IT×ヘルスケアの今後について解説!市場規模や具体例をご紹介します!
生活習慣病の増加などで日常生活での予防が注目される中、人生100年時代を健康に過ごすための技術も進んでいます。ヘルスケアとITと融合は、私たちの健康維持や医療の在り方にも変化をもたらすでしょう。本記事では、IT×ヘルスケアが注目されている現状やその市場規模について、導入事例などを例に紹介します。
目次
IT×ヘルスケアとは?
健康管理や医療に大きな影響を与えるヘルスケア。
今、このヘルスケアにITを融合させた考え方やサービスが注目されているのです。
しかし、そもそもヘルスケア業界とはどのようなものなのでしょうか。ここでは「IT×ヘルスケア」につながる前提知識として、ヘルスケア業界について確認しておきましょう。
ヘルスケア業界とは?
ヘルスケア業界は、健康維持・増進から福祉まで広範囲に渡り、主なものとしては以下が挙げられます。
・医療機関
・製薬会社
・健康食品
・フィットネスクラブ
・介護施設
私たちが生活する中で、健康に関わるほとんどのサービス・機関がヘルスケア業界だといえるでしょう。
IT×ヘルスケアが注目されている!
AppleやHUAWEIなど、さまざまなメーカーからウェアラブル端末が発売されています。
例えば、腕時計型のウェアラブル端末である「Apple Watch」は、常時心拍数を計測する機能が備わっており、異変があれば通知してくれるのです。
消費カロリーや運動量を計測するデバイスも次々と市場へ投入されており、IT×ヘルスケアの注目度はどんどん高まっていることが分かります。
また、ウェアラブル端末だけではなく、介護施設などで利用できる遠隔センサーや、医療を判断するAI(人工知能)など、多くのIT技術がヘルスケア業界で臨床実験を行っているのです。
IT×ヘルスケアの魅力
IT×ヘルスケアは、私たちの日常に徐々に浸透しています。
医療や薬の発展により平均寿命は伸びました。それに伴い、いかに長く健康に過ごすかという健康長寿への関心が高まっているのです。
IT×ヘルスケアは、今まさに多くの人が興味を持ち、積極的にウェアラブルなどの機器を生活に取り入れています。
つまり、IT×ヘルスケアは大きな産業の1つとしても魅力的な分野だといえるのです。
IT×ヘルスケアの市場規模
経済産業省ヘルスケア産業課の資料(平成31年4月)では、米国・欧州・中国においてヘルスケアIT投資の現状が示されています。
2017年時点の調査によると、欧州・中国は日本の15倍、米国は日本の100倍規模の投資が行われているのです。
例えば、生活習慣病の予防や治療管理を行うアプリ、医療機関での待ち時間を緩和するためAIによる健康相談など、医療とIT技術の連携が多く見られ、そこに高いニーズがあることが分かります。
これからも拡大していく領域
今後、ウェアラブル端末だけではなく、生活の中にIoTが浸透していきます。
身に付けるデバイスや生活家電からも情報を取得できるようになり、個人がどのような健康状態であるかをより正確に把握できるようになるでしょう。
摂取カロリーや睡眠時間などのデータは、スマートフォンやスマートウォッチなどを通してセルフモニタリングを行います。
さらには、かかりつけの病院とデータを連携することで、医師や保健師などから個々に向けたアドバイスも受けられるようになるかもしれません。
取得されたデータは臨床研究データにも用いられ、健康長寿社会に活かされるでしょう。
こうした仕組みを推し進めることにより、IT×ヘルスケアの領域はこれからも拡大していくと予想されます。
IT×ヘルスケアで何ができる?
ヘルスケアは、具体的にどのような部分をIT化できるのでしょうか。
ここでは、IT×ヘルスケアで対応できることを見ていきましょう。
ウェアラブル端末
Apple Watchを代表するウェアラブル端末は、腕に装着しておけば運動量や心拍数、睡眠の質などを測定できます。
日常生活で身体機能を計れることで、ちょっとした身体の異変をセルフモニタリングすることに役立ちます。
健康管理アプリ
ウェアラブル端末と連携して利用するのがスマートフォンアプリです。
日々の運動量や身体の変化を可視化するアプリは、生活習慣の改善点を意識することに役立ちます。
また、服用している薬についても、アプリ管理が便利です。
お薬手帳などをアプリとしてスマートフォンで管理することで、飲み合わせを注意できますし、飲み忘れの防止にもつながるでしょう。
ビッグデータ
ウェアラブル端末とアプリが連携することで、健康状態のデータを集め、ビッグデータとして活用することも考えられます。
生活習慣病にかかりやすい傾向や、健康状態を維持するための方法などの分析は、新たな治療研究につながるでしょう。
遠隔医療
ドキュメンタリー番組などでもよく目にするようになったのが遠隔医療です。
外科手術も、ロボットを使って遠隔で操作したり、被災地など医師の足りない場所への遠隔診療なども導入が進められています。
また、過疎地などで過ごす高齢者の心身状態をモニタリングするなど、IT技術ならではのサービスも広がっていくでしょう。
IT×ヘルスケアの導入事例
それでは実際に、IT×ヘルスケアの分野ではどのような事例があるのかを見ていきましょう。
主に「遠隔」「自動」といったITの特徴を活かす利用方法が、ヘルスケアに導入されています。
自宅で健康診断
血液検査キットを使って自分で血液を採取することで、生活習慣病や胃がんリスクをチェックできます。
採取した血液を専門機関へ送ることで、診断結果はスマホやPCでチェックできる仕組みです。
一般的な健康診断と同等の検査を自宅で可能にするサービスは、何らかの異常がある場合でも早期発見につながります。
時間がなくて健康診断にいけない人でも、自分で採決して結果はスマホで確認する手軽さは嬉しいですよね。
参考元:スマホdeドック
センサーで健康見守り
非接触センサーを用いた健康管理は、主に高齢者を対象とした健康チェックに導入されます。
ベッドのマットレス下にセンサーマットを設置して、入眠時刻や中途覚醒、無呼吸回数や時間などあらゆるデータを取得して専門クリニックへ送信。データは解析され、個人に合った健康アドバイスをレポートしてくれるのです。
異常が合った場合にはリアルタイムでご本人やご家族、介護スタッフなどへ通知されますので、万が一の場合にも備えることができます。
介護付き有料老人ホームへの導入事例も増えている見守りシステムです。
参考元:ライフリズムナビ+Dr.
AIを取り入れた医薬品情報システム
薬剤関連のQ&Aをデータベースに蓄積してAIに判断させることで、速くて高度な医薬品治療を実現します。
曖昧な表現や普段の会話での言い回しで質問しても、AIが文脈から判断できることが特徴です。
経験が浅い医療従事者にとっても、成長を支援するシステムとしての利用が考えられます。
AIを取り入れた健康管理アプリ『FiNC』
国内No.1のダウンロード数を誇る、ヘルスケア・フィットネスアプリです。
人工知能を搭載しており、毎日の体重・睡眠・運動量の情報を記録していきます。その情報に沿って、その人に合った美容や健康のメニューを提供してくれます。
運営会社である、株式会社FiNCには以前インタビューをしています。
企業の考え方や、目指す未来について聞いておりますので、是非ご覧ください!
最後に
IT×ヘルスケアは、健康から福祉までを支える産業で、技術的な問題の他にもクリアしなければならない課題もあります。
特に情報の扱いや倫理といった面では、医療関係者と民間企業のコミュニケーションも重要でしょう。
疾患を予防するという意識をITによって見える化することは、人生100年時代に長く健康を維持するきっかけにもなります。
「IT×ヘルスケア」は、今後成長する業界でもあり、私たちの健康寿命を伸ばす分野としてさらなる発展が望まれる分野です。
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