『XAMPP』について徹底解説!その特徴からできることまで、分かりやすく解説します。
Webのサーバサイド開発で頻繁に使用するApatchやPHPといった言葉を聞いたことはあるでしょうか。サーバの運用はApatchやPHPなどの複数のソフトウェアで成り立っています。そのため構築構築だけでも詰まると数時間かかることもあります。そこで、サーバサイド開発の環境を手軽に構築できる「XAMPP」を紹介します。
目次
XAMPPとは?
XAMPP(ザンプ)とは、Webアプリケーションの実行環境を構築するソフトウェアです。
- データベース
- プログラミング言語
環境構築するのは、1つのソフトウェアをインストールだけでしたら簡単です。しかし複数のソフトウェアとなると面倒です。XAMPPは、コマンド入力もなく詳細設定ファイルも変更せず、実行環境をボタンをクリックするだけで環境構築できます。
そしてXMAPPはフリーソフトのため、全て完全無償です。
XAMPPはApache Friendsによって開発されました。Apache Friendsは、Apacheサーバーの振興を行う非営利プロジェクトでもあります。Apacheサーバとの親和性も高いと考えられます。2002年に初版リリースされ、10年以上の実績があるため安心して使用できます。
XAMPPの意味とは?
5つの単語の意味を組み合わせてXAMPPと名づけられました。
- X – クロスプラットフォーム
- A – Apache
- M – MariaDB(旧バージョンはMySQL)
- P – PHP
- P – Perl
これらのソフトウェアを使用することでWebアプリケーションが作成できます。
クロスプラットフォーム
クロスプラットフォームとはどのOS(Windows、Linux、macOS、Solaris)でも同じ仕様で動作することです。マルチプラットフォームとも言われることもあります。
Apache
Apacheとは世界で最も高いシェア(50%以上)を誇るWebサーバーソフトウェア(HTTPサーバー)です。
- OSに依存しない
- オープンソース
- 動的コンテンツの処理速度が速い
- 信頼性
- 実績が多く開発者向け技術情報が多い
などが挙げられます。
更に他のサーバと比較してセットアップがすぐに完了できるメリットもあります。
MariaDB
MariaDBとはMySQLからから枝分かれしたデータベースシステムです。MySQLよりも高いパフォーマンスを提供しているのが特徴です。
注意点として、XAMPPを起動すると表示が「MySQL」の箇所がありますが、実際の中身はMariaDBに入れ替わっています。
PHP
PHPは「Hypertext Preprocessor」の略で、HTMLに埋め込むことができるため、Web開発でよく使用されるスクリプト言語です。PHPは特にサーバーサイドでコードを実行するためによく使用されます。
PHPはプログラミング初心者に人気があり、その理由は文法も分かりやすく基本的な文法を覚えてしまえば、簡単なプログラムをすぐに書くことができるためです。
Perl
PerlはC言語とシェルの良い所を備えたようなプログラミング言語です。
大きな特徴は、テキスト処理に対して非常に強力でライブラリモジュールが豊富であることです。
更にドキュメントやライブラリはオープンソースで公開されていて誰でも無料で自由に利用可能な上に、ほとんどのオペレーティングシステムで動作可能です。
しかし、現状はWebアプリケーション分野ではPHPが選択されることが多いです。
PHPが優位な点として
- ソースプログラムの分かりやすさ書きやすさ
- フレームワークの充実
- コンピュータの性能向上
などが挙げられます。
XAMPPXの特徴
学習・開発に最適なソフトウェア
特に初めての方であれば、環境構築に詰まる人が多いでしょう。インストール時にソフトウェアの詳細設定をいくつか変える必要があるためです。
しかし、XAMPPは面倒な詳細設定は飛ばして手軽にインストールし、実行できます。
もちろん、詳細設定は自由な変更できます。XAMPPを使用することで極力不要な手順を減らし、学習・開発に専念できます。
ソフトウェアのバージョン管理
XAMPPは複数のソフトウェアをパッケージングしたツールです。XAMPPをインストールすると、Apache、MariaDB、PHPのバージョンが一律に固定されてしまいます。
これには少々問題が生じる可能性があります。
例えば3つアプリケーションを所持している人がいるとします。その人がすべて異なるApacheのバージョン、PHPのバージョンで運用していた場合にXAMPPのバージョンに合わせる必要があります。ZAMPPの推奨する環境で実施しなければ当然バグが生じる可能性があります。所定のバージョンに合わせるために時間を費やす必要があります。
また、個々のソフトウェアの最新のバージョンに対応させるにはXAMPPが対応するまで待つ必要があります。現状の傾向としてはPHPのバージョンアップに合わせてXAMPPのバージョンが挙げれるケースが多いです。
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XAMPPでできること
- 環境構築が容易でシンプルなため初心者の開発や学習には使いやすい
- Bitnami(ビットナミー)と連携し、規定で利用できるWordPressなどのアプリを簡単に設定・使用可能
- インストールはローカル・クラウドどちらでも可能
- MariaDB以外でも複数のデーターベースが使用できる
高速で環境構築ができる
先述しましたが、インストールからサーバ起動までボタンだけで完結できるほど簡単です。高速に環境構築できる利点は無駄な作業に時間がとられないことです。
「Webサーバ上でのPHPの学習」、「Webサーバを作ってみたい」など誰もがWebサーバの構築する目的をもって取り組まれています。特に初めての方は環境構築で詰まるケースが多いです。環境構築という目的とかけ離れた作業に時間を費やしてしまうのは勿体ないです。環境構築自体はとても大切なことで仕組みを理解する上で欠かせないプロセスですが、学習において優先度が低いので、ある程度理解が深まってから環境の学習を進めたほうが良いでしょう。
Bitnami連携で便利なアプリケーションがインストールできる
Bitnami(ビットナミー)は、XAMPP上に Drupal、Joomla!、WordPressなど広く使われているアプリケーションをインストールするためのツールです。
実際にWordPressをインストールしてみましたが、ボタンでインストールを進め、XAMPPのインストール先を選ぶだけでWordPressがローカルに設定できました。とても簡単でスピーディに規定のアプリを連携できます。
ローカルでもクラウドでもインストールできる
XAMPPは柔軟性が高く、ローカルでもクラウドでもソフトをインストールすることができます。
ローカル環境
XAMPPはクロスプラットフォームだということをお伝えしました。
Windows、Linux、macOS、SolarisのOSで同じように動作させることができます。XAMPPはローカルの完全な環境構築だけではなく、クラウド上でも動かせられます。
クラウド環境
拡張性の高いXAMPPはクラウド上でも動かすことができます。
クラウドとは、「ユーザーがインフラやソフトウェアを持たなくても、インターネットを通じて、サービスを必要な時に必要な分だけ利用する」ことです。サービスの例としてMicrosoft Azure、Google Cloud Platform、Amazon Web Servicesなどが挙げられます。
公式サイトにて、クラウドでXAMPPを実行する方法に関する詳細なチュートリアルを提供されています。
また、WordPressアプリケーションをXAMPPからAmazon Web Servicesでの高可用性の本番用WordPressデプロイメントに移行することもできます。
データベースはMariaDB以外も使用できる
PostgreSQLについては別にサーバを用意しておけば、PHPのpg関数が有効となり、接続することができます。FirebirdおよびInterBaseについては「php.ini」に修正を加えることでinterbase関数が有効となり接続できます。
まとめ
- XAMPPはWebアプリケーションの制作に必要なツールが無料で一択インストールできるパッケージ
- ローカルやクラウドといった環境を問わずインストール可能
- Windows、Mac、Linuxといった異なる環境下でも同じ仕様で動作が実現
- 初期設定では多くのセキュリティー機能が無効にデフォルト設定されているため注意が必要
XAMPPは簡単にWebアプリケーションの実行環境を整えるため、初めての方には特に需要が高いです。しかし、簡単が故にアプリ間の仕組み等はブラックボックスになっているため、詳しく知りたい方や慣れてきた方は一度、個々にインストールすることも良いでしょう。
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