【AI×ビッグデータ】2つの関係性を導入事例と共に徹底解説!
近年、AIとビッグデータ、この2つの技術が注目されています。AIは人工知能で、ビッグデータは大量のデータだということをご存知の人は多いでしょう。しかし、これらがどのように活用されているのか、分からない人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、具体的な導入事例を含めて、AIとビッグデータの関係性について紹介します。
目次
AIとビッグデータとは?
AI(人工知能)とは
まずは、AIについてお話します。AIとは人工知能のことです。AI(人工知能)は簡単に言うと、私たち人間の脳と同じように、知的な活動をコンピュータで行うプログラムのことです。
例えば、近年注目の集まっているスマートスピーカーもAIが搭載されており、「音楽を流して」というだけで音楽を再生してくれます。さらにロボット掃除機などの家電とも連携できるので、家電の操作もスピーカーを使用して行えます。
このように、AIの発展により私たちの生活がより便利になったことが分かります。
ビッグデータとは
では次に、ビッグデータについてお話します。ビッグデータは名前の通り、大量のデータを意味していますが、それだけではありません。
実は、ビッグデータというのは色々な種類の様々な性質をもった多くのデータを指すのです。例えば、近年のIoTの発展により、センサなどから多くの情報がインターネット上に流れてくるようになりました。それら色々な形の情報がビッグデータといわれています。
例えば、自社の商品を販売する企業であれば、どのような年齢層の女性または男性が、どんな商品を好んで購入するかという大量の顧客情報がビッグデータといえるでしょう。
企業はこのようなビッグデータの活用次第で、得られる利益も大きく異なってくるといっても過言ではありません。
AIとビッグデータの関係性とは?
このように、IoTの発展やネットワークの高度化により、インターネット上では多くのデータが氾濫するようになりました。しかし、従来の技術ではこのような膨大なデータの管理や保管は難しいものがありました。
ところが、AIの中でも特に機械学習やディープラーニングの発展により、従来なら不可能であった膨大なデータの管理や解析が可能になったのです。
そのおかげで、企業が持っている大量のデータも効率よく分析し整理し、企業にとって有用なデータのみを抽出できるようになりました。さらにAI、特に機械学習やディープラーニングの分野は、現在も凄まじいスピードで進化を続けています。
特に2012年にディープラーニングが登場してから画像認識のエラー率が一気に下がったため、今までは人間がひとつひとつ手をかけなければならなかった、画像や音声などのビッグデータの分析・整理もコンピュータによって行えるようになりました。
AI×ビッグデータの課題
ビッグデータの安全な取り扱い
AIの発展により、ビッグデータがより効率よく取り扱えるようになりましたが、まだまだ課題も抱えています。
ビッグデータを分析し活用するためには、当然ながらビッグデータを収集・蓄積するためのシステムやプラットフォーム(コンピュータの基礎部分)を整備しておく必要があります。
特に企業においては取り扱うデータが顧客情報など安全な管理が求められるデータが多いため、セキュリティ対策も万全に行っておく必要があります。多くのデータがインターネット上にあふれると同時に、サイバー攻撃も深刻な問題となっているからです。
大規模なビッグデータへの対応
先ほどお伝えした通り、IoTの発展やデジタル化の進展により、インターネット上のデータはますます大規模になっています。
そのため、膨大なデータにも対応できる仕組みやシステムの構築が必要不可欠です。例えば、様々な形式のデータをリアルタイムで解析するために、サーバの性能を高め、処理速度を向上させるなどの対策が必要です。
AIとビッグデータを活用するには
データサイエンティストという職業
考え、AIのプログラミングを行うのはデータサイエンティストの重要な役割です。
しかしながら、日本ではビッグデータを取り扱えるデータサイエンティストが不足しています。データサイエンティストはデータ分析の知識だけでなく、統計学やプログラミングの高い能力が必要なため、データサイエンティストの育成がこれから強く求められるでしょう。
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AI×ビッグデータの導入事例
人事への活用
企業では人材の採用が必要不可欠ですが、人材のスクリーニングは主に書類選考や適性テストなどによって行われており、選考基準として学歴があります。
実際のところ多くの人事が学歴の低い人でも優秀な人材が多いことを知っています。ですが、人材のスクリーニングには膨大な時間がかかってしまっているため、学歴を判断基準にするしかないという企業も多いのが現状です。
そこで、今まで採用した人の学歴や特技や仕事での活躍具合などのデータを集め、蓄積してビッグデータとして分析することで、どんな特徴を持った人がどのような部署で活躍できるのかを判断できるようになりました。
AIがどのような人材がどこの部署で能力を発揮できるかを判断してくれることで、企業は求める人材をより効率的に見つけることができるのです。
自動車の自動運転
近年、最も注目されているAI技術の一つに自動車の自動運転があります。自動運転も多くの走行シーンのデータをデータベースに蓄積し、ビッグデータとして活用しています。
例えば、晴れた日や雨の日、昼間や夜間などの走行シーンを収集し、走行した映像を蓄積しているため、ディープラーニングによって様々なシチュエーションに合わせた走り方を学習できるのです。
このように、ビッグデータの活用によってより安全な走行が可能になり、自動運転の技術が向上しています。
工場の保全業務
現在、日本では工場の老朽化が問題となっています。多くの企業が定期的な工場メンテナンスを行っていますが、設備の老朽化のために事故が発生するケースも少なくありません。
さらに、今まで保守点検を行ってきた従業員の高齢化などで保守作業を行える人材が不足している現状もあり、事態は深刻化しています。
そこで、AIとビッグデータが活用されるようになりました。例えば、工場の設備に温度センサや振動センサを取り付け、データを収集します。すると、過去の収集した大量のデータ(ビッグデータ)を元に、取り付けたセンサから機械が故障する予兆を発見できるようになりました。
このように工場の設備にセンサを取り付け、ビッグデータの分析を行うことで今までは見えなかった問題や故障の予兆を見つけ出し、設備が問題を起こす前に対処できるようになったのです。
具体的なAIの活用事例
AIとビックデータが、どんなビジネスシーン・サービスに使用・提供されているかは前項目でご説明しました。ここからは、AIとビックデータを切り分けてそれぞれの活用事例をみていきましょう。
問い合わせ対応
コールセンターなど、顧客(ユーザー)からの問い合わせに対し、AIがオペレーターへ回答候補を予測し提示してくれるという事例です。
問い合わせ対応にAIを導入することで、問い合わせの応答時間を短くすることに成功しています。
道案内
現在、駅の案内システムにロボットやデジタルサイネージなどのAIが試験導入されています。
乗客からの問い合わせにも対応できるため、今後さらなる可能性を感じる分野です。
医療関係
AIを使って救急車の出勤が増加しそうな場所を予測する実証実験がスタートしています。
過去に救急搬送された人の性別や年齢、場所に天気などさまざまなビックデータを取得し、救急車の最適な配置を実現できる事例です。
また、インフルエンザウイルスの型を高い精度で識別するといったこともAIを使用すれば実現可能です。症状が出ていない人も判別できるよう、検出精度を高めるべく日々医療分野でAIは臨床研究が続けられています。
このように、AIはIT分野だけでなくさまざまな分野で活用されています。
具体的なビックデータの活用事例
この項目では、具体的なビックデータ活用事例について解説していきます。
豊富なデータ量は、あらゆる分野で強みになります。そんなビックデータ分析・解析をおこなうと、どのようなことに活用できるのでしょうか。順にみていきましょう。
Nシステム
ご存じの方も多いNシステム(自動車ナンバー自動読取装置)にも、ビックデータ解析が活用されています。
警察が設置する監視システムであるNシステムを使えば、走行中の車輌ナンバーを瞬時に読み取り、手配車両のナンバーと照合することが可能です。
なお、Nシステムは犯罪捜査のみならず、ドライバーへの警告や渋滞予測などにも活用されています。
防犯カメラ
防犯カメラの映像はビックデータを収集するのにうってつけの情報です。
以前は、映像記録のみが防犯カメラの役割でした。
しかし、現在は「すぐに棚へ戻した商品」「かごには入れたけれど、最終的には棚に戻した商品」などのデータを蓄積し、データ分析に活用されています。
最後に~私たちの仕事と生活がより便利に~
今回は、AIとビッグデータの2つの関係性について、導入事例を交えてお話しました。企業では、AIとビッグデータの活用によって人材の採用にかかる時間と労力が格段に減り、より企業にマッチングした人材を採用できるようになっています。
また工場では、今まで熟練の保守作業員による点検が必要でしたが、センサを取り付けてビッグデータとAIによってセンサデータを分析することで、事前に設備の故障を発見できるようになりました。
さらに自動車の自動運転は私たちにとって身近なAI技術ですが、自動運転の技術はビッグデータの活用によってますます進歩しているため、近い将来、自動運転が当たり前となっていることでしょう。
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