データドリブンについて徹底解説!そのプロセスの解説からITとの関係性まで幅広くご紹介します!
顧客の消費行動は、インターネットが普及したことで大きく変化しました。それに伴ってサービスを提供する企業側の戦略に取り入れられ始めたのが「データドリブン」ですが、その実態はなかなかイメージしにくいものですよね。そこで今回は、データドリブンの意味や必要なプロセス、そしてITとの関係性を紹介します。
目次
データドリブンとは
データドリブン(Data Driven)とは、一言で説明すると「データを元に行動する」ということです。消費者の購買行動などのデータを収集・分析して、マーケティングや経営方針に活かすことが最大の目的となります。
インターネットが普及した現代、ユーザーの購買手段や情報収集手段が大きく変化しました。
これまでは、企業が商品広告を打ち出し、ユーザーは広告という限定的な情報を元に商品を買うという、いわば一方通行のフローで成り立っていました。
しかし現代では、企業の商品を知ったユーザーには、インターネットを利用して商品のレビューや類似商品との比較、そして購入先の比較という行動が加わったのです。
そのため企業は、効率的に次の行動を起こすには、膨大な情報を把握することが必要不可欠な手段となったのです。
データドリブンの4つのプロセス
データドリブンには、大きく分けて4つのプロセスがあります。それは、データを元に行動するための手順なのです。
1.データを収集する
データドリブンを行う上で、何より必要なものが「データ」です。それはユーザーのあらゆる行動に関する情報であり、それが詳細であるほど有効なデータと言えます。
データを収集する上で用意すべきものがデータ収集を行うための仕組み(システム)です。そして、そのデータは一つのシステムへ集約し、企業内で一元管理することが重要なポイントとなります。
データ収集にはほとんどの場合ITツールを利用することになるでしょう。そこでは業務経験に加えてIT技術に精通する人材が必要となります。
2.データを可視化する
収集したデータを利用するためには、一目で判断できるように可視化する必要があります。データを元にしたグラフや順位付けを行うことが、データ分析を行う準備となるのです。
データの可視化においては、データ収集の段階よりもITツールにおける役割が大きくなります。データを可視化するということは、プロジェクトメンバーはもちろん、関わる全ての人が分かりやすいデータの“状態”を作り上げる必要があるのです。
3.データを分析する
次に起こすべき行動を探るために必須なのがデータ解析です。収集したデータが可視化されると、サービスが狙い通りに機能しているかどうかを判断できます。
例えばWeb解析ツールの結果からは、狙いとしたページや新機能がどのくらい閲覧されているか、機能がどのくらい利用されているかなどを分析します。
そして、データの分析結果は次の行動を決定します。
分析はあらゆる角度を持って見る必要があるため、専門性の高い知識と経験を持つ人材が必要です。
4.分析結果を元に行動する
分析結果を得られたら、次は行動です。
ビジネスにおいて“狙い”を正確に提供できるか否かが決まります。
例えばWeb解析ツールにて得られた結果が「新機能が利用されていない」といった場合には、その理由も分析で出ているはずです。新機能が利用されなかった理由が「認知度の低さ」だとすれば、マーケティングにてそれを踏まえた行動が必要です。
このように行動に移した後に、再び「データ収集」へ戻ります。このサイクルを半永久的に繰り返すことで、データを元に行動する「データドリブン」というスタイルが完成します。
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データドリブンとIT技術の密な関係性
ITツールが必要となる
データドリブンでは、データの収集から分析までのほとんどをITツールにて行うことになるでしょう。もちろん、データの収集については一概には言えませんが、データを可視化する段階では一元管理されるツールに全てのデータを集約してまとめる必要があります。
サービスの種類によって、また分析すべき内容によっても、利用すべきITツールを的確に判断し導入しなければなりません。
そこで必要な人材となるのが、サービスにおける専門知識を持つ人材と、IT知識を有した人材です。データドリブンなビジネスを円滑に行うためには、IT技術は欠かすことのできない要素なのです。
欠かせないビッグデータ
企業におけるデータ収集は企業内のデータベースに集約され、自社のサービスに対しての結果を得るために利用することができます。データドリブンにおいて基礎となるデータです。
データベースに集約したデータは、データ分析を経て行動への足がかりを作りますが、分析に利用するデータは社内に集約したデータだけではありません。
サービスによっては、外部データであるビッグデータとの比較分析も重要なポイントとなるのです。
社内で収集するデータには、どうしてもデータ範囲に制約が出てしまいます。それは、収集できるデータが自社サービスに対するユーザーのアクションのみだからです。
もちろん、これらデータだけでも分析を行うことは可能ですが、“市場”という広い範囲と比較することで得られる分析結果も存在するのです。
同市場での競合となるサービスの中で、ユニークとなるサービスを見いだすためにも、外部データであるビッグデータの扱いは重要なものと言えます。
データドリブンを支えるツール
Web解析ツール
Webを利用したサービスにおいて、まず考えられるツールが「Web解析ツール」です。PVはもちろんのこと、リアルタイムでの利用状況やサイト内でのユーザーの興味など、様々な“ユーザーの行動”を可視化し、分析することができます。
その中にはユーザーがどのくらいの時間ページに留まったのか、またページ内で狙いとする対象がどのくらい”クリックされなかった”のかなど、ページ内でのあらゆる行動データが収集でき、そのデータを自動的に可視化するといった機能を有します。
CRM
CRMとは「Customer Relationship Management」の略称で、日本語で言う「顧客関係管理」です。
主に顧客関係におけるマーケティングのために利用される管理システムですが、データドリブンな経営には欠かせないツールですので、既に導入している企業も多いのではないでしょうか。
顧客との間の信頼関係やサービス購入のリピーターなど、顧客との相互利益を実現するためには欠かせないツールです。
サービスに対するデータ収集では、顧客からのフィードバックが大きな鍵を握っています。
DMP
DMPとは「Data Management Platform」の略称で、データを中心としたマネジメントを最適化するツールです。
DMPでは、自社で収集するデータとインターネット上に蓄積されているビッグデータを一元管理できる特徴があります。
データを元に行動するためには、非常に有用なプラットフォームの一つであり、ユーザーの興味や嗜好などのデータを自社データだけにとどまらず、外部データであるビッグデータも活用することで分析することが可能になるのです。
営業支援システム
営業支援システムは効率的な営業活動の実現を目的とするツールです。これは、企業が顧客にサービスを提供する上では欠かせないツールでしょう。
データドリブンの1回のサイクルにおける最後は「行動」です。それはユーザーに対する営業活動でもありますので、収集したデータから得た分析結果を元に、効率的な営業を行わなければ、結果を得ることが難しくなります。
また効率的な営業の中には、次のサイクルでのデータ収集を効率よく行うための“行動”を含めなければなりません。
自社からユーザーへのアプローチを、誰がどのように行なっているかという情報もデータドリブンな経営には重要なデータの一つなのです。
データドリブンに必要なIT技術者のスキル
データドリブンに必要なIT技術者のスキルは、主に分析ツールの選定や導入、そしてデータの扱いを熟知した専門性の高いスキルです。
これらをスムーズに運用するには、業務における専門的な知識や、経営という観点からどのようなデータが必要かを見極める経験も重要な要素です。
最初から目的が明確になっていることは、それほど多くはないでしょう。ですので、業務に対する深い理解を前提としてどのようなデータが必要で、どのような情報を浮き彫りにすべきかを加味した上で、導入するITツールの選定が必要です。
導入したITツールについても、意図したデータ収集ができているのか、次の行動を起こせる分析が可能であるかを判断するなど、業務全体を把握した中でITを道具として利用できる器量が必要となるのです。
まとめ
ユーザーの消費行動の多様化や、ビッグデータなどの外部データが当たり前に存在する現代、データドリブンな経営は必要不可欠な戦略となってきました。
その中でIT技術者は様々なツールの理解が必須な上、業務全体を把握するための知識や経験も求められています。
これは一部では利益を生まないポジションとして認識されてきた社内SE(情報システム部門)も、利益を生むポジションとして重宝される存在となっていくということかもしれません。
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