AIの動画自動生成ツール一覧!無料版・有料版や活用事例も紹介
AIによる動画自動生成はさまざまなサービスが登場しています。そのなかでも特におすすめのツールを無料・有料それぞれ3選ずつご紹介します。動画自動生成AIでどんなことができるのか、AIビジネス市場の将来性、そして関連職種についても解説します!
目次
AIによる動画自動生成について
動画自動生成AIとは
動画自動生成AIとは、AI(人工知能)で動画コンテンツを自動的に生成する技術を指します。
膨大なデータから学習しコンテンツに反映させることができるAIの強みを活かすことで、画像、テキスト、音声などの情報を解析した精巧かつ自然な動画の生成が可能です。
高速で大量のデータを処理することを得意とするAIが作り出す動画は、多種多様なジャンルの動画コンテンツが短時間で効率的に作成できる、ヒューマンエラーが防止できる、人の手間が省けるといったメリットがあります。
生成AIとは
生成AIは指示を理解し、文脈を捉えてテキストデータや画像データを生み出すアルゴリズムです。
生成AIの仕組みは、プロンプトから解析し、大量なデータから学習した特徴を抽出、回答を導き出すというメカニズムです。
自ら学習し、まったく新たなコンテンツを生成できるという性質上、0から1を生み出すことが可能な点がこれまでのAIとは異なります。
動画生成AIのほか、画像生成AIやテキスト生成AI、音声生成AIなど、生成AIには現在さまざまな種類があります。
AIビジネスの市場規模と将来性
AIの国内市場規模は右肩上がりに推移しています。
2023年4月時点のIDCの調査では、2022年の国内AIビジネスの市場規模は3,883億6,700万円で、前年比成長率は35.5%にのぼり、主に「サービス」「ソフトウェア」「ハードウェア」の3つの業界で、AIの国内市場を拡大しています。
AIビジネス市場全体における割合と前年からの推移は以下の通りです。
・ソフトウェア…53.5%(前年比29.4%増)
・サービス…28.7%(前年比44.1%増)
・ハードウェア…17.8%(前年比41.9%増)
前年比増加率がもっとも高かったサービス業界では、ChatGPTに代表されるような大規模言語モデルを活用した生成系AI製品の成長が寄与していると考えられます。
生成AI市場は発展中で、今後10年間は大きく成長を続ける見込みであり、AIビジネスの市場規模は2023年に4,930億7,100万円、2027年には1兆1,034億7,700万円にまで拡大するとされています。
(参照:IDC『2023年 国内AIシステム市場予測を発表』)
動画自動生成AIの問題点
動画自動生成AIの問題点は、大きく分けて3つあります。
1つめは正確ではない情報の拡散です。
AIが得意とするのは学習であり、情報の真偽を見極めることではありません。
よって自動的に生成された動画が本物の映像と見分けがつかないと、偽情報が拡散されてしまう恐れがあるのです。
2つめは著作権の問題です。
AIが使用した映像や音声が既存のコンテンツであった場合、著作権侵害という問題が発生する可能性が考えられます。
適切なライセンスの取得や管理、法的対応によってガイドラインの作成やリスクの削減をしなければなりません。
3つめは倫理的な問題です。
例えば人物の顔や声を合成する場合、プライバシーや人権の侵害が懸念されます。
差別的な表現など考慮しなければならない点は多く、これらはトラブルを引き起こした際に社会や企業に大きなダメージをもたらす可能性も大きな問題点だといえるでしょう。
また利用者にとっての生成AIのデメリットは、成果物を完全に任せてしまうことで学習効果が得られず、創造力や考える力が失われてしまう点が問題だともいわれています。
【無料】AIで自動動画作成ができるおすすめツール3選
Elai
Elaiは映像内にクイズや質問を追加できる機能を使ったトレーニングビデオ、製品やサービスの紹介動画、ニュース番組風の映像などを作成することができます。
価格プランは以下の通りです。
・Free:月額0ドル
・Basic:月額23ドル~
・Advanced:月額100ドル~
・Custom:要見積もり
スクリプトを入力して動画を自動生成・編集することも可能です。
Pythonの知識があるとより使いこなせます。
Lumen5
Lumen5はテキストを動画に変換することを得意とするプラットフォームです。
例えばブログ記事やZoomの録画なども、Lumen5なら簡単に動画に変換できます。
テンプレートが豊富でカスタマイズできるため、マーケティングコンテンツの作成やブランディングに効果的です。
価格プランは以下の通りです。
・Basic:月額19ドル
・Starter:月額59ドル
・Professional:月額149ドル
・Enterprise:要見積もり
Pictory
Pictoryは初心者でも使いやすいシンプルな操作性が魅力です。
動画を生成したらキャプションも自動で付け加えるだけでなく、翻訳もしてくれます。
また、クラウドベースでの作業となるためソフトウェアのインストールなども不要です。
価格プランは以下の通りです。
・STANDARD:月額19ドル
・PREMIUM:月額39ドル
・TEAMS:月額99ドル
無料トライアルも用意されており、動画作成3回、文字起こし1回、テンプレート1回利用が可能です。
【有料】AIで自動動画作成ができるおすすめツール3選
KaiBer
KaiBerは、米ロックバンド Linkin ParkのMVを作成したことで話題になった動画生成AIツールです。
テキストを入力したら画風や画角などの仕様を設定し、プレビューでイメージと近いものを選択することができます。
無料トライアルのほか、用意されている価格プランは以下の通りです。
・Explorer:月額5ドル
・Pro:月額10ドル
・Artist:月額25ドル
Video Brain
Video Brainは、日本の会社である株式会社オープンエイトが提供する売上高シェアで3年連続第1位を獲得しているとされるビジネス動画編集クラウドです。
2023年には米OPEN AI社が提供するChatGPT API(gpt-3.5-turbo)を搭載した対話型の動画制作アシスト機能をリリースしています。
この対話型AIを利用した動画編集が可能な点がVideo Brainの大きな特徴です。
価格プランはスタンダードとエンタープライズの2種類が用意されており、利用するチーム数やユーザー数によって適したプランが選択できます。
Synthesia
Synthesiaの強みは、AIアバター動画を簡単に作成できる点です。
テンプレートを選択し台本などスクリプトを準備したら、データを送信するだけでアカウント登録なども不要で手軽に動画を生成してくれます。
価格プランは以下の通りです。
・Personal:月額22.5ドル
・Enterprise:要見積もり
無料トライアルも用意されていますが、有料プランでは44種類のアバターから選んで動画に仕様することも可能です。
Synthesiaなら人物の撮影や音声の録音などが不要でシンプルに動画制作できます。
AIによる動画自動生成の活用事例
マーケティング
近年、多くの業界・企業で顧客ごとにパーソナライゼーションされたコンテンツやDMがそれぞれに最適なタイミングで配信される仕組みが導入されています。
これはパーソナライズドマーケティングと呼ばれ、製品やサービスの情報をターゲットの目に効果的に触れさせるための戦略です。
視覚情報を重視する傾向にある人の習性を活かし、静止したコンテンツよりも動画を活用することで効率的にメッセージを伝えることができます。
動画を提供する側としては、マーケティングの観点でより制作コストを抑えたうえでの付加価値の高い映像制作が目指されます。
これは動画自動生成AIのメリットと一致するといえるでしょう。
スポーツ番組のダイジェスト動画
株式会社NTTぷららは、ソニービジネスソリューション株式会社が提供するAIを活用した音響解析システムを採用しています。
このシステムにより、卓球「Tリーグ」のダイジェスト番組制作において、ボールの音や歓声をAIが解析し視聴者にとって最も盛り上がるシーンやクライマックスなどの自動抽出が可能になりました。
試合をすべて見ずに、ダイジェスト番組作成に必要なシーンだけがピックアップされた状態で一度確認してからエンコードすることで、番組制作の効率化に活用されています。
学習支援
デジタル社会の実現に向けて、AIをはじめとしたデジタル技術の活用やDXの促進に向けた取り組みは教育現場でも進められています。
その際、必須スキルとなるのがタイピングです。
現在幅広い年代でスキルやリテラシーを身に付けることの重要性が説かれています。
国をあげて推進する取り組みにおいても、自動生成AIは活用されているのです。
タイピング学習用動画
2014年に設立された株式会社Preferred Networkでは、米プログラミング教材Playgramを参考にしたタイピング教材を提供しています。
AIの技術が活用されているのは、ミスなどによる不得意の判断を瞬時に行い指導につなげる点です。
小学生でも分かりやすい、手のモーションによる紹介などの工夫がされています。
トヨタ自動車やファナック・日立製作所のような、国内大手企業との業務提携や研究開発といった実績を誇る同社の高い技術力が活かされているといえるでしょう。
あわせて紹介されている本格的なプログラミング学習動画は、2021年度の日本eラーニング大賞も受賞しています。
動画自動生成AIに関わる職種5選
AIエンジニア
AIエンジニアはその名の通り、AIに特化した専門知識とそれを扱う高い技術力を持ったエンジニアです。
ただ動画自動生成AIを開発するだけでなく、どのようにビジネスに活かすかという観点が求められます。
現在、国内AIビジネスの市場規模が拡大しているにも関わらずAIエンジニアの数は足りていません。
数学の素養があり、論理的思考ができる人、プログラミングスキルがある人、機械学習の知見がある人材にとって将来性が高い職種だといえるでしょう。
プログラミング言語は、PythonがAIの実装に多く用いられています。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、企業がもつ膨大なデータを分析し、得た結果を事業戦略に活かす仕事です。
AIやビッグデータがマーケティングにおいて活用される業界でひろく需要があります。
動画自動生成AIの領域でも優れたデータ分析能力、統計学の知識、コンサルティングスキルが求められる職種です。
また、Python、R、SQL、Hadoopなどのプログラミングスキルがあると重宝されるでしょう。
機械学習エンジニア
AIを実現するための技術のひとつである機械学習を専門的に扱うのが機械学習エンジニアです。
入力された情報からAIが正しい答えを導き出す手順を助け、その仕組みを作ります。
機械学習エンジニアには、システム開発やデータ処理に必要な知識が欠かせません。
また、プログラミングスキル、微分積分学や線形代数学、統計学など幅広い分野で専門的なスキルが求められます。
データエンジニア
データエンジニアはビッグデータを扱う専門家です。
先ほどご紹介したデータサイエンティストが分析を行うためのデータの管理、整理、提供を担う存在として、両者はお互いに不可欠な存在だといえるでしょう。
データの分析だけではなく、データベースの設計・運用やクラウドサービスの構築といった情報基盤構築の要でもあります。
そのため、データ分析スキルだけでなくプログラミングやクラウドサービスなど幅広い経験が求められます。
プロジェクトマネージャー
動画自動生成AI開発のプロジェクトにおいて、全体の進行管理を務める役割です。
予算、人員、納期、成果物の品質などすべての責任者であり、現場のリーダーとして指揮します。
そのため豊富なプロジェクト開発経験やマネジメントの実務経験が評価される職種です。
コミュニケーションスキルも欠かせません。
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動画自動生成AIに関わる職種の求人例
データサイエンティスト:400万〜800万円
東京都内にあるメディア事業・インターネット広告事業・ゲーム事業を主力事業に掲げる企業の求人です。
主な仕事は現在成長中の自社インターネットテレビ番組に関するデータ分析であり、KPI分解やセグメント分析で仮説を立案し、ボトルネックとなっている問題の特定と改善を行います。
PDCA体制構築のためのデータ分析と、施策に対する是非の判定および改善策の導出を行うため、ABテストやダッシュボード設計のスキルが求められます。
また社内のフロー最適化や、プロダクトの付加価値向上を目的としたターゲティング広告の開発などにも携わるためアルゴリズム開発の知見が必要です。
機械学習エンジニア:300万〜700万円
こちらも都内にあるメディア事業・インターネット広告事業に力を入れている企業の求人です。
メディア事業で扱う多彩なコンテンツの制作・編集支援、推薦・検索のデータが利活用できるよう、機械学習を用いたアルゴリズム実装・改善を行います。
そのため動画像領域の機械学習アルゴリズムの設計、学習、評価スキルは必須であり、動画解析システムの設計、開発、導入、維持、改善業務にも携わります。
機械学習モデルの開発だけでなく、データから知識の抽出、プロセスの体系化やメタデータ・オントロジーなどのデータ整備を実行できるスキルレベルが必要です。
アルゴリズム実装・改善のため、コンピュータービジョンやコンピュータグラフィクスの知見も求められるため、学習意欲が高く、成長を望んでいるエンジニアにはおすすめの求人です。
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最新版のAI動画自動生成ツール6選や活用事例など、AIによる動画自動生成について解説しました。
いまや動画生成AIは企業活動の効率化を助ける存在のひとつです。
この最新技術を扱うスキルを身に付け、業務に活かす仕事に就きたいと考える方はぜひ一度ギークリーのコンサルタントにご相談ください。
テキストデータを入力するだけで簡単に映像制作可能な動画自動生成AIですが、専門的なスキルを習得することで将来性が高い人材を目指すことも可能です。
これまでに培った実務スキルや経験の活かし方を知りたい場合も、ギークリーがご案内します。
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