IT業界の繁忙期について解説!長期休暇や有給は取れる?エージェントが働き方やプロジェクトの流れを紹介
転職先を選ぶ際、気になるポイントの一つにワークライフバランスがあります。今回はIT業界に転職したら有給休暇がとれるのかといった疑問や、IT業界の繁忙期・プロジェクトの流れについて解説していきます。
目次
IT業界の繁忙期はいつ?
IT業界に転職しようとしている方にとっては、ワークライフバランスの観点でいうと繁忙期はとても重要なポイントの一つです。
IT業界というと忙しいイメージですが、繁忙期は仕事内容や会社によって左右されますし、一概に何月が繁忙期であるとは断定できません。
それでは、実際の繁忙期はいつ頃なのでしょうか。仕事内容別にご紹介させていただきます。
開発職
SE(システムエンジニア)などの開発職の場合は、プログラミング後にシステムが正常に稼働するかを確認する工程が繁忙期となります。
なぜかというと、プログラム製造の際にプログラムの修正が必要になることが多いためです。
また、システムリリースから数日~数ヶ月間は、トラブル解決やメンテナンスが必要になります。そのため、運営・保守担当やSEは、顧客からの問い合わせが多くなるシステムのリリース時期も繁忙期といえるでしょう。
管理職
プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーは、エンジニアの上位職といわれ、一般の企業の課長や係長クラスにあたる職種です。
広い視野をもって部下の進捗状況などを管理し、現場の環境改善なども求められるため責任が重い職種です。
また、一般社員と違い管理職は残業の対象外になる場合もあり、残業規制にかかったチームメンバーのフォローをすることも業務の一部です。
そのような管理職は、開発プロジェクトにおいても指揮をとることが多いため、プロジェクトの開始時期が繁忙期といえるでしょう。
営業職・マーケティング職
ITを活用して企業の経営課題を解決するITコンサルタントなどの営業職は、プロジェクトの開始時期・終了時期が繁忙期といえます。
それは、開始時期には大量のインプット作業が発生し、終了時期にはプロジェクトのブラッシュアップが必要となるためです。
また、webマーケティングなどのマーケティング職も同様の理由で、プロジェクト開始・終了時期が繁忙期となります。
長期休暇や有給は取れるの?
どの職種においても繁忙期は必ずといって良いほどありますが、そうなると長期休暇や有給が取得できるかという点も気になるポイントです。
例えばSEの場合、納期前でもなく開発スケジュールに余裕がある時期は、残業をしない日が続く場合もあります。
そのため、年末年始など長期休暇が繁忙期にあたってしまい休めなかった場合でも、閑散期にまとめて有給休暇を取得することができます。
他の職種でも同様に、比較的閑散している時期に自分で業務調整を行うことで有給取得が可能です。
法改正による有給取得の促進
仕事の閑散期であるといっても、有給休暇を取得しにくい風潮が残っている企業もあります。
ですが近年、法律の改定もされるなど本格的に働き方改革が叫ばれており、政府によりさまざまな対策が取られています。
その対策の一つに年次有給休暇の取得の義務化があり、従業員が年休取得を申し出にくい環境が改善されてきました。
しかしIT業界においては、他業界よりも働き方改革の促進が遅れており、厚生労働省はIT業界の働き方・休み方の促進を働きかけています。
そのため、有給を取得させることがIT企業の課題となっており、今後はさらに有給取得しやすい環境へ変わると考えられます。
長時間労働是正に向けた取り組み事例
先ほどIT業界は働き方改革の促進が遅れていると述べましたが、IT業界には長時間労働の問題が根付いているといわれています。
長時間労働に繋がってしまう原因はさまざまですが、その原因の一つとして挙げられるのは請け負うプロジェクトが大規模であることです。
大規模になるほど、さまざまな関係会社が関わってプロジェクトが立ち上がっているために、開発が長期化してしまうという問題が発生します。
そのため、重要になるのがプロジェクトマネジメントです。これがうまく機能していない場合、会社間や部門間の調整時間が増えて生産性が下がり、長時間労働を招いてしまうといえるでしょう。
その問題を解決するため、大規模プロジェクト着手時のポイントをテキスト化し、プロジェクトマネージャー向け研修を実施した事例があります。
また、数人いるプロジェクトマネージャーの上に統括プロジェクトマネージャーを置くなど組織体制を整えたケースもあります。
このように、長時間労働の問題解決に力を入れ始めている企業が増えてきています。
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働き方改革が与える転職市場への影響
働き方改革の動きは、転職市場にも良い影響をもたらしています。
働き方改革の一環で残業時間の規制が行われるようになり、当然ですが今まで残業時間でまかなっていた業務に無理が生じてしまいます。したがって、その穴埋めとして人員を増員しようと考えている企業が出てくることは確実です。
するとおのずと求人数が増えるため、法令遵守に力を入れている大企業ほど採用枠が増えます。
このように、働き方改革の促進は、転職市場の活性化にもつながるといえるでしょう。
開発部門の主なプロジェクトの流れ
企業によってプロジェクトの流れには違いがありますが、それを知ることで繁忙・閑散期を見極めることができ、年休取得の目安にもなります。
まずは、システム開発・リリースがミッションとなる開発部門のプロジェクトの主な流れからご説明します。
要求分析
システムの開発をするにあたり、どのような機能を取り入れる必要があるのか、現状の課題はなにかなど、顧客のニーズについて分析をします。
その分析結果をもとに、プロジェクト全体の日程感・方向性を決める段階です。
この要求分析は、上位職種であるプロジェクトマネージャーなどが指揮を執り、全体のバランスをみながら進めていきます。
要件定義
要件定義は、システム開発において要求分析に基づき、実装すべき機能を具体的に決定していく段階です。
システム化する範囲やプロジェクトの枠組みを明確にし、開発スケジュールを確定します。
知識・経験・スキル・リーダシップ能力が必要とされるため、こちらも指揮を執るのは上位職です。
基本設計
基本設計は、要件定義書に基づき顧客側の操作画面や出力される帳票などの詳細を決める作業です。
さらに機能ごとに担当者を決めたり、設計書を作成してチーム内レビューを何度も行い、機能性を高めていきます。
そして内部レビュー後は、顧客にも確認してもらい操作方法などを確定する場合もあります。これらは、専門性の高いSEが手掛けることが多い工程です。
内部設計
内部設計は、基本設計で決まった仕様にするために、どのような内部処理をするかといった詳細部分を設計する工程です。
これらも、専門性の高いSEが手掛けることが多い工程です。
コーディング
コーディングは要求分析や基本設計、内部設計時に決められた仕様に実際に動作するようにプログラムを書いていく作業です。
システムを複数のプログラムに分けて設計し、プログラミングをします。
これらは、基本的にプログラマーが手掛ける作業です。
単体テスト
単体テストは、システムが要所で正常に稼働するかを確かめる段階です。
要所ごとにテストするのは、仮に問題発生したときに原因究明しやすくするためです。それぞれのプログラムがうまく動作しない場合、繰り返し修正やテストが行われます。
これらの作業も、プログラムを手掛けるプログラマーが担当することが多い業務です。
結合テスト
結合テストは前段階の単体テストをクリアした場合、プログラムをつなぎ合わせて正常に稼働するかを確かめる作業です。
それぞれのプログラムが単体で問題なく稼働していても、複数のプログラムをつなぐと稼働しない場合があります。
このテストは、実際にシステムが利用される環境にして実施する必要があります。
運用テスト
運用テストは、最終段階に顧客が行うテストです。
システムの開発内容が依頼した内容と合ったものかどうかをプレビューなどで確認していきます。
ここをクリアして初めてシステムのリリースができます。
営業職の主なプロジェクトの流れ
次に、顧客獲得がミッションである営業職の主なプロジェクトの流れをご説明します。
企業分析
企業分析では、見込み顧客を見つけ出して少しでも有利に営業できるようにするため、その顧客となる企業の分析を行います。
そして、顧客企業のターゲット事業は何か、それに対しての自社の強みはなにかを明確にし、アプローチの仕方を決めていきます。
製品・サービス紹介
ここの段階にきて初めて、見込み顧客への営業を始めます。
見込み顧客に興味を持ってもらうためにも、顧客のニーズをしっかりとヒアリングし深堀することが重要です。
そして、顧客が抱えている問題の真相を追求し、課題解決できるような製品やサービスの紹介・提案をします。
提案書・見積書作成・プレゼンテーション
ここでは、ヒアリングした問題の解決策について、具体的に提案書にまとめていきます。
提案書が契約に直結するため、非常に重要な作業です。
提案内容が受け入れられ、顧客に興味をもってもらうことに成功した後に、見積書を作成します。そして、実際に契約を取るためのプレゼンテーションを行い、具体的に提案内容について説明します。
このプレゼンテーションで顧客に納得してもらって、初めて契約成立となりますので、事前準備などに時間をかける必要があります。
クロージング
クロージングとは、顧客と契約締結をすることを指しています。
また、契約する際に決断してもらうために、背中を押す意味として使われることもあり、いわゆる営業の大詰め作業です。
クロージングをしっかり行うことで、時間を置いたときに顧客の購買意欲が下がり契約が取りずらくなることを防ぎます。
まとめ
ワークライフバランスを保つためには、勤め先の繁忙期は気になるポイントです。
仕事内容や企業により繁忙期はさまざまですが、昨今では繁忙期と閑散期にうまくメリハリをつけることで有給取得しやすい時代となりました。
IT業界は他の業界よりも一歩働き方改革が遅れているといえますが、今後改善される可能性が高いでしょう。
転職を希望されている方は、挑戦する企業が取り組んでいる働き方改革について、是非調べることをおすすめします。
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