【ITIL】ITILを分かりやすく解説!
IT業界で使用されることが多い「ITIL」というワードですが、実は他の業界でも導入することができる!ということをご存知でしょうか?サービスを提供する上で有効的なノウハウ等の導入が見込めるようですので、「ITIL」に関して色んな面から解説をしてみました。少しでも興味を持たれた方は、ぜひチェックしてみてください!
目次
ITILの概要説明
そもそもITILとは?
ITILは、正式名称を「Information Technology Infrastructure Library」といい、日本語で直訳すると、「情報基盤基盤ライブラリー」という意味になります(直訳をそのまま記載した為、基盤という単語が二回並んでいますが記載ミスではありません。)。
また、読み方としては、アイティルやアイティーアイエル、イティルと呼称されることが多いようです。
では、読み方が判明したところで、ITILがどんな物か?という点について端的にご紹介させていただきます。
ITILは、ITサービスマネジメントを実施した、企業やコンサルタントの成功した事例(ベストプラクティス)を集約し書籍化した物の事を意味します。
ベストプラクティスを参考にしてITサービスマネジメントを実施することで、初期の段階から失敗のリスクを低減することができる為、ガイドブック的な役割が強いです。
ITILの最新バージョンについて
ITILは今まで何度か改定もされており、現時点で公開されている最新バージョンは、2011年に改定された「ITIL® 2011 edition」が最新のバージョンになります。
2011年から大きな改定はされていませんでしたが、この度、2019年の初頭を目途に「ITIL 4」に改定されることが発表されましたので、関係者の間でも話題になっているようです。
ITILを構成する要素
ITILを構成する主な要素は、大きく分類すると5種類に分けることができますので、それぞれの分類と簡単な内容の説明をさせていただきます。
サービスストラテジー
サービスやシステムを提供する上での戦略のことを指しています。
例えば、ターゲットをどこにするか検討、どういった部分に需要があるか確認、どのように資源の確保を行うか検討、コストに問題はないか管理、等といったような内容が該当します。
サービスデザイン
組み上げた戦略に基づいて、どのようにサービスやシステムを導入するか設計することを指しています。
例えば、有用なサービスになっているか検討、キャパシティに問題はないかの確認、深刻なリスクを有していないか確認、サービスのレベルが目標に達しているか検証、等といったような内容が該当します。
サービストランジション
設計したサービスの立ち上げ方法や運用する為のプロセスのことを指しています。
具体的には、運用計画の立案、運用方法が適切であるか検討、運用を開始した後のサービスやシステムの管理、新しいサービスやシステムへの移行、等といったような内容が該当します。
サービスオペレーション
サービスやシステムの日常的な運用プロセスのことを指しています。
運用中のサービスやシステムで異常や変化が発生していないか監視、発生した異常や変化に対する対処、異常や変化の原因追及や防止策の実施、外部から挙がってきた要求の実現、等といったような内容になります。
継続的なサービス改善
継続的に行う、運用しているサービスやシステムの改善を行うことを指しています。
サービスやシステム内容の分析+評価、サービスやシステムのフローの見直し+改善、PDCAサイクルの実施、等といったような内容になります。
以上の内容がITILを構成する主な要素となりますが、こちらは現在公開されている最新バージョンのITILで紹介されている内容になります。
上の方でも紹介した通り、2019年にITILが改定されることが発表されています。ITILはバージョンが変わると、内容が大きく変わることがありますので、新しいバージョンでは分類内容が異なる可能性もあります、という点を補足情報として付け加えておきます。
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導入時に重要視すべきポイント
「3つのP」のバランスが重要
ITILを導入するにあたって重要視されている、通称「3つのP」というポイントがありますので、そちらについても触れておきます。まず、上で記載した「3つのP」と言われているのは、下記の3つのポイントになります。
・Process(過程)
業務の進め方や工程の改善、各工程の適切な役割分担を行う等のことを指しています。
・Person(人間)
業務に携わるメンバーのスキルを向上させる活動や、
業務に対する意識を向上させる為の取り組み等のことを指しています。
・Products(成果物)
業務で使用する便利な道具や工具等のツールのこと、
または、そういったツールで作業効率を向上させることを指しています。
上で紹介した「3つのP」がITILを導入する際に重要なポイントと言われていて、それぞれをバランス良く導入することで最大限の効果を得ることができるのです。
「3つのP」のバランスが悪いとどうなるか?
上の項目で、「3つのP」のバランスが重要!と説明致しましたが、3つのポイントの内どれかが1つ以上が欠けていたり、導入のバランスが悪いとどうなるのでしょうか?イメージがしやすいように具体例を交えて解説してみます。
今回は一例として、Processが悪く、PersonとProductsが良い、という場面を想定して考えてみましょう。
この場合、各個人のスキルが高く、使用するツールも充実しているので、個々の作業自体は問題なく進みます。
ですが、業務の進め方が悪いので、作業の分量が適切に分配されておらず遅延する工程が出てくる、各工程の担当者間での情報共有の場が無く全体のフローがスムーズに進まない、といった問題が発生する可能性が想定されます。
あくまで一例になりますが、3つのポイントのバランスが悪いと導入しても効果が薄れてしまう、というイメージは伝わりましたでしょうか?
3つのポイントの内の2つが優れている、という状況にあっても、うまく業務が回らない事態が起こり得ますので、バランス良く導入することがいかに重要か、お分かりいただけるかと思います。
「3つのP」の最適なバランス
バランスの重要性に関しては十分に理解していただけたことでしょう。
それを踏まえてのこちらの話題になりますが、導入する際の理想的なバランスとしては、Process・4、Person・4、Products・2、が最適と言われています。
前述したバランスで導入をすることが最も効果的である、と言われていますので、ITILを導入する際は、その点も強く意識してみてください。
導入することで得られるメリット
ここまでITILに関しての基本的な情報を色々とご紹介してきましたが、導入することでどんなメリットが得られるのでしょうか?その点に関しても情報をまとめてみましたので、ぜひ参考にしてみてください。
運用マニュアル等の作成を効率的に行える
サービスを運用するにあたって、基準となるマニュアルや標準書等を作成するのは一般的なことでしょう。
その際、ITILを導入することで、ベストプラクティスを元にマニュアル等の作成をすることができますので、対応項目の記載漏れの防止や効率的な作成を実現することができます。
トラブルの予防+早期対策の実現
最初の概要説明のところでも少し触れましたが、ベストプラクティスを参考にして運用を行うことで、トラブルが発生するリスクを低減させることができます。
また、トラブルが発生した際も早期に発見することができ、トラブルへの対策もスムーズに行うことができます。
まとめ
ここまで、ITILに関しての基本情報を色んな観点からご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
記事の内容で「IT」という単語を多く使用していましたので、読まれている方の中には、「これってIT業界だけに関係する内容でしょ?」と思われた方も居られるかもしれませんが、ITILの内容は他の業界でも有効に活用することができます。
紹介されているベストプラクティスをそっくりそのまま実践する、というのは、各々の業務で勝手が違う部分もあると思いますので厳しいでしょう。
ベストプラクティスの内容を、自分の業務環境に合わせて変更・改善し導入をする、というのが現実的な導入方法になるかと思われます。
ですので、ITILの内容に少しでも興味が湧いてきた方は、ぜひこの機に導入を検討してみてください。
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