【徹底比較!】UI vs UX!両者の違いから関係性まで、具体的な事例とともにご紹介します!
PCが普及したことにより、UIという用語は一般的になりました。そして近年ではUXという用語を合わせて頻繁に聞くようになりましたね。技術の進化とともに、ユーザーと仕組みを繋ぐUIは、より魅力的なデザインが求められています。そこで今回は、UIとUXの違いを確認しながら、その関係性や具体的な事例を紹介します。
目次
UIとUXの違い
UIはユーザーと仕組みを繋ぐ
UIはUser Interface(ユーザーインターフェース)の略称で、コンピューターや技術などとユーザーを繋ぐポジションを担います。特にPCやスマートフォン、公共のシステムなどを含むコンピューター操作の窓口です。
UIは、そのシステムの機能をユーザーが思い通りに利用するために、メニューに沿った画面遷移や、実行するためのボタンなどを設置します。
UIに一番重要な機能は、システムを使って目的を果たすために、できる限り分かりやすく、そして使いやすく設計することです。
UXはユーザーの体験
UXはUser Experience(ユーザーエクスペリエンス)の略称で、技術やモノを利用したユーザーの”印象に残る体験“を表します。モノを利用した時に”これが欲しかった“と思わせるデザインやUIなど、リピートしたい体験を提供するのがUXです。
一度使ったら離れられない使い心地や、また利用したくなるUIデザインは、ユーザーの喜びや、その時の状況にマッチしたものです。
安全面を考慮して利用すべきモノには、デザインやUIでユーザーを安全な利用方法へ導きます。これもまた、UXデザインによって実現されるのです。
UIとUXの関係性
UIはUXで洗練される
UIとUXは、その目的とデザイン性から、非常に密な関係性を持っています。UXをデザインする上で、それを表現する舞台がUIになるからです。
ユーザーにモノを使った体験を提供するために、UXデザインを行います。それは、見た目であったり感触であったり、あらゆる感覚でオペレーションを体験してもらわなければなりません。そのためには、UIの在り方からデザインする必要がありますので、UXデザインはUIの設計にまで影響を及ぼします。
また、UXはユーザーの状況や期待値を考慮してデザインされ、それがモノのUIとして可視化されますので、製品の普及にとっても重要な役割を果たすのです。
UIの具体的な事例
CUI(Character User Interface)
CUIは、文字列を使ってコンピューターを利用するためのUIです。全てをキーボードだけで操作し、命令コマンドだけでプロセスを実行します。
映画やドラマなどで、IT技術者のスペシャリストやハッカーが、黒い画面に向かってものすごいスピードでコマンドをタイピングするシーンを見かけますが、その画面がCUIです。
現在のようにGUIが普及する前は、一般的なUIとして、ユーザーとコンピューターを繋いでいましたが、現在は主にサーバーエンジニアやネットワークエンジニアが、サーバーやネットワーク機器を操作する時に利用されています。
GUI(Graphic User Interface)
WindowsやmacOSを代表するOSは、全てGUIによって作られています。
私たちユーザーは、目的の処理をアイコンやファイル名を“クリック”や“タッチ”する事で、直感的に操作し、その結果を視覚的に判断しています。
ひとつひとつのコマンドやプロセスが、全て画で表現されているので、それらを直感的に道具として利用することができます。また、GUIというUIが、タッチパネル操作というUXを実現しているのです。
スマートフォンアプリのUI
スマートフォンでは、必ずアプリをインストールして、アプリを起動してからその機能を利用します。その時、私たちユーザーがタップする画面がUIです。アプリが提供するサービスに、アプリの画面を通して繋がります。
スマートフォンアプリのUIは、PCモニタよりもはるかに小さいスペースに、分かりやすい配置をする必要があります。
機能が多いアプリでは、ボタンの配置や画面遷移などといった細かな動作ひとつが分かりにくいだけでも、ユーザーは離れてしまいますよね。このようなことを避けるための設計にもUXデザインが重宝されます。
UXの具体的な事例
クイックホイール
クイックホイールは、AppleのiPodに搭載されたUIであり、UXです。このクイックホイール は当時、ユーザーに新しい体験を提供した技術のひとつです。
ホイールの上を指でなぞるだけで音量の調整をおこなったり、そこにあるマークを押すと曲送りなどができ、音楽プレーヤーのUIにおける新しい体験でした。
また、クイックホイールをなぞる動作に合わせた“音”に惹かれるユーザーも多く、感覚をUXデザインしたと言っても過言ではありません。
タッチパネル
PCやスマートフォン、タブレットなどに搭載されているタッチパネルもまた、UXデザインと言えます。
それまではマウスやキーという外部入力装置を利用するのが一般的でしたが、タッチパネルは指でタッチして直感的な操作するという、画期的な体験をもたらしました。
操作したいモノを直接触るというUIは、それがスタンダードになるほど印象的な体験だったのです。
小さな子供がテレビ画面をタッチしてしまうとう話も聞きますが、これこそ、タッチパネル操作という“印象的な体験”が世代を超え、これまでの常識を塗り替えたUXであるということです。
指紋認証
指紋認証もまた、セキュリティ面を強化するためのUXデザインと言えます。携帯電話が普及した当時、ユーザーがそれ自体にセキュリティをかけるという概念は、ほぼありませんでした。
しかし、情報漏洩が徐々に深刻化するにつれて、暗証番号でのセキュリティが主流となりましたが、キーを押して解除するセキュリティ対策はユーザーとって面倒だったのです。
この“面倒”を取り除き、手軽にかつ強力なセキュリティを実現したのが指紋認証です。UXデザインとして、安全な利用方法へユーザーを誘導することも大きな役割となり、セキュリティ強化に対する体験としては、大きなインパクトをもたらしました。
UXの知識が必要なエンジニア
Webエンジニア
プログラマーをはじめとしたITエンジニアが関わりやすいのは、WebサイトにおけるUXではないでしょうか。
WebサイトのUXは、消費者であるユーザーへのマーケティングを考慮した設計が必要です。ユーザーがWebサイトに訪れた時、サービスの見やすさやWebサイトの分かりやすさ、そして、今ユーザーがやりたい事をスムーズかつ“印象に残る”Webサイトを作らなければなりません。
サービスの入り口となるWebサイトが、競合他社の中からユーザーに選ばれるためには、迷うことなく目的のサービスが利用でき、“次回からもこのWebサイトで”と思わせるためのUX設計が必要です。
スマートフォンアプリ開発エンジニア
あらゆるサービスがスマートフォンに集約されていく現代では、スマートフォンアプリ開発エンジニアにもUXの知識が必要になっています。
スマートフォンアプリは、様々な装置と連携してサービスが提供できます。例えば電子マネーなどの決済アプリや、ポイント管理アプリからショップアプリなど、全ては外部の装置と合わせて一つのサービスを提供するものです。
ユーザーがそれらを利用する状況は様々なパターンが想像できますが、利用するアプリのシチュエーションによって、ユーザーが“また使いたいという体験“を、UIとUXデザインで実現していくのです。
まとめ
UIとUXでは概念が違いますが、サービスという側面から見ると、UXデザインがUIに大きく影響することがわかります。UXという前提で設計される”体験“は、UIという窓口を含めて実現されるのです。
サービスや製品は、UXという用語が無い時代から”ユーザーの体験“を提供し、それを成し得たサービスや製品が広く普及し、それがスタンダードなモノになってきました。
今、UIとUXの違いを理解し、それをITエンジニアとしてのスキルにすることができれば、今後世に出るサービスに大きく貢献することができるかもしれませんね。
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