クラウドベンダーとは?国内外の主要企業一覧と転職メリットを解説
クラウドベンダーとはどんな企業でしょうか?現在、多くの企業でクラウドサービスが導入されており、クラウド市場が盛り上がっています。本記事ではクラウドベンダーについての説明に加え、国内外の主要企業をご紹介します。クラウドインテグレーターについても紹介しているので、クラウドに携わっていきたい方は必見です!
目次
クラウドベンダーとは
クラウドベンダーとは
クラウドコンピューティングサービスを提供する事業者を意味します。
クラウドコンピューティングサービスでは、クラウドベンダーが用意したサーバー、ストレージ、ネットワークといったリソースをオープンな環境で利用できるのです。
クラウドとは
クラウドとはインターネットに接続して利用するサービス全般を指します。
インターネットに接続すれば利用できるものであり、手元にHDDやソフトウェアがなくても、データの保存やWEBサービスが利用できることが特徴です。
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クラウドの種類
プライベートクラウド
企業などの組織が自社内で、クラウド環境を構築して社内の各部署やグループ会社に提供するクラウド形態のことを指します。
企業内でシステムを設計・管理できるため、柔軟なサービス設計が可能であり、セキュリティ面においても独自のセキュリティポリシーを適用でき強固なセキュリティを実現できます。
パブリッククラウド
企業向けだけでなく、一般ユーザーもクラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するサービスのことを指します。
クラウド事業者が提供する仮想化されたサーバーやネットワークなどのクラウドリソースを「必要な時に、必要な分だけ」利用することができるといった強みがあります。
ハイブリッドクラウド
ハイブリッドクラウドとは、ブリッククラウド(複数企業が共有するクラウドサーバー)とプライベートクラウド(自社専用のクラウドサーバー)や物理サーバーなど、複数のサービスを組み合わせて使うクラウドのことを指します。
タイプの違うクラウド同士を合わせることで、お互いのメリットを活かしつつ、デメリットをカバーし合うといった特徴があります。
マルチクラウド
一般的に複数のクラウドサービスを組み合わせて最適な環境を実現する運用形態を指します。
複数のクラウド環境を併用する形態ではハイブリッドクラウドと同じですが、ハイブリッドクラウド環境では、特定のアプリケーションの運用にプライベートクラウドとパブリッククラウドの両方を活用します。
これに対して、マルチクラウドは複数のパブリッククラウドベンダーが提供する幅広いさまざまなクラウドベースのサービスを利用します。
クラウドサービスの種類
クラウドサービスの種類は「SaaS」「PaaS」「IaaS」に分類され、クラウドベンダーによってそれぞれ強みが異なります。
ソフトウェアを提供するのがSaaS(Software as a Service)、開発環境・プラットフォームを提供するのがPaaS(Platform as a Service)、インフラ環境を提供するのが IaaS(Infrastructure as a Service)です。
日本国内では内閣官房IT総合戦略室の「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」において、「政府情報システムはクラウドサービスの利用を第一候補にする」という方針が打ち出されています。
これによると、まずはSaaSの利用を、続いてPaaS/IaaSの利用を検討することが推奨されています。
「クラウド・バイ・デフォルト原則」と呼ばれるものです。
日本ではこのような背景があることをふまえたうえで、クラウドベンダーについての解説を読み進めてください。
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世界的なクラウドベンダー5社をご紹介!
世界のクラウド市場シェア
世界におけるクラウドサービス市場は、この5年で年平均35%の猛スピードで成長しています。
米調査会社のSynergyResearchGroupは、2020年から2021年の1年間で市場全体が37%成長、クラウドインフラ市場の規模は約39ビリオンドル(390億ドル、日本円で約4.3兆円)に拡大したとしています。
参考:SynergyResearchGroup『AmazonandMicrosoftMaintaintheirGripontheMarketbutOthersarealsoGrowingRapidly』
AmazonWebServices(AWS)
Amazonがベンダーとして提供するクラウドサービスがAmazon Web Services (AWS) です。
世界でもっとも有名で歴史の長い、クラウド市場の覇権を握っている豊富なサービスが売りのクラウドサービスです。
拡張性にも優れており、簡易な設定だけで時間を労することなくカスタマイズができるようになっています。
Microsoft (Azure)
Microsoftが提供するクラウドサービスで、多くの機能を有している点が特徴です。
WindowsやMicrosoftOfficeなどのMicrosoft製品との親和性が高いことがシェアを伸ばしている理由です。
他製品と連携がしやすいといった特徴があります。
Google(GCP)
GoogleCloudPlatformはGoogle がベンダーとして提供するクラウドサービスです。
システム開発や運用に活用できる機能を備えていることが特徴です。
またMicrosoftとの互換性能が高いです。
Alibaba(Alibaba Cloud)
アリババ・グループがベンダーとして提供するパブリッククラウドサービスがAlibabaCloudです。
特徴としてはAmazonに匹敵する巨大な規模のECサイトや支払いシステム技術、それに基づいた強力な保全能力を持つインフラ基盤が魅力です。
IBM(IBM Cloud)
IBMがベンダーとして展開するパブリッククラウドサービスがIBMCloudです。
特徴はメインフレーム(基幹システム等に用いられる大型コンピュータシステム)時代からの豊富な基幹業務システムの構築実績に裏打ちされた技術です。
安定した処理環境やストレージの技術を持ち、ビッグデータの分析などにも有効活用できます。
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国内のクラウド市場シェア
IDCJapan株式会社の調査によると、国内のクラウド市場規模は2020年からの5年間で年平均成長率(CAGR) 18.4%で推移し、2025年には2020年と比べて2.3倍の2兆9134億円ほどに成長すると予想されています。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響が収まってきた2021年から、システムの更新や新規構築のプロジェクトが再度動きだしました。これにより、再びクラウド市場に明るい兆しが見え、高い成長が見込める可能性が高いと予想されています。
(参考:IDC『国内パブリッククラウドサービス市場予測を発表』)
ビジネスでクラウドを利用する企業は7割
総務省の調べによると、クラウドサービスを一部でも利用する国内企業はすでに7割を超えました。
そのうちほぼ9割が効果を実感している事からも、今後さらに普及する見込みです。
その背景にはクラウドを取り入れる分野の拡大や、何よりICT(情報通信技術)の著しい高度化によって社会インフラとして不可欠な存在になりつつある事などが挙げられます。
(参考:総務省『令和4年情報通信白書』)
富士通
富士通株式会社展開しているクラウドサービスは、企業の基幹システムなどに用いられ、業務を停止しないこと・データを守ること・迅速明快なサポートをコンセプトしています。
信憑性の高いサービスが強みです。
NTTグループ
NTTグループ(日本電信電話株式会社)が展開するクラウドサービスは、大企業ならではの特徴があります。
それはグループ傘下のNTTコミュニケーションズ(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)やNTTデータ(株式会社エヌ・ティ・ティ・データ)といったそれぞれ特色のある企業が、
独自にクラウドサービスを展開しているところです。
また、トータルサポートと呼ばれるクラウドの導入検討から、導入後の運用までのサポートや、クラウドを含むICT環境全体を最適化するとこが大きな魅力です。
ソフトバンク
ソフトバンク株式会社が展開するクラウドサービスです。
日本国内においてシェア上位を誇っています。
ウェブ会議システムやストレージ、ネットワークサービスなど多くの機能を展開しているのも特色です。
また、次世代のセキュリティシステム「Cybereason」を導入するなど、強固なセキュリティもアピールしています。
知っておきたいクラウドインテグレーター5社!
クラウドインテグレーターとは?
クラウドインテグレーターは、一般的にクラウド専業のシステムインテグレーターを意味します。
情報システムの構築を、IT戦略の立案から設計、開発、運用・保守・管理までクラウドサービスにてトータルで一括請負する情報通信企業のことでもあります。
TIS株式会社
TIS株式会社は2009年よりAWS導入支援を開始し、現在までに約500件を超える導入実績、約500名に及ぶAWS認定資格取得者を擁し、最上位のAWSプレミアコンサルティングパートナーに認定されています。
特にAWSの大規模開発・運用に強みを持ち、クラウドネイティブ化を支援する「次世代統合運用管理基盤」「利用ガイドライン」等、多彩なサービスを提供しています。
株式会社サーバーワークス
サーバーワークスはAWS専業インテグレーターとして2014年よりAPN最上位の「AWS プレミアコンサルティングパートナー」に継続して認定されており、これまで10000件以上のAWS移行支援を行っています。
AWSにおける高い専門性を展開することで、主にベンチャー・スタートアップ企業の支援に特化している企業です。
クラスメソッド株式会社
クラスメソッド株式会社はクラウドサービス、データ分析基盤、アプリ開発、IoT連携、AI/機械学習の技術を活用した企業向け支援を行っています。
現在までにAWS技術支援を中心に2,000社以上、AWSアカウント数では8,800件以上の支援実績があります。
また、2015年からは6年連続でAWS公式の最上位コンサルティングパートナーに認定されており、「すべての人々の創造活動に貢献し続ける」をモットーに幅広い企業活動を行っているのです。
株式会社フレクト
Webアプリケーション開発を起点とする、国内屈指のクラウド・ネイティブ・インテグレータです。
「あるべき未来をクラウドでカタチにする」というミッションを掲げ、Salesforce、Heroku、AWSを含むマルチクラウドインテグレーションサービスを展開しています。
株式会社BeeX
株式会社BeeX の主な事業は、クラウド関連の運用・保全・管理事業およびソフトウェア開発です。
企業の基幹システムのクラウド移行、クラウド基盤構築、運用支援といった業務を手掛けています。
また、SAPおよびAWS に関するワンストップ運用保守サービスを24時間365日体制で展開しているのも特徴です。
クラウドシステムのパッケージ製品開発を手掛ける企業3社!
株式会社メディアスクエア
自社独自開発のクラウド型キャンペーンプラットフォーム「SMARTCROSS」を提供しているのが株式会社メディアスクエアです。
NHKやJTBでの実績をもち、サービス業や不動産業など幅広い業種でポイントサイトの構築やキャンペーン運用を手掛けています。
株式会社テクニカルパートナー
AWSを活用したクラウドシステムの開発を行う株式会社テクニカルパートナーは、1999年設立という長い歴史をもつ企業です。
WEB勤怠を販売・提供しており、豊富な標準装備機能に加えてそれぞれの企業に合わせてカスタマイズできる点が魅力として挙げられます。
システムデザイン開発株式会社
倉庫管理システムや配送業務システムを開発するシステムデザイン株式会社は、1985年に創立されました。
今では農業や流通業、製造業など多種多様な業種のシステム開発を手掛けており、販売管理システム「SDD Sales」、入出退勤管理システム「Net-corder」、環境モニタリングシステム「ENV Checker」、直売店の運用を総合的にサポートする「toreta」などが多くの企業で導入されています。
クラウドベンダーへの転職メリット
技術力が身につく
クラウドベンダーへの転職はクラウドサービスの知識はもちろん、セキュリティ、サーバー、ネットワーク、インフラ構築、企画力など多岐にわたる知識・スキルが必要となります。
また、これらに加えてクライアントのニーズをヒアリングするためのコミュニケーションスキルが必要です。
クラウドベンダーとして働くということは、自身のキャリアアップを確実にステップアップさせることに繋がります。
業績の安定が見込める
現在、世界中で急速に業務利用するステムのクラウドサービス化が進んでいます。
新型コロナウイルスの感染拡大もそれを強く後押しする結果となりました。
結果、クラウドベンダーの需要は今後もますます拡大する可能性が高く、将来的にも安定した業種といって良いです。
リモートワークがしやすい
クラウドサービスを利用すると、インターネットを利用することで場所やハードウェアに縛られることが少なくなります。そのため、リモートワークとの親和性が非常に高いです。
そんなクラウドサービスを提供するクラウドベンダーやクラウドインテグレーターは、当然クラウド環境での業務が多いため、リモートワークもしやすい環境にあるのです。
クラウドサービスに携わる職種
エンジニア
インフラエンジニア
クラウドサービスの台頭によって将来性が危ぶまれていたインフラエンジニアですが、PythonやRubyのような軽量プログラミング言語を扱える人材は重宝される傾向にあります。
金融・保険・医療など各種業界で需要が増えています。
クラウドエンジニア
AWS、Azureといったクラウド環境でのシステム開発を進めていくにあたっての即戦力が求められます。インフラ全般を網羅する幅広い知識が必要です。
営業
現在国内のクラウドベンダーは、外資系の三強に対しどのように戦略を練るかが重要になっています。
そこで、自社ブランドとメガクラウドを抱き合わせて提案するという戦略をとる企業も出て来ているのです。
営業に求められるのは、いかにクライアントに寄り添い課題解決に努めるかなので、このような広い視点を持った提案力が他社との差別化につながっています。
そのため、営業力はもちろん、インフラやクラウドに関する深い理解と知見も必須です。
マネジメント
DX推進やプロジェクトマネジメント、コンサルティングの経験者を求める求人案件も多くあります。
プロダクトマネージャーなどの経験を持つ人は、スキルを活かしやすいと言えるでしょう。
まとめ
本記事では、クラウドベンダーと呼ばれる企業について紹介してまいりました。
クラウド技術を用いたサービスを展開する企業は増え、クラウド市場は年々拡大しています。
転職市場においても最も注目されている業界の一つであり、今後クラウド技術に触れていきたいというエンジニアの方も多いのではないでしょうか。
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