転職の企業研究アンケート300人の結果公開!かける時間の目安やコツは?
転職活動で大事な企業研究ですが、やり方が分からない方も多いのではないでしょうか。今回はそんな企業研究について転職エージェントが徹底解説!そもそもの必要性に加えて、300人の転職希望者を対象に実施した独自アンケートをもとに、重視すべきポイントをプロの観点からお伝えします。
目次
「企業研究」とは?その前にやっておくべきことは?
そもそも企業研究とは
企業研究とはその名の通り、自分が応募する企業への理解を深めることです。
事業内容や社風、企業の将来性などを調べ、応募企業が自分の転職軸に沿っているかの判断に活かします。
例えば年収アップを目的にコンサル業界を目指すとしても、コンサル業界のすべての企業で年収が高いわけではありません。
転職軸に沿った企業を見つけるためには、1社1社について理解を深めることが大事なのです。
企業研究はなぜ必要?
企業研究の目的は、企業を理解することです。理解することで他社との違いが分かり、「なぜこの企業なのか」という明確な志望動機につながります。
志望動機に他社との違いというしっかりとした裏付けがあることで、選考を有利に進めることができるだけでなく、入社後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
企業に自社にマッチした人材だと思ってもらい選考を通過するため、そして自分にとっても転職を成功させるために企業研究が必要なのです。
企業研究の前に必要な自己分析と業界研究
転職活動においてやるべきことは、企業研究だけではありません。
その前段階としてやっておきたいのが「自己分析」と「業界研究」も必要です。
自己分析
転職活動において、最も重要なのは自己分析です。
- ・そもそもなぜ転職をしたいと思ったのか
- ・将来的にどうなりたいのか
上記2点が明確になっていない限りには、どの企業の選考を受けるべきかはわかりません。
「将来的に■■を目指したいが、現職では▲▲の理由で難しい。だから◆◆のスキルが身につく企業へ転職をする」というように、転職活動の軸やゴールがはっきりすることで、一貫性のある転職活動ができます。
自分に合った企業を見つけられるかどうかは、自己分析の深さによって決まるといっても過言ではありません。
業界研究
転職軸に沿った業界の企業へ応募することで、希望が叶う転職を実現することができます。
同時に、転職軸に沿わない業界への応募を控えることで、無駄な時間も省けます。
業界研究の対象は、応募企業の業界とその顧客の業界です。
「市場規模」「将来性」はもちろん、「働き方」「平均年収」「業界特有の慣習」などを転職軸に沿って調べておきましょう。
【あわせて読みたい】自己分析の方法はこちら!
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3C分析
転職における企業研究では3C分析がメジャーな手法です。
「3C」とは「Company:自社」「Customer:顧客・市場」「Competitor:競合」の3つの事で、これらの観点から企業分析を行う事を3C分析と言います。
Company:自社
- 設立年数
- 企業理念
- 事業内容
- 売り上げ・利益
- 収益モデル、ビジネスモデル など
Customer:顧客・市場
- ターゲット層
- 実際の顧客の層
- 市場規模
- 顧客ニーズ
- 顧客に選ばれる理由 など
Competitor:競合
- 競合他社
- 自社と競合の強み
- 特化している事の違い など
企業研究ワークシート
企業研究を行ううえで、複数の企業を見比べる事ができるのがワークシートです。
自分に合う企業を探し出すのに役立ちますので、志望動機で「なぜこの企業を選んだのか」という点を明確にできるというメリットもあります。
以下の情報を調べ、企業ごとにまとめてシートを作成する方法です。
企業の基本情報
- 企業名
- 代表者名
- 創業年
- 所在地
- 従業員数
- 社風
- 経営理念
事業について
- 事業内容
- 主力製品
- ターゲット層
- 競合優位性
採用情報
- 採用予定人数
- 募集職種
社内制度
- 福利厚生
- 休日・休暇
- 評価制度
企業に対する自分自身の考え
- 魅力を感じた箇所の言語化
- 自身が貢献できるポイント
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企業研究が重要な4つの理由
①転職後のミスマッチを防ぐため
転職で一番怖いのはミスマッチです。
転職先の企業が予想と違ったとなれば、割いた時間も無駄になりますし、精神的ダメージも大きいです。
ミスマッチが生じる原因で多いのは情報不足。
「思っていたのと違った」とは正しい情報を得られなかったことが原因です。
そのため、企業の事業内容や業績について可能な限り調べておくのが大事なのです。
ミスマッチが生じる可能性を少しでも減らしましょう。
②社内の雰囲気を知るため
実際に働いている人の雰囲気を知っておくと、入社後にスムーズに溶け込むことができます。
社風が合っているか否かを知っておくことはミスマッチを防ぐ意味でも重要です。
社風だけでなく、どのような制度があるのか、実際の風通しの良さはどの程度か、また残業時間や休みの取りやすさなども把握しておくと安心できます。
こういった情報は企業のホームページだけでは分からない部分もあります。
そのため、例えば社員のブログやインタビュー記事、転職フェアなどの活用がおすすめです。
③書類選考や面接を通過するため
面接の不合格理由が以下の3つであることはよくあることです。
・自社である必要性を感じない
・自社への関心を感じられない
・事業内容への理解が浅い
企業は「なぜ当社の選考を受けているのか」を知りたがっています。
そのため、自分の志望動機に沿った企業へ応募することが非常に重要です。
そして志望動機に沿っているのかを判断するためには、企業研究は欠かせません。
④志望動機や自己PRに一貫性をもたせるため
志望動機や自己PRは、いかに企業研究を深く掘り下げることができているかを採用担当者にアピールするチャンスです。
他の企業ではダメで自社が良い理由、つまり求職者が魅力を感じた他社との違いを採用担当者は知りたがっています。
また、自分が求める人物像であるとアピールするためには、企業が求める人材を把握していることが大前提です。
このように、採用面接の場において一貫性をもたせるために企業研究が重要なのです。
自己分析からキャリアプラン作成まで
役立つワークシート
こんな方におすすめ
- キャリアプランを見つけたい
- キャリアの方向性を再確認して仕事のモチベーションを上げたい
- 能力や興味に合った新しいキャリアの方向性を見つけたい
【独自アンケート】300人に聞いた企業研究のやり方
めんどくさいイメージがある企業研究ですが、他の人はどのように行っているのでしょうか。
IT/Web/ゲーム業界専門の転職エージェントGeeklyでは、弊社の転職支援サービスを受けられた方を対象に、企業研究のやり方に関するアンケートを実施しました。
本章ではその集計結果をお伝えします。
企業研究のやり方の参考にしてください。
調査概要
■目的:転職希望者の企業研究の実態に関する把握のため
■調査期間:2021年2月9日~2021年3月9日
■調査対象:当社サービス利用者
■対象人数:約300名(有効回答のみ)
■アンケート項目:下記参照
・問1: 企業研究について、最も重視するポイント
・問2:企業研究について、使用する手段
・問3:1社あたりの企業研究に要する時間
企業研究で重視する項目はなに?
事業内容、社風文化、将来性の順に優先度が高い
企業研究では、事業内容を最も重視する人が多い結果に。
次点で社風文化となっており、2つの合計は64%と過半数以上。3番手の将来性を加えれば85%を超えます。
その他の回答では、「開発体制(アジャイル開発など)」「使用技術、採用予定技術」などが見られました。
企業によって職務内容が変わるのはエンジニアならではかもしれません。
年収が高い方は中長期目線で企業を判断
年収が上がるにつれ、社風や文化を最も重視する方の割合は減少し、企業の将来性や市場規模について重視する方が増えます。
年収が高い方の場合、より中長期的な視点で企業を判断しているといえるでしょう。
企業研究の情報源はどこ?
HPを筆頭に口コミサイトが第二の情報源に
HPが筆頭の情報源となり、口コミサイト、採用サイトと続いています。4位~6位までに大きな差は見受けられない結果となりました。
その他で見られた回答は、「与信確認サイト」や「有価証券報告書」。
企業の財務状況について、入念にチェックされる方もいるようです。
年収が上がると参考情報の信頼性を重視
年収が上がるにつれ、採用サイトやSNSで情報収集をする方は減るようです。反対に、IR資料にも目を通す方の割合が増えます。
これは、年収が高い方の情報収集能力が非常に高いことを示唆していると考えられます。SNS上の不確かな情報を参考するのではなく、財務状況等の確実な情報をもとに企業を判断するのです。
逆に言えば、キャリアアップを目指す方であれば、IR資料は理解できるようになっておきたいですね。
企業研究にどこまで時間をかける?
1社にかける時間は30分~1時間が7割を占める結果に
基本的には、30分~1時間ほどで企業研究をする方が多いようです。
転職活動では、複数企業の選考を同時に受ける方も多いです。1社に膨大な時間をかけてしまうと大変であるためでしょう。
一方で10分以下でさらっと終えている方が13%もいることにも驚きです。
企業研究にかける時間と年収は比例する
年収が上がると中長期的なスパンで企業を判断するようになり、IR資料といった情報にも目を通すようになります。その分だけ、1社の企業研究にかかる時間も増加するようです。
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転職を成功させる!企業研究のポイント4つ
企業研究はめんどくさいと考える方は多く、下記のようなご相談はよくいただきます。
・どのタイミングでやればいいのか分からない
・調べる対象の企業が多すぎる
・どこまでやればいいのかわからない
これらの悩みとアンケート結果を踏まえて、転職エージェントが企業研究のポイントを解説します!
ポイント①:企業研究は志望動機を考えるタイミングで行う
自己応募であれば、書類選考の前に行うようにしましょう。
履歴書へ志望動機を書く必要があるため、書類選考の通過率に影響します。
転職エージェントを使う場合には、書類選考の通過後で問題ありません。
書類選考では各企業への志望動機が不要な場合が多いためです。
代わりに転職エージェントが、企業向けに推薦文を書いてくれます。
効率的に転職活動を進めたい方は転職エージェントへの登録がおすすめです。
「頑張って企業研究をしたのに書類選考で不合格」という事態を避けることができます。
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ポイント②:どこまでやるかを事前に決めておく
企業の情報は調べようとすればいくらでも調べることができます。
闇雲に取り掛かる前に、企業研究の目的やゴールを定めておきましょう。
面接での質問に応えられるまで
面接対策としての企業研究であれば、「志望理由」「サービスの魅力」「サービスの改善点」といった質問に答えられるように企業研究を進めましょう。
過去の質問集を入手できる場合には、その内容に基づいて準備をしておきましょう。
逆質問が浮かぶまで
面接で困ることが多いのが逆質問。質問が浮かばない人は、逆質問への対策として企業研究をしてみることをおすすめします。
ポイントは「転職軸に沿った逆質問」を用意すること。
自分の希望が叶うかどうかを判断するために、必要な項目を洗い出し、それに沿って企業研究をしましょう。自分で調べてもわからなかった情報が、逆質問のリストになります。
具体的に働くイメージができるまで
実際に働くとなれば、必要な情報は転職軸に沿っているかどうかだけではありません。働き方や細かい制度まで理解しないと、働く上での具体的なイメージができません。
ある程度は応募企業について理解ができている人は、「明日からその企業で働く」ことをイメージしてください。そのとき不足している情報が企業研究の内容になります。
ポイント③:調べる意味がある項目を転職軸に沿って調べる
調べても分からないことを仕分けておく
個人の感覚や感情に大きく左右される情報は、時間をかけて調べる必要はありません。
代表的なものは「社風」です。人によって静かすぎると感じる人もいれば、活発だと感じる人もいるでしょう。
重要なのは自分がどう感じるか。これは実際に企業と接してみないとわからないため、多く時間をかけてしまうのはもったいないです。
時間をかける必要がある情報かどうかを見極めてから取り掛かるようにしましょう。
転職軸から優先順位を決める
優先度の低い情報を調べることに多くの時間を割く必要はありません。
転職軸や優先順位の高い項目に沿って企業研究をすることで、どの企業の選考を受けるべきかがはっきりします。
同時に、希望に沿わない企業を早めにカットすることで効率的な転職活動にもつながるため、転職軸は常に見失わないようにしましょう。
ポイント④:おススメの情報源とは?
発信者の偏りを認識しておくことが大事
情報収集をする際には、「どんな人が発信しているのか」を正しく認識しましょう。
特に、利用者の多かった口コミサイトやSNSを参照する際には注意が必要です。
例えば口コミサイトを利用する人は、前提として「転職を考えている人」です。
転職は会社とのミスマッチが原因のため、ネガティブな意見も増える傾向にあります。同じ企業でもイキイキと働いている人からは、全く別の答えが返ってくることもあります。
発信者の偏り、前提となる属性や考え方には注意して、正しく参照するようにしましょう。
企業理解におすすめなのは新卒向け採用サイト
採用サイトのなかでも新卒向けのものがおすすめです。
企業の理念や求める人物像はもちろん、事業内容もわかりやすくまとめられています。
新卒採用は特に人柄や人間性を加味した採用である要素が強いです。そのため、理念や社風といった企業の考え方について理解を深めるには、良い情報源となるのです。
インタビュー記事もチェックしておこう
社長のインタビューであれば、会社設立の経緯、理念やミッション・ビジョンについて理解を深めることができるでしょう。
今後の事業展開について語られているものもあります。
面接官が事前に分かっている場合は、その方のインタビュー記事がないか調べておきましょう。
事前に考え方や人柄を調べておけば準備もしやすいですし、気になる点があれば逆質問のストックにもできます。
説明会や転職フェア
オンラインの情報収集以外に、実際に働いている社員から直接話を聞く機会も活用すると良いでしょう。
会社情報や採用情報の最新版を入手できるほか、社員同士のやり取りを目にすることもできます。
また、転職フェアであれば競合他社との雰囲気の違いも分かり効率的なうえに、志望動機をつくるうえでも役立つ経験になります。
企業研究を活用するタイミングと方法
具体的な求人を調べるタイミング
企業研究によって、求める人物像を的確に把握できるはずです。
興味を持った求人に対し、自分が適したキャリア、スキルを持った人物像であるか客観的に判断しましょう。
求められる人材を把握していれば、自分の強みも効果的にアピールできます。
エントリーシートを記入するタイミング
エントリーシートを記入する際にも企業研究によって得た情報を活用しましょう。
きちんとした調べしているからこそ密度のある内容に仕上げる事ができますし、熱意も伝える事ができます。
他社でも通用するような表面上のエピソードではなく、志望企業独自の具体的な内容は説得力も増します。
面接を受けるタイミング
面接でもエントリーシートと同様に、企業研究で得た情報を軸にアピールしましょう。
企業がどのような人材を求めていて、自分がいかにマッチしているか伝えます。
この際に、企業研究を進めるなかで生まれた疑問があれば逆質問で採用担当者に尋ねるとより熱意が伝わるはずです。
まとめ
企業研究について、その必要性や、実際にどのように行われているのか、おすすめの方法などについてお伝えしました。
転職によって希望のキャリアを叶えるためには、企業研究は必要不可欠です。
今回の記事を参考に企業研究をして、書類選考や面接での良い結果をつかみ取りましょう!
- 企業研究は転職成功のためには必須、ミスマッチ防止につながる
- 優秀な方は、信頼性の高い情報をもとに企業の将来性を研究している
- 企業研究は志望動機を考えるタイミングで行おう
- 社風や文化は、情報サイトより自分の感覚を信じよう
- 情報源の属性の偏りには気を付けよう
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