APIについて徹底解説!気になるWeb APIとの違いから実際の使い方まで分かりやすく説明します。
近年、実際に運用を想定したプログラミングを行う上で外す事が出来ないのがAPIの導入です。しかしAPIもプログラムの作り手が正しく理解していなければ、その効率を上手く引き出す事が出来ないばかりか思わぬ落とし穴に落ちてしまいます。今回は特によく聞くWebAPIとの違いや実際のAPIの使い方を解説していきます。
目次
APIとは?
APIはApplication Programming Interface(アプリケーション プログラム インターフェース)の略称です。プログラムとソフトウェアを繋ぐものという意味合いで使われることが多いIT用語です。
少し噛み砕いた言い方をすると、とあるソフトウェアの機能の一部を公開して他の人でも利用できるようにしたものということができます。
APIの機能自体は、より深く追求していけば再現は可能である場合がほとんどですが、それには膨大な時間がかかり、プログラムもより複雑になっていきます。
APIを利用することで該当するプログラムを簡略化でき、より見やすく使いやすいサービスを提供しやすくなります。
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WebAPIとの違いは?
近年APIというと、WebAPIと広義ではほぼ同義のように使われていますが、より細かく分類するとAPIという分野の中にWebAPIという括りが存在します。
APIはあくまでもプログラムとソフトウェアを繋ぐものであるため、ライセンス制であるなど一般には公開されていないもの、またWebを介さない導入なども含めています。
例えば、パソコンの機能自体を動作させるWindowsAPIなどはWeb上で動作するわけではないため、APIではありますがWebAPIには含まれません。
しかし、WebAPIはより汎用的に一般的な人でも使えるようになっていてWeb上で公開され、Web上で動作しているのが明確な違いでもあります。
また、プログラム言語的にはAPIは利用の際にAPI側の言語に合わせた設計をする必要があるのに対し、WebAPIの場合はWebAPIと異なる言語でも使用できるようになっている場合がほとんどです。
利用者にとっても身近な存在と言えるWebAPI
プログラムをする側にとっての説明は言葉にすると難しいですが、利用者の視点に立ってみるとWebAPIの方がより身近なサービスで利用されていることが分かります。
例えば、近年一般にも浸透し普及しているSNSとの連携機能をもたせることは一番分かりやすいWebAPIの使用例です。ログイン機能や写真の共有などは今では多くのWebサービスに取り入れられています。
ログインを求める際にSNSのアカウントでもログインしておくようにするには、そのSNSを運営する会社が提供するWebAPIを利用する必要があります。
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APIを利用するメリット
開発の効率化・開発コストの大幅な削減
APIの利用の大きなメリットの1つが開発の効率化にあります。
全てのプログラムを1から作ると相応の時間がかかりますが、APIを利用することでAPIを使用する部分のプログラムをする必要がなくなります。
開発が効率化できるということはその分、開発コストを抑えることにも繋がります。APIの種類にもよりますが、無料で公開されているものも多いため利用を続けることによるコストもありません。
また、開発を効率的に行うことができれば、残りの時間でよりサービスを便利にしたり、別の開発を行ったりと幅広い対応ができるようになります。
セキュリティ面の向上
大手サービスのAPIを使ったログイン機能の実装などの利用方法は、自社でログイン機能を作るよりもセキュリティ面で利用者の安心感が高くなります。
もちろんAPIで、他サービスで入力した情報の利用には利用者に許可を求める必要があります。
利用者にとっても便利
APIの導入は利用者にとってメリットが大きいです。
特に色々なサービスで利用されるログイン機能が、APIを導入したことにより、他サービスで入力した情報を取得してくれるようになれば、利便性が上がり結果的にサービス利用者の増加にも繋がります。
また、使い勝手がサービスによって変わらないことで利用者が新しく覚えることを軽減させることができます。
このようにAPIを導入することは、継続利用の可能性を高めることにもつながるでしょう。
APIを公開するメリットは?
もちろんAPIを公開する側にもメリットはあります。
APIを利用してもらえるだけで自社のサービスを知ってもらう機会が増え、使用データの総量を増やすことができます。
使用データが増えればそれだけ細かい分析が行えるため、より利用者にとって有効な新たなサービスを提供できるようにもなります。
また、類似のサービスが増えることでより特化したものや汎用性に優れたサービスが増え、結果的にサービス全体の利用者が増えることを狙うという意味合いもあります。
APIを使うのに必要な知識
本格的なプログラムの知識が無くても、最低限のHTMLやCSSの知識を有していれば利用できるWebAPIもあります。
APIの多くは利用方法や条件を記した仕様書も同時に配布しているので、それらを読んで理解できるだけの知識があればその仕様書に従って埋め込むだけで動作するAPIも存在しています。
しかし、そのAPIを利用してさらなるサービスへと発展させていく場合は、よりプログラム的な知識が必要になります。特にAPIの中には特定の言語での利用が利用条件になっていることもあり、場合によっては言語の知識は必須といえます。
また、APIの配信する形式にもいくつかの方式があるので、それらの方式に対しての導入方法なども抑えておく必要があります。
APIを利用する際にはまず必要な条件や知識を確認した上で導入するのがおすすめです。
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APIをアプリに実装する際の手順
APIは多くの場合、提供している元に直接取得をお願いする形ではなくAPIサイトに登録する形で利用します。これはWebAPIでも同様です。
APIサイトに必要な情報を入力して、APIを利用するアプリがどのようなものかを登録することで初めて利用できるようになるのです。
またその際、APIを扱う為の「APIキー」「シークレット」と言われるデータを取得することになります。これはそのAPIを利用する為に必要なもので個人向けのサービスで言い換えるなら「ログインID」や「パスワード」のようなものです。
ただこの「APIキー」「シークレット」の扱いは個人のIDやパスワードとは比較にならないほど厳重に管理しておく必要があります。万が一外部に漏れてしまえば不正利用されとんでもない請求をされてしまう事にも繋がります。
これらの登録を終えた上で、後は配布される仕様書を確認しながら実際にアプリに組み込んで運用する形になります。
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APIを利用する際の注意点
課金体系の確認
APIは無料のものが多いですが、必ずしも無料で配布する必要はなく有料のものも存在しています。
無料にするか有料にするかはあくまでも配布する側が決めることです。
もし有料のAPIを利用するのであれば、必ず課金体系について確認し、どのような場合に課金が発生するのか把握しておきましょう。
月単位でお金を支払うライセンス制から、使用回数に対して支払う従量課金制のものまであります。特に従量課金制の場合、誤ったプログラムを組んでしまうと1日中アクセスし続けてしまい、とんでもない課金額になってしまったという例もあります。
継続的なメンテナンスが行われているかを確認
ITの世界は日単位、時間単位で進化が続いている分野です。
その為対応しなければいけない内容が増えることも多く、もちろんAPIも定期的なメンテナンスを行う必要があります。
APIは基本的に利用者からその内部を閲覧することができないブラックボックスであるため、提供元が継続的にメンテナンスを行っているかは導入前に確認しておく必要があります。
サポート体制の充実
APIもプログラムですからイレギュラーな事態が発生する場合は当然起こりえます。
特定の利用方法をした場合にクラッシュしてしまうなど、提供元が気づいていないようなバグが見つかる場合もないとは言えません。
そのような際に連絡を取ることができるようなサポート体制を整えているかどうかも導入時点で確認するべきです。
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WebAPIの実装方式について
WebAPIの代表的な実装方式は、SOAPとRESTの2種類があります。それぞれ特性が異なるため、どちらを選定するべきか開発現場で議論が紛糾することは少なくありません。
実装するシステムの目的や用途を十分に確認した上で、吟味しましょう。
コアな開発者に人気のSOAP
SOAPは1999年に発表された標準規格です。HTTPやXMLをベースとし、WebAPIにおける通信手順・形式を定義しています。拡張仕様が利用用途や目的に合わせて細かくルール化されているため、堅牢性が高いです。煩雑な入力作業と共に、入出力された内容の確認を不可欠とするWebサービスに適しています。
しかしながら、使い方が複雑なことに加えて規模が大きいため、2000年代に突入して間もなく敬遠されるようになりました。それでも、一定の開発者から支持を得ているようです。
SOAPで使うメッセージ
SOAPメッセージは、XML形式のデータで送受信されます。エンベロープという特殊なタグで外側を覆い、他のメッセージとの違いを明示することが可能です。エンベロープの内側は、以下の2つの要素で構成されています。
・SOAPボディ
送受信の内容そのものが記されている部分。
・SOAPヘッダ
宛先や認証情報の他、改ざん防止に資する情報などが記されている部分。
SOAPヘッダは安心安全にメッセージを伝達する上で欠かせません。省略せず、しっかり活用しましょう。
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自由度の高いREST
RESTは上記のSOAPと真逆で、シンプルさに特化した設計原則です。
以下、4つの項目で規定されています。
・状態管理を必要とせず、やり取りしている情報はそっくりそのまま利用者が解釈できる。
・あらかじめ情報操作を命令する体制は、定義されている。
・取り扱う全てのリソースを固有の文章として識別する。
・別の情報を紐づけできる。
上記の4つの考え方を適用したものは、RESTAPIと呼ばれ、2000年に発表して間もなく定着しました。
汎用性の高さと共に、開発や実用のコスト軽減を実感しているケースは少なくありません。不特定多数のユーザーを対象とする検索エンジン、入力する指標が少ない情報配信サイトなど、国内で公開されている多くのシステムが実装しています。特に、スマホアプリの開発現場で重宝されているようです。
ただし、自由度の高さが幾つかデメリットを作り出しているため、注意しなければなりません。ルールがあやふやなプログラムの乱立、想定外のトラブルの発生など、起こりうるリスクを把握しておくことが大切です。
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まとめ
APIは言葉として理解するのは難しいIT用語ですが、実際に運用するプログラムを作る上ではもはや欠かすことができない知識です。
APIの利用はプログラムの開発者はもちろん、利用者にとってもメリットが大きく、非常に使いやすいサービスにすることも可能です。
ある程度の手順さえ踏めば比較的簡単に利用できるものも多く、プログラム自体もかなり簡略化できます。
本格的に利用するにはプログラムの知識は必須ですが、まずは簡単に利用できるものから組み込んでみて、少しずつAPIの知識を増やしていくことをおすすめします。
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