【2019年】VRの現状とこれからまで分かりやすく解説します!
VRは現在、ゲームやアトラクションなどのエンターテインメント分野で私たちの生活を楽しませてくれています。さらに、企業研修でもVRの活用が進んでおり、社員が現場まで出向かなくてもVRの中で教育が受けられるようになりました。今回は、発展が止まらないVRの現状とこれからを分かりやすく解説します。
目次
VRの現状① エンターテインメントとしての活用
VR(バーチャルリアリティー)はエンターテイメント分野を中心として、私たちの生活に身近な存在となっています。VRを使ったゲームや映画を楽しまれている人も多いのではないでしょうか。
VRで迫力あるゲームが楽しめる
2016年~2017年にVRにおけるゲーム市場が拡大しました。現在もゲームやアミューズメント分野でVRを活用したアミューズメントが楽しまれています。例えば、プレイステーション4に接続してゲームを楽しめるプレイステーションVRが有名です。
ところでVRとは、ヘッドマウントディスプレイというVRヘッドセットを頭にかぶって楽しむものです。ヘッドセットをかぶると、目の前全体にゲームの映像が広がります。さらに頭を動かすと360度迫力ある映像が楽しめるので、パーティゲームやオンラインゲームがより臨場感あるものに代わります。
また、アミューズメントスポットとして有名なバンダイナムコでは、VRを使った体験型アクティビティが楽しめます。例えば、2~4人で一緒に体験できるホラーゲームや迫力ある映像が楽しめる川下りVRなどが人気です。
VRで映画も3Dで楽しめる
VRヘッドセットを着用すると映画も2D・3D映像で楽しめます。例えば、スマートフォン装着型のVRゴーグルにスマートフォンをセットすると、VR専用アプリを使って迫力ある映像が観られるのです。最近ではVR対応の動画も増えており、YouTubeなどの動画アプリでも360度の迫力あるVR動画を鑑賞できます。
先ほど紹介したプレイステーションVRでも、CD・Blue-Rayや動画配信サービスの映画が2D・3Dで楽しめます。しかし、VRを着用すると酔ってしまったという人もいるでしょう。近年は、VR酔いを軽減する技術も進んでおり、多くの人がVR映像を楽しめるようになりました。
VRの現状① ビジネスへの活用
VRは現在、ビジネスでも活用されています。企業研修や不動産内覧会など、多くの分野でVRは私たちの役に立っています。
企業研修でVRが活用されている
現在、企業研修においてもVRを活用する企業が増えています。例えば百貨店の研修では、VRを用いて接客マナーの練習が行えます。人間相手では緊張してしまう人でも、VR中の人に対して接客を行うので、焦らずに接客マナーが学べるのです。
また、医師のトレーニングにもVRが役に立ちます。VRを活用すると、経験の浅い医師が熟練の医師の手術シーンを体験できます。手術室に入って学べる人数は限られていますが、VRを使用すれば遠隔でも熟練医師の手技が学べます。
VRで物件が内覧できる
VRを活用すると、賃貸物件や分譲物件を現地に出向かなくても内覧できます。従来は物件のある現地まで行く必要があったため、1日に見学できる物件数は限られていました。しかし、VRを使用することにより、不動産会社の中にいながら複数の物件が気軽に見学できます。
また、まだ建設されていない分譲マンションについても、VRで室内を歩きながら実際のイメージが把握できます。窓の高さやフローリングの色など、図面だけでは分からない情報もVRを活用することで簡単に把握できるのです。
現在のVRデバイスの種類
現在、VRのデバイスは大きく分けて3種類あります。スマートフォン型、PC・ゲーム機接続型、スタンドアロン型をそれぞれ紹介します。
スマートフォン型ヘッドマウントディスプレイ
スマートフォン型ヘッドマウントディスプレイは、VRヘッドセットにスマートフォンを差し込んで、スマートフォンから映し出される映像を楽しむタイプです。
スマートフォン型ヘッドマウントディスプレイはVRゴーグルとも呼ばれており、段ボール箱タイプの簡易なものや、しっかりしたゴーグルタイプのものがあります。
YouTubeなどのスマホアプリから好きなVR対応の映像を選ぶだけで簡単に360度の動画や映画が気軽に楽しめるのが魅力です。
PC・ゲーム機接続型ヘッドマウントディスプレイ
PCやゲーム機に接続するタイプのヘッドマウントディスプレイも現在、人気があります。主なプラットフォームに、プレイステーションVR、Steam VRなどゲーム好きなら特に親しみやすいメーカーが揃っているので、本格的なVRゲームが楽しめます。
ただし、PCやゲーム機に接続するタイプのヘッドマウントディスプレイは現在でも高額なのが難点。解像度にもよりますが3~10万円の高額なVRヘッドセットが主流です。しかし、スマートフォン型ヘッドマウントディスプレイに比べると解像度も高くなるため、より臨場感ある映像が楽しめます。
スタンドアロン型ヘッドマウントディスプレイ
スマートフォンやPC等に接続しなくても、ヘッドマウントディスプレイ単独で動作するのがスタンドアロン型。スマートフォン型やPC・ゲーム機接続型のように、使用する際の接続操作が必要ないので思い立った時にすぐ使えます。
スタンドアロン型はケーブルも必要ないので、VRの中を自由に動き回ることも可能です。また、ポジショニング機能という自分のいる位置を把握する機能が付いたものもあるので、まるで本当にVRの世界を歩いているような感覚になれます。
VRの現状
総務省「VR/ARを活用するサービス・コンテンツの活性化に関する調査研究」によると、海外におけるVR関連特許数は、2006年には51件だったのに対し、2015年には475件に増加しています。2010年まではほぼ横ばいだったVR関連特許は、2011年から増加傾向にあります。
また、2010年頃まではVR関連特許は日本企業が大部分を占めていましたが、2011年以降は海外企業の特許出願が増加しています。具体的には2006年は日系企業が34件、外資系企業が2件でしたが、2015年には日系企業12件、外資系企業21件、個人5件の特許数となっています。
特許数の推移から、日本企業のVR市場がやや衰退しているように見受けられます。では、なぜ日本では海外ほどVR市場が広がらないのでしょうか。
実は、世界規模のVRブームはエンターテイメント分野が主流です。そして、エンターテイメントの中でも、PC・ゲーム機接続型のヘッドマウントディスプレイが盛り上がりを見せています。
しかし日本では、PCゲームやゲーム機よりもスマートフォンゲームの方が発展したため、VRは海外ほど広まってはいません。
とはいえ外資系企業の影響もあり、近年ではエンターテイメント分野をはじめ、ビジネス分野でもVRの開発が進んでいます。日本でも色々なシーンで当たり前のようにVRを活用する時代は近いといえるでしょう。
VRのこれから
現在、VRを活用したコンテンツやサービスの開発が各国で進められています。世界各国のコンテンツ・サービスやデバイスのこれからについて紹介します。
VRコンテンツ・サービス
アメリカでは医療分野に重点を置き、VRの体験・訓練への活用を目指しています。例えば医療分野では、VRを患者につけてもらうことで患者の痛みを緩和・コントロールできる可能性が見出されました。
実際に小児科病棟での予防接種時に、子供にVRを装着して映像を流すという事例があります。子供が映像に夢中になっている間に予防接種を行うので、痛みに気付かないまま注射を終えられるのです。
また、フランスはエンタメ・アート分野に重点を置き、アミューズメントへのVR活用を進めています。MK2というフランスの映画会社はVRコンテンツ制作企業と提携し、MK2が運営する映画館や施設へのVR導入に力を入れています。
MKは「MK2 VR Pod」というVR体験設備を開発しました。「MK2 VR Pod」は、モニターやプレイエリアを作るためのフレームなどがセットになっています。映画館や図書館、アーケード施設などでの活用が期待されています。
VRデバイス
中国ではVR産業の発展を支援するためのVRタウンの開発が進められています。VRタウンには約50社が集結し、年間総数150万個のVR対応ハードウェア機器の生産を目標としています。
VRタウンでは、VRの研究・開発・製造に必要なインフラを全て取り揃えており、中国におけるVRの発展が期待できます。
最後に~VRはこれからさらに発展していく~
今回は、VRの今とこれからについて紹介しました。VRは現在でも、エンターテイメント分野・ビジネス分野を中心として活用されています。そして、世界各国でVRの研究・開発は進んでおり、今後ますます多くの分野でVRが役立つようになるでしょう。
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