WEBアプリとは。どのような仕組みで動いている?開発に必要なスキルについてご紹介します
WEBアプリとは具体的にどのようなものでしょうか?同じものと思われやすいWEBサイトとの違いについて解説します。WEBアプリを構成する3つの主な仕組みと作成する流れ、公開方法に関してもご紹介します。必要な能力やスキルについても最後に紹介していますのでぜひご覧ください。
WEBアプリとはネットを経由するアプリ
WEBアプリはWEBサイトと違う?
一般的なWEBサイトと呼ばれるものはHTMLで記述し、あらかじめ制作側が容易した情報を公開するだけです。
一方WEBアプリはデーターの変更や保存、ブログなどの作成などが可能です。簡単にいえば、機能が備わったWEBサイトともいえます。
また、WEBアプリは単に情報を提示するWEBサイトと違い、ユーザー側からも干渉でき、双方向で情報のやりとりができるインタラクティブ性があるのです。
WEBアプリにはAmazonや楽天市場などのECサイトも含まれます。自分で管理する個人ページを登録・編集したりデータの加工ができます。
また、閲覧の度に新着の商品情報が更新されるといった特徴があります。
代表的なのはフリーメールのGmailです。
メッセージを編集し、希望先に送信することができます。こういったものもWEBアプリです。
情報を動画視聴できるYouTubeや、SNSでいえばTwitterやFacebookなども有名なWEBアプリで、いずれもコメントをつけたり、評価をしたりとこちら側からもアクションができます。
WEBアプリとは、アクセスしたユーザーによって内容が更新・変化する動的WEBサイトとのことを指します。
ネイティブアプリとは
まず、ネイティブアプリとWEBアプリの違いです。
アプリ利用時にネット環境不要で、モバイル端末にインストールする必要があるネイティブアプリ。
一方、使用時にネット環境が必要で、モバイル端末にインストールしなくても使用できるのがWEBアプリです。
ネイティブアプリはスマートフォンやタブレットといったモバイル端末に、アプリをインストールする形で使用するアプリケーションのことです。
スマートフォン・タブレットでアプリを、AppleStoreなどからインストールして使用するといった形のアプリケーションソフトウェアは総じてネイティブアプリです。
他にも電卓アプリといったネット環境がなくとも使用できるアプリをネイティブアプリとも呼びますが、アプリを端末にインストールするときはネット環境が必要です。
また、近年はGmailのようにインストール型アプリでもネット上でも、両方使えるハイブリッドアプリが普及しています。
WEBアプリを構成する3つの主な仕組み
クライアントサイド
WEBアプリでユーザーが干渉できる部分のことです。クライアントサイドまたはフロントエンドとも呼びます。
これはユーザーがWEBアプリへアクセスすることにより、視聴したり操作することが可能な領域を指します。
ここの仕組みでは、WEB サイトの見た目といったデザイン、例えば「ここにボタンを設置する」「ここは太文字に」といったようにレイアウトを決めたりします。
動画サイトなら動画再生や停止、または見たい動画のリサーチやコメント機能もクライアントサイドで行われます。
サーバーサイド
サーバーサイドはバックエンドとも呼ばれます。
クライアントサイドからの情報やデータを処理して返す、またはユーザーからのデーターを保存するといった裏側の役割を担っています。ユーザーが直接は干渉できない部分です。
簡単に言うと、クライアントサイドはユーザーから見え操作できる部分、サーバーサイドはユーザー側には見えず、扱えない箇所になります。
クライアントサイドでユーザー側が操作した情報やデータを処理し、その結果を再びクライアントサイドに送り返します。
例えばECサイトなどネット上のショッピングで商品を探すとします。
ユーザーが入力したキーワードにより商品などを探しますが、商品を探す処理を行うのはサーバーサイドの工程になります。そして、その結果をクライアントサイドに渡し、ユーザーが商品データーを提供します。
注文、購入履歴といったデーターの保存も、同じくこの仕組みの段階で行われます。
データベース
DB(データベース)とは、データを管理・整理して、扱いやすい状態にしてあるデータの集まりを指します。
WEBアプリでは利用者であるユーザーの要求に応じてDBにデータを記録したり、取り出して表示するといったインプット・アウトプット作業を行います。
ECサイトには仕入れ先、在庫数、カテゴリー等の商品情報や、顧客情報では発送住所や支払い住所、決済の方法や発送の方法など様々な情報がDBに保存され連結されています。
YouTubeなどの共有で動画を視聴するWEBアプリでは、数多くのアップロードされた動画を保存・管理するのがDBの役目です。
例えばユーザーが視聴したい動画のキーワードで検索すれば、DBからそれに関連した動画を取り出して表示します。
WEBアプリを作成する流れ
使用するプログラム言語を選ぶ
WEBアプリを開発するには使用するプログラミング言語を選定する必要があります。
クライアントサイド(フロントエンド)、サーバーサイド(バックエンド)それぞれ開発するにあたって使用するプログラミング言語も違います。
フロントエンドで使用される主なプログラミング言語:HTML・JavaScript・CSS
HTML
HTMLはWEBサイトの構造構築をします。
CSS
CSSはHTMLと共に組み合わせて使用することが多い言語で、ページのデザインを担います。CSS言語はページのスタイルを決定する言語です。
JavaScript
JavaScriptは「動き」をつけるために必要な言語です。
スライドショーやアニメーションなどもJavaScript言語を使用します。ページに動的な要素を加えるときに必要となります。
またJavaScriptはバックエンドでも利用され、メールの受信確認などをリアルタイムで確認できるといった処理も開発可能です。
バックエンドで使用される主なプログラミング言語:PHP・Ruby・Python
PHP
PHPは初心者でも使いやすく、WEBに特化したプログラミング言語です。
しかし、WEBに特化しているため、ネイティブアプリに向いていないなどのデメリットもあります。また、複雑で規模の大きなアプリ開発には向いていません。
Ruby
Rubyは日本で生まれたプログラミング言語です。日本語のサポートがあるため、調べても日本語での説明サイトが多く使いやすいところがあります。
個人の日記程度のブログではなく、大企業クラスのブログなどを作るときは機能の追加を重ねていき大規模になるため、この言語を使われることが多いです。
Python
Pythonの特徴はコードが分かりやすいという点で、初心者でも比較的学習しやすいといわれています。
海外に比べて日本ではこの言語があまり普及しておらず、使えるエンジニアも限られていました。ですが、近年では日本でもAIや新しい人工知能ブームといわれるディープランニングなどに利用されることが多く、ライブラリも豊富なのが特徴です。
プログラミング言語の選定に触れてきましたが、世界に存在するプログラミング言語は200を優に超えます。
その中から目的のWEBアプリを開発するために適したものを選び、使用できるスキル・または新しく学習するといったことが開発者には求められます。
フレームワーク・開発ツールを選ぶ
簡単にいえばフレームワークは複雑なプログラミングを簡易にするためのものです。フレームワーク(骨組み)の機能に従うことでプログラミングしやすくなります。
フレームワークの中でもWEBアプリの骨組みとして使用されるものは、WEBフレームワークといいます。
プログラミング言語によって使用されるフレームワークは変わります。
各言語の代表的なフレームワークをあげると以下の通りです。
PHP :CakePHP
Ruby :RubyonRails
Python :Django
JavaScript :AngularJS
上記のようにプログラミング言語によって使用するフレームワークも変わります。
また、WEBアプリの開発においては、開発ツールも使用します。
Source Tree
Gitと呼ばれるプログラム変更履歴を制御するシステムを、GUIで理解しやすい形にするツールです。
GitHub
Gitを共有化するツールです。つまりネット上においてGitを複数人で利用できるようにしたシステムです。
Cacoo
WEBアプリの設計に使用するツールです。WEBアプリを開発するにあたってはその仕様、どのようなページ移動を行うか?といったことを決めます。仕様書や画面遷移図を作る際に役立つツールです。
以上主なフレームワークや開発ツールを紹介しました。他にも利用目的に合わせて様々なフレームワークや開発ツールが多く存在します。
これらの知識と利用できるスキルがWEBアプリの開発には必要です。
WEBアプリの公開方法とは
自立サーバーでの公開
開発したWEBアプリの公開にはWEBサーバーを立てる必要があります。
独自でサーバーを立てる場合はMicrosoft=VisualStudioCode 、IBM=Eclipseなどの(※IDE)へアクセスし、ドメイン管理の専門会社(レジストラ)で取得する必要があります。
※IDEはテキストエディタや人語から機械語に変換するコンパイラ、デバッガーなどプログラミングに必要なソフトウェアを1つのソフトウェアに統合し、画面操作できる環境のこと。総合開発環境の略。
ドメインも買う必要があり、この場合、設定が困難というデメリットがあります。
独自ドメインとは
ドメインとはネット上の住所にあたります。
その中でも独自ドメインは任意の文字列が使え、検索エンジンに引っかかりやすくなりSEO対策が見込め、際立ったオリジナルのURLを保持できて運営できます。
独自ドメインは企業WEBサイトなどを作る場合に多く使用されます。企業の周囲に対するブランド力のアピールにも繋がります。
「◯◯.co.jp」例えばこのようなドメインは特別で、日本国内に登記のある法人にのみ限られ、1企業につです。
会社の登記情報が必要なドメインとして取得が難しい分、他のドメインに比べ、信憑性が高いというメリットがあります。
レンタルサーバー
レンタルサーバーはブログやWEBサイトの管理や、サーバーの電気代などを管理会社に負担してもらいます。イメージとしてはサイトという家を建てるための土地を借りるといったことです。
レンタルサーバーとしては「ロリポップ!」、「ヘテムル」といったサーバーが有名です。
URLの末尾にあたる「.com」「.info」「.biz」「.net」等はサーバーをレンタルする際に決定します。
レンタルサーバーはドメインの設定やサーバーを移行する際のドメイン管理を移すとき、手間がかからないメリットがあります。
しかしその反面デメリットとしては、ドメイン取得料金がレジストラから購入するより高くなる傾向が強いです。
WEB開発に必要な能力やスキルとは?
プログラミング言語の知識
WEBアプリを開発するにはプログラミング言語の知識・スキルが必須でしょう。WEBアプリ開発が初めての方はまずこれを覚えることからスタートします。
クライアントサイドとサーバーサイドで必要とされるプログラミング言語も違います。
ただ、プログラミング言語の知識・スキルがあればあるほど、転職のとき等、有利に働きます。
IT系に強い転職エージェントであれば、スキルがあればあるほど高待遇のジョブに出会える可能性も高まります。
プログラミング言語以外のスキルも必要
WEBアプリの開発には運用まで考える以下の能力が必要とされます。
・ページのレイアウト・デザインといったセンス
・プロジェクトとして開発する上での、コミュニケーション能力
・サイトを運用する上で必要なマーケティング能力
つまり、単純にプログラミングができるだけでなく、幅広く対応していく知識が求められます。これらの知識があればあるほど市場価値が高まり、平均年収の高い企業へ転職が可能となります。
最後に
WEBアプリの開発にはまず構造・仕組みを理解し、それに必要なプログラミング言語を選び、どんなツールを使うべきかまで知っておく必要があります。
クックパッド、食べログ、メルカリと有名なWEBアプリを筆頭に、WEBアプリの需要は今後もますます高まるはずです。
WEBアプリの仕組みや作るために必要な言語を取得しておけば、IT系に転職する機会などにも強い味方となってくれることでしょう。
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