【徹底解説】JavaScriptの市場と将来性!身に着けたい注目技術やおすすめの資格もご紹介
注目の技術として需要が高まっているJavaScript。ReactやVueといった新たな技術も生まれています。
今回はそんなJavaScriptの需要や将来性から、身に着けることでできるようになる開発領域を徹底解説!実際の求人企業も混じえつつ、未経験や独学で学びたい方におすすめの資格までご紹介します。
目次
JavaScriptの需要や将来性をチェック
プログラミング言語の人気ランキング世界7位
数あるプログラミング言語の中でも、JavaScriptは人気の高い言語です。
オランダのTIOBE Software社が発表しているプログラミング言語の人気ランキング「TIOBE Index」というものがあります。
同社が発表した2021年度7月版の調査では、JavaScriptは世界7位にランクインしています。ランキング内でPHPは8位にランクインしていることを見ると、人気は非常に高いと言えるでしょう。
【参考情報】TIOBE Indexはこちら
JavaScriptエンジニアの需要は大きいが、他言語との併用が必須
JavaScriptは見た目のUIをつくるための言語です。そのため、後述しますがWebサイトやWebアプリケーション、ゲームなど、あらゆる場面で使われており、言語自体の需要は非常に大きいと言えます。
最近では「Angular JS」「Vue.js」といったライブラリやフレームワークが多数登場しています。このことから将来性の高さも見込める言語がJavaScriptです。
しかし一方で、JavaScript単体を扱えるからといって市場価値の高い人材になれるわけではありません。あくまで他の複数の言語と併用することで活躍の場が広がることがJavaScriptエンジニアの特徴です。
フロントエンドエンジニアであれば、HTMLやCSS、その他のフレームワークが扱えること、サーバーサイドエンジニアであれば、JavaやPHP、Ruby、Pythonといった言語と併用してJavaScriptを扱えることが重要なのです。
年収は併用する技術や担当工程でも変わる
JavaScriptエンジニアは他のスキルも併用できることで活躍の場が広がるとお伝えしました。そのため、年収も職種によって異なります。
2021年7月現在でIT業界専門の転職エージェントGeeklyが保有している求人をもとに、フロントエンドエンジニア・サーバーサイドエンジニアの年収帯および、想定年収の下限が600万円以上のハイクラス求人の割合を見てみましょう。サーバーサイドエンジニアの方が年収は高くなる傾向があると言えます。
- ・フロントエンドエンジニア:年収相場300~800万円、ハイクラス求人の割合:約13%
- ・サーバーサイドエンジニア:年収相場300~1,000万円、ハイクラス求人の割合:約15%
その他には、「Vue.js」「React」といったモダンな技術を扱える人や、アーキテクチャ設計・要件定義や基本設計、マネジメント、クライアント折衝など、上流工程の経験がある人は年収が高くなっています。
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こんな方におすすめ
- キャリアプランを見つけたい
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- 能力や興味に合った新しいキャリアの方向性を見つけたい
JavaScriptでできることと、身に着けるべきスキル
Webサイト制作ならHTML/CSS、JQueryやPHP
最も一般的なのは、Webサイトの制作です。
JavaScriptはHTML/CSSだけでは実装が困難な場合や動的な機能を付けたい場合など、見た目に関してユーザーの快適さを追究したWebサイト作成に使われます。たとえば、ポップアップウィンドウの表示やタブの切り替えなどは、全てJavaScriptによって実現されています。
JavaScriptやHTML/CSSに加えて、jQuery、PHPやWordPressといったCMSの知識・スキルがあると良いでしょう。
Webアプリケーション開発ならReactやVue、Node.js
JavaScriptはWebアプリケーション開発にも使用できます。
この場合には、JavaScriptの知識に加えてフレームワークやライブラリなどを習得しておくことをおすすめします。
フロントエンド開発ではAngular(AngularJS)、React.js、Vue.jsを、サーバーサイド開発に携わる場合は、Node.jsを学んでおくと良いでしょう。
webサイトやアプリケーションの開発においては、UI/UX(ユーザーがいかに快適に操作できるか)を追究しなければなりません。なぜなら、競争が激化しているからです。その競争に勝ち抜くために、企業はユーザー目線でシステムを構築できる人材を求めています。
システム開発において、そのUI/UXを司る人材こそがJavaScriptエンジニアなのです。
スマホアプリ開発にはReact Native
JavaScriptはスマホアプリの開発にも用いることができます。
スマホアプリはOSごとにそれぞれ異なるプログラミング言語が使用され、JavaやSwiftといったプログラミング言語が採用されてきました。そんななか、近年はJavaScriptも用いられており、スマホアプリ市場の成長に伴ってJavaScriptエンジニアの需要も高まっています。
それは、Facebookが開発したReact Nativeというフレームワークの影響が大きいといわれています。
React Nativeを用いると、一つのコードでAndroid OSとiOSの両方のプラットフォームで動かせるものを開発できます。React NativeはJavaScriptで実装できるため、スマホアプリ開発のエンジニアであればReact Nativeを使いこなせるようにしておくと良いでしょう。
モバイルゲーム開発にはenchant.js
JavaScriptを習得することで、モバイルゲーム業界にだって近づけます。
JavaScriptにはゲーム開発を行うためのライブラリやフレームワークが数多くあるので、これらを使いこなせるようにしておきましょう。enchant.jsはその一例です。
ブロックチェーン開発もRipple・Bitcoin・Ethereumで可能に
意外かもしれませんが、ブロックチェーンの開発エンジニアとしてもJavaScriptが活きます。
JavaScriptには多数のブロックチェーンのライブラリが出ており、Ripple・Bitcoin・Ethereumなどが、取引記録への署名・アドレス生成処理に使われています。今後、ブロックチェーン技術の普及に伴って関連システムの開発や、仮想通貨(暗号資産)関連の開発も増えてくることでしょう。
最先端技術の開発にも採用されるのがJavaScriptなのです。
JavaScriptの技術で転職できる企業例
ここまでJavaScriptの将来性やJavaScriptを用いてできることについてご紹介してきました。
ここでは、実際にJavaScript、特にReact等のモダンな技術を扱えるようになることで、どういった企業への転職が可能になるのか、一例となる企業をご紹介します。
各企業ページへのリンクを辿ることで、実際の求人案件や業務内容、必須要件などもご確認いただけます。
Reactを用いている企業
ZOZOテクノロジーズ
日本最大級のファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOグループにおいて、エンジニア・デザイナー・アナリストなど制作に携わる全ての技術者を集結させたのが同社です。
年間800万人以上が利用するサービスにおいて、運用・技術開発部門を担っています。
Reactに加えて、VueやjQueryも利用されています。
SmartHR
2021年に累計資金調達額が約238億円を実施。国内6社目の「ユニコーン企業」となりました。
同社は社会保険・雇用保険の手続きを自動化するクラウド労務ソフト「SmartHR」を提供しており、各分野のビジネスアワードにおいて最優秀賞を受賞するなど、多方面で評価される企業になっております。
Vueを用いている企業
ココナラ
「得意を売り買い」のキャッチコピーでおなじみの同社は、「知識/スキル/経験」を気軽に売り買いできるフリマアプリを提供しています。
2012年7月のローンチ以来順調に成長し、ユーザー数は70万人に達し、最近では累積の取引件数が200万件を超えるなど、知識・スキル・経験を売買できる国内最大級のマーケットプレイスに成長しています。
開発環境としては、VueだけでなくNuxt.jsも採用されています。
コインチェック
日本最大級のビットコイン取引所「Coincheck」を運営しています。
これまで、会計大手のPwCとのブロックチェーンを活用した企業間送金の実証実験の実施や、東証プライム上場のマネックスグループ株式会社の傘下に入るなど、強固な経営基盤と運用体制の構築に取り組んできており、暗号資産関連サービスを提供する企業のなかでも市場から大きな注目を集めています。
こちらの企業では、Reactも用いて開発が行われています。
Node.jsを用いている企業
サイバーエージェント
インターネット広告業界最大手の同社は、広告事業だけでなくAbemaTVやタップル誕生などに代表されるメディア事業、Cygamesの「グランブルーファンタジー」や「ウマ娘」が有名なゲーム事業など、多角的に事業を展開しています。世界に通用するインターネットサービスを創造し、グローバル企業を目指す正真正銘のリーディングカンパニーです。
同社は事業部も多く、ReactやVueといった技術も用いられています。
コロプラ
コロプラのゲームにおけるサーバーサイドの開発にはNode.jsが用いられています。同社は「白猫プロジェクト」や「魔法使いと黒猫のウィズ」に代表されるネイティブアプリにおいて、国内No.1(アプリダウンロード累計9000万件)の企業です。
転職時のアピールにもなるJavaScriptのおすすめ資格3選
ここまでの話でJavaScriptに興味を持ってくださった方もいらっしゃると思います。
JavaScriptを学びたいけど何から手を付ければいいのかわからない、そんな方は資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。知識を身に着けられるだけでなく、履歴書にも記載できるため、自身の能力を客観的に証明できておすすめです。
特に、未経験からJavaScriptエンジニアへのキャリアチェンジを目指したい人はまずは独学で資格を取得しましょう。今回はおすすめの資格を3つご紹介します。
HTML5プロフェッショナル認定試験
HTML5とJavaScriptの知識・スキルを有していると認定される資格です。今回ご紹介する3つの資格のなかでも一番おすすめです。
資格がレベル1とレベル2に分かれているのが特徴で、レベル1はWebデザイナー・マークアップエンジニア・Webディレクター・Webシステム開発者向けにwebコンテンツ制作の基礎力を問われます。
レベル2ではwebプロデューサーにも向けて、Webアプリケーションや動的Webコンテンツの開発・設計のスキルを試される試験です。
JavaScript資格の中では「中程度の難易度」です。プログラミング経験が1年ほどあれば、合格できるレベルとされています。試験のためのイベントやセミナーなどが開催されており、学習のサポートが手厚いです。公式の教材も出ているため、独学でも問題ありません。レベル1・2共に、1カ月から3カ月ほどの勉強期間で取得できるでしょう。
Microsoft 試験70-480
Microsoft社が提供しているJavaScriptの認定資格です。
こちらもHTML5とJavaScript両方の知識を問われる試験内容で、すでにプログラミングの実務経験がある人向けにおすすめです。ドキュメント構造やプログラムフローなど、幅広い知識が求められます。
こちらは誰でも受験可能なわけではなく、HTMLやC#といったプログラミング言語を用いた開発を1年以上経験した人に限られます。
JavaScriptのみならず、HTML5やCSS3についても理解していないといけないため難易度は高いです。
資格を発行している企業の知名度が抜群なので、JavaScriptのスキルを裏付ける資格としては強いでしょう。
CIW JavaScript スペシャリスト
こちらは、グローバルな企業で、webサービス開発を仕事にしたい人向けにおすすめの資格です。
今回おすすめした3つの資格の中で最も難易度が高く、未経験者や初心者が合格するのは至難の技といえるかもしれません。試験内容は全て英語で出題されるため、JavaScriptの技術力だけでなく英語の能力も求められるのが特徴です。
その代わり国際的に認められている資格ですので、これからグローバルに活躍したい人にとっては大いに役立つ資格だと言えます。
JavaScript資格の勉強方法はどんなものがある?
参考書
基本的に、JavaScriptの勉強方法は参考書で勉強するというものになります。初心者向けの本も多数ありますし、勉強費用を抑えたい人にとってはベストの方法です。
以下におすすめの本を挙げておきます。
- ・スラスラ読める JavaScript ふりがなプログラミング
- ・開眼! JavaScript 〜言語仕様から学ぶJavaScriptの本質〜
- ・改訂新版JavaScript本格入門 〜モダンスタイルによる基礎から現場での応用まで〜
- ・ノンプログラマのためのJavaScriptはじめの一歩
- ・確かな力が身につくJavaScript「超」入門
問題集
HTML5プロフェッショナル認定試験用の対策テキスト&問題集が出版されており、レベル1、レベル2の両方に用意されています。
試験の傾向や対策が分かるので、試験前に集中的に使うことをおすすめします。
オンライン学習プログラム
オンラインで受講できる学習プログラムを活用するのも一つの手でしょう。
特に未経験や初心者の方は、最初にオンラインの学習講座で基礎を学び、足りない知識や不明な点を参考書で勉強しましょう。その後、問題集などを使ってそれぞれの資格に特化した勉強方法に進むと良いです。
おすすめの学習プログラムを3つ挙げておきます。
Progate
Progateは代表的なオンライン学習サービスです。JavaScriptに限らず、様々なプログラム言語を実際に手を動かしながら学ぶことができ、土台作りには最適です。スマホアプリもリリースされているのが嬉しいですね。
コンテンツは無料版と有料版で進められる範囲が異なっており、導入部分は初心者や未経験者の方にも優しい内容となっています。
ただし、Progateは基本的に教材に沿って学習を進めるだけです。開発スキルが身につくわけではありませんので、その点はご注意を。
CodePrep
CordPrepは、株式会社ギブリーが運営する無料のオンライン学習プログラムです。
穴埋め問題を解いていく、アプリ制作の過程を経験できる、経験値や称号といったゲーム要素が楽しめる、といった特徴があります。
初心者でも簡単にプログラミングを学べるようなコンテンツとなっています。
ドットインストール
ドットインストールは1つの授業が3分、非常に簡潔に学べるオンライン学習サービスです。基本の機能はほとんど無料です。
ドットインストールを使うことで、Progateでは学べないコードの書き方なども学ぶことができます。
まとめ~JavaScriptを身に着けて市場価値を上げよう~
JavaScriptはユーザー側のUIを司る言語として、需要も大きく将来性のある言語です。これからの時代の波に乗って活躍の場が広がることがお分かりいただけたと思います。
今後もJavaScriptをもとにした新しい技術が多く出てくることが予想されるため、資格取得も含めて積極的に学んでいくことがおすすめです。
資格は「知識やスキルの裏付け」であるだけでなく、「熱意や向上心の裏付け」にもなります。
もちろん、資格さえあれば転職に有利だと一概に言うことはできませんが、最低限のスキルや熱意は企業も評価してくれるでしょう。
JavaScriptは今お持ちのスキルと掛け合わせることで市場価値を高めることができる言語です。
自己投資によって自分の市場価値を高め、人生をステップアップさせていきましょう。
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