エッジコンピューティングとは!注目の理由やメリットを解説!
「エッジコンピューティングって何?」「なぜ注目されているの?」
気になっている方も多いのではないでしょうか。次世代のテクノロジー、エッジコンピューティング。この記事では、エッジコンピューティングについて解説いたします。エッジコンピューティングが注目されている理由から活用事例までをご紹介しますので、是非ご一読ください。
目次
エッジコンピューティングとは
エッジコンピューティングとは、インターネットサービスを提供する形態のことです。
情報をスピーディーに処理をして、ユーザに届けることができます。よりユーザに近いコンピュータやサーバーで情報を処理できるためです。
昨今では、膨大なデータをクラウドに集約して、処理しています。そのクラウドに膨大なデータを送る前に、エッジコンピューティングで情報を処理し、必要な情報のみをクラウドに送信するようなイメージです。
エッジとは日本語で「端」という意味があります。エッジコンピューティングでの「端」とはユーザーに近いスマホなどのIoT機器のことを指します。
つまり、よりユーザに近いネットワークで情報処理をするのがエッジコンピューティングです。
エッジコンピューティングが注目される理由
わたしたちの生活は技術革新によって年々、生活が便利になっています。この生活の利便性を支えているのが、IoTやAIです。
エッジコンピューティングが注目される理由はIoTやAI、ビッグデータのように近年扱うデータ量が急激に増加しているためです。
この膨大な量のデータを集約・処理するためにクラウドが使われていました。しかし、クラウド上で多くのデータを取り扱っていたら、クラウドだけではデータを処理するのにかなりの時間を費やす必要があります。
そこで導入されたのがエッジコンピューティングです。エッジコンピューティングは現場により近いところで集約・処理されるため、クラウドの負担を軽減してくれるのです。
エッジコンピューティングのメリット
次世代のアプローチ方法とまでいわれているエッジコンピューティング。このシステムにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
高応答性
メリットのひとつに高応答性があります。クラウドのような遠く離れたサーバーに膨大なデータを集約するより、エッジコンピューティングのような近いサーバーを利用して負荷を分散することで応答が早くなるのです。
これはエッジコンピューティングがデータを送信する時に、最適化処理をしているためです。クラウドサービスを利用する際は数100ミリ~数秒の遅延が生じますが、エッジコンピューティングだと数ミリ~数10ミリの遅延に押さえられます。
そのため、工場のオペレーションなどの迅速な応答が求められる現場で活躍しています。
セキュリティの向上
エッジコンピューティングによってセキュリティの向上も見込めます。エッジコンピューティングがローカルなどのオフラインの場でもデータ処理が可能なためです。
クラウドだとインターネットを利用してさまざまな機器やサーバー、回線を介す必要があるため、外部から攻撃を受ける可能性大です。また、一点にデータが集約されるため、情報漏洩をした際の被害が大きくなります。
そうすると安全面にわずかな懸念が残ります。そこで安全にデータを処理できるエッジコンピューティングが利用されるのです。
通信料の削減
エッジコンピューティングを活用することで通信料の削減にも貢献します。クラウドのようにネットワーク上に膨大なデータを送信する必要がないためです。
膨大なデータを送信しようと思うと、それ相応の通信費用がかかります。インターネットを利用して世界中に設置されたサーバーを利用することになるためです。
エッジコンピューティングでは、ローカルにデータを複数分散させるため、通信料を削減できます。そのため、エッジコンピューティングとクラウドをうまく使い分けることが重要になります。
エッジコンピューティングのデメリット
このように多くのメリットがあるエッジコンピューティングですが、もちろんデメリットもあります。
コストがかかる
エッジコンピューティングのデメリットとして、コストがかかることが挙げられます。高応答性、セキュリティの向上、通信料の削減とさまざまなメリットがありますが、それを実現するため、サーバーの増設、維持、管理が必要になります。
その費用が高く、クラウドの環境を構築するよりもコストがかかる計算になります。そのため、予算と相談しながら導入を検討するのが良いでしょう。
データの一部が消える
エッジコンピューティングを利用して、重要な情報などをクラウドに送信するため、他のデータが消失してしまいます。これがエッジコンピューティングのデメリットです。
そのため集約・解析したデータをAIなどの機械学習に利用する際、その消失したデータが必要か不要かを判断できず、適切に分析することが困難です。このデメリットを把握したうえでエッジコンピューティングを利用してください。
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エッジコンピューティングの活用事例
あらゆるものがインターネットと繋がった時代で、エッジコンピューティングを活用した事例がさまざまあります。現在と今後、活用されるであろう事例を一部ご紹介します。
顔認証での入退管理システム
NECという電機メーカーでは顔認証の入退管理システムにエッジコンピューティングが活用されています。
従来ではICカードを搭載した社員証を、専用の機械にかざして入退を管理していました。それがウォークスルー顔認証と呼ばれる製品で、顔で社員を認証でき、かつカメラの前に立ち止まる必要がないため、文字通りウォークスルーを実現しています。
この顔認証システムを実現するには膨大な量の社員の顔情報を集約、処理する必要があります。また、顔写真は個人情報に該当しますので、セキュリティ面でも細心の注意を払う必要があります。
そのため、エッジコンピューティングが利用され活躍しています。
自動運転システム
自動運転システムは今後エッジコンピューティングの活用が期待される分野です。
自動運転車は数多くのセンサーから読み取ったデータを処理しながら、状況毎に最適な走りを提供し、自動運転が成り立ちます。
そのため、情報処理のスピードが命になります。このデータ処理に少しの遅れが生じれば、それが走行に直接に影響するため高応答性が必要不可欠なのです。そこでエッジコンピューティングが活用されます。
実際にインテル、エリクソン、デンソー、トヨタ、トヨタIT開発センター、NTT、NTTドコモの計7社が協力して、実現のための活動をしています。
イマ―シブ・テクノロジー
この聞き慣れないであろうイマ―シブ・テクノロジーにもエッジコンピューティングが活用されるであろうテクノロジーです。
イマ―シブ・テクノロジーとは没入型技術のことで、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの近年発展が目覚ましい分野のことです。
この分野では大量のデータを処理しなければいけません。クラウドではデータの送信や処理に膨大な時間を費やす必要があるためエッジコンピューティングが利用されています。
まとめ
この記事では、エッジコンピューティングについて解説しました。エッジコンピューティングは次世代のシステムで、クラウドが抱えている課題を解決する能力を兼ね備えています。
大量のデータを処理する必要がある、現代のIoT社会には欠かせないです。活用事例としても今後、成長するであろう分野ばかりです。
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