年加速する高齢化社会に付随して、認知症や脳卒中など脳に関する疾患も深刻な課題です。
ブレインテックを活用することで、脳疾患に対する予防や診断、治療、リハビリに関するサービスの普及が期待できます。
医療分野の進化は時間がかかりますが、ブレインテックとの相性は抜群なので注目度が高まっています。
ヘルスケア分野の進化
ブレインテックはヘルスケア分野にも応用を利かせます。
特に睡眠については、睡眠中の脳波を測定することで、より快適な睡眠ができるようなプロジェクトが進行しています。
ストレス社会に生きる私たちにとって、一日の疲れを癒す睡眠は必要不可欠。
質の高い睡眠を得るためにも、ブレインテックの進歩が期待されています。
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ブレインテック発展で期待されるBMIとは
BMIとは、Brain Machine Interfaceの頭文字を取ったもので、脳とコンピューターをつなげるプロジェクトを表します。
私たちが普段スマートフォンで文字を入力するとき、手動もしくは音声で入力することが主流です。
しかし、BMI技術があれば頭で考えるだけで文字を入力することが期待されるのです。
シリコンバレーの大手企業やスタートアップ企業を中心に研究が進められており、特許を取得した企業もあります。
BMIが実用化されれば、手の不自由な人や身体を動かすことが困難な人も頭で考えて文字を入力しコミュニケーションが可能になるのです。
ブレインテックの将来性は?
あと数年でブレインテックの市場規模は5兆円になることが予想されています。
アメリカやイスラエルを始め国家レベルでプロジェクトを進めているブレインテックは、今後ますます伸び続けるでしょう。
海外市場が伸びれば日本国内における市場も伸びることが期待されるため、ブレインテックの将来性が期待できます。
脳神経外科とITの融合
脳の全容解明に向け、脳神経に関する研究を推し進めている国が増えてきています。
特にアメリカでは、2013年に莫大な予算を投じて脳神経科学推進のためのプロジェクトを始めました。
また、欧州連合ではHuman Brain Projectと呼ばれる脳の仕組みを理解するプロジェクトが進行中です。
脳の全容を解明するための流れはますます加速するとみられ、多くの国や企業が参戦するでしょう。
スタートアップ企業が次々参入
シリコンバレーを中心にスタートアップ企業が続々と参入しています。
2016年にはBMIを推進するスタートアップ企業が参戦し、話題を呼びました。
国が莫大な予算を投じてブレインテックを推進しているケースが多いので、スタートアップ企業も参入しやすくなっているのです。
今後は、医療やヘルスケア分野以外にも教育やスポーツ、音楽など様々な分野に関するスタートアップ企業が参戦すると予想されます。
幅広く活用できる技術
ブレインテックは脳波や脳の血流の状態を分析することで、あらゆる分野に応用を利かせています。
最も分かりやすい例は医療分野で、脳のメカニズムを解明することで脳疾患や神経疾患に対する予防や治療などに役立てることが期待されます。
医療面にとどまらず、ブレインテックは睡眠や教育、スポーツ、エンタメなどあらゆる分野に活用できるのです。
また、日本がメインに進めているニューロマーケティングも活用すれば、今までに商品開発が期待できます。
ブレインテックで注目されている分野
脳波を読み取るという画期的なブレインテックはあらゆる分野に活用できます。
私たちのライフスタイルが一変する可能性を秘めているブレインテックにおいて、特に注目されている分野を3つご紹介します。
医療分野
ブレインテックで最も期待されているのは医療分野です。
神経疾患や脳疾患の中には、原因が解明されていないものや治療が難しいものもあります。
ブレインテックが発展すれば、脳波を読み取ることで疾患の予防や治療、リハビリなど幅広く対応することが期待できるのです。
また、脳に直接磁気刺激を与え記憶力を改善する研究も行われているとのことで、ますます医療面の発展が期待されます。
教育・スポーツ分野
教育やスポーツ分野で期待される技術に、ニューロフィードバックというものがあります。
ニューロフィードバックとは、測定した脳の状態を映像や音で詳細に伝える技術のこと。
脳がどのような状態になっているか目や耳で把握することができるので、学習能力や競技能力向上に活用することができます。
睡眠・音楽分野
脳波や脳の血流を読み取ることで、質の高い睡眠を追求することが期待されます。
睡眠不足や眠りが浅い、夜中に何度も目が覚めるなど、睡眠に関する悩みを抱えている人は多くいるのが事実です。
ブレインテックにより快適な睡眠が実現できれば、仕事や日常生活の質が上がること間違いありません。
睡眠は人間の三大欲求の1つでもありますから、私たちの生活に直接関わってくる重要な分野といえます。
また、音楽が脳に与える影響に着目した研究が多くあります。
ブレインテックとの相性もいいため、注目されている分野の1つです。
ブレインテック業界で活躍するために
アメリカやイスラエルでは国が舵を取りプロジェクトを進めていますが、日本ではまだまだ浸透していないのも事実です。
しかし、ブレインテックは将来性が期待でき、今後ますます伸び続ける市場であることは間違いありません。
日本国内にもブレインテックを推し進めている企業ありますから、早いうちから流れにのっておきたいところ。
転職を成功させるため、転職のプロであるエージェントと連携しながら転職準備を進めていきましょう。
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