IoTの身近な活用事例を徹底解説!将来性と課題とは?IoTの意味や仕組みを転職エージェントが紹介
特に家電や車の分野で、ここ数年で急激に私たちの周辺にIoTという言葉が飛び交うようになりました。しかしどんなものにどんな場面で使われているのか、またどんな仕組みなのか具体的なことはよくわからないまま使用しているという人も多いのではないでしょうか。IoTで何ができるのか、仕組みを簡単に説明し市場規模や職種として将来性を紹介します。
目次
IoTとは
IoTの基本的な意味
IoTとは「Internet of Things」の略称で一般に読み方は「アイオーティー」で、日本語ではモノのインターネットという意味になります。
今までインターネットとまったく関わりのなかった冷蔵庫やエアコン、トラックや工場の大型機器などのいろいろなモノがネットワークを通じてサーバーやクラウドサービスに接続され情報を収集し分析、最適な方法でそのモノを制御することです。
技術革新と産業構造の急激な変化の中、IoTは「第4次産業革命」の引き金であるといわれており、人々の生活や産業の構造が根本から変化するほどのインパクトをもたらす、注目の技術の1つです。
IoTによってできること
どんなことができるのか、大きく3つに分けることができます。
共通することは、外出中などで遠く離れた場所にあるものを監視・操作・制御することです。
遠隔操作ができる
離れたところにあるものを操作することができます。スマホを使い外出中でも家の洗濯機やエアコンを作動させるなど、生活を便利にするために使われています。
このような遠隔操作ができる技術は、工場や学校などでも利用され始めています。
遠くから確認ができる
外出中に家のセキュリティを確認したり、スマホの位置情報の確認など。
リアルタイムでモノの状態を知ることができるため、即座に対応できることに利用されています。
モノとモノの間での情報共有
モノ同士で、データを共有し利用するのもIoT技術によるものです。
例えば、信号機のデータを車が受信して速度を落とす、道路の渋滞情報を共有し走行を調整し待ち時間を減らすなどがあります。
IoT業界の市場規模
市場規模はこのようにすでにかなり大きなもので、これからさらに拡大すると言えます。
2021年の実績(見込み値)は5兆8,948億円で、2021年~2026年の年間平均成長率9.1%を維持し、2026年にはおよそ10兆円に達すると考えられています。
さまざまな分野に進出し新たなサービスや商品を生み出しています。今後これはますます多数種類登場するでしょう。
また既存の商品などの価値向上も余地があります。多くの企業で今後IoTに関した取り組みが始まることが予想されています。
参考:『国内IoT市場の産業分野別/テクノロジー別市場予測を発表』
IoTを支える技術
IoTという言葉は長い間実は存在していました。しかし活用されるようになったのは最近のことです。
IoTの実用を可能にしたのはどのような技術なのか、ご紹介します。
センサーの進化
低コストで低電力、そして小型のセンサーが普及し、さまざまなモノに搭載が可能になりました。
IoTの普及において、不可欠な通信技術です。
5G
5Gはよくスマホのコマーシャルなどで耳にする機会が多いでしょう。
これは第5世代(5th generation)、移動通信システムの略称で、IoTを支える基礎インフラです。
通信速度は従来の4Gより早く、大容量のデータの送受信が可能になりました。
また多数端末との同時接続の飛躍的に拡大し、それによって災害時などでアクセスが集中して繋がりにくいということもなくなりました。
映像や音声などの送信速度の遅れは劇的に解消され、ほぼリアルタイムで見ることができます。
AI
AI、いわゆる人工知能のことですが幅広い概念を持ちます。
ちょっと頭のいい機械から、空想の産物ドラえもんまでをAIと呼ぶこともあります。
AIは高性能な処理能力を身につけるために大量のデータを必要とします。
センサーで集めたデータを取り込み学習することで、さまざまな予測や推論を行うことができます。
ビッグデータ
IoTで収集したデータを、クラウドコンピューティングなどの基盤に蓄積させていきます。
とにかく大量でしかも多種多様なデータであり、解析によって新しいサービスなどの知見を導く元となるものです。
日々蓄積されていく膨大なデータを、AIで高速で処理し求める有用な知見を導き出してくれます。
アプリケーション
モノがセンサーで受信したデータを基に、実現したい機能を提供または可視化するなどのアプリケーションも重要な要素です。
例えばモノの使用状況や現在の利用の有無を、スマホの画面などで確認できるようにするなどです。
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IoTの使用例
IoTはどんなもので活用されるかというと、あらゆるモノに可能性があります。
スマートフォンを筆頭に家電やヘルスケア商品、工場や農業など。今後もっと拡大していくことでしょう。
現在使われている身近なIoTの例をご紹介します。
スマート家電
最も身近なIoTの使用例として、スマートスピーカーがあげられます。
スマートスピーカーは音声認識システムを搭載し音声で離れたところにある機器、主に家電を操作します。
スマートスピーカーおよび携帯電話でコントロールできるIoT搭載の家電を、スマート家電と呼びます。
最新家電はほぼ対応といってもいいでしょう。
家中の設備や家電製品がスマートスピーカー対応、およびインターネットに繋がっている住宅をスマートハウスと呼びます。
ヘルスケア
健康促進のために最近注目されているIoT製品です。
スマートウォッチ、センサー搭載の衣服などが代表的なものです。
心拍数・肺活量・血圧などが自動的に記録されます。
その毎日のデータを蓄積し分析することで、体調の変化を知ることができます。
また情報を病院と共有し、医師の正確な診断に役立てることも。
発作などの突然の体調変化にも対応し、意識を失った場合は自動的に通報する機能も備わっています。
昨今では犬用などのペット用ヘルスケア機器も開発され注目を集めています。
見守り機能
一人暮らしの高齢者、小さな子供の安全を見守るサービスも注目されています。
キッズ携帯や自宅のモノにIoT化が進み状態を遠方からでもセンサーで把握できるので、安否確認が容易です。
生産の現場・工場など
工場の生産ラインの効率化のため、IoTを利用したスマート工場が増えてきています。
機械や生産ラインなどをインターネット接続し相互通信をさせ、遠隔から状況の確認・制御などが可能です。
いままで時間がかかっていた情報収集や分析、試作などがIoTを用いたシステムで時間短縮・効率化しています。
発展していくIoT技術により製造業は大きな変化が期待できます。
睡眠サポートIoT
変わったところでは、寝具に装着したケースがあります。
センサーを内蔵したマットレスの上で眠ると、睡眠中の微細な動きを感知し寝返りなどの動きから睡眠時間や状態を測定します。
情報を分析し、ひとりひとりに適したアドバイスを送り、
毎日の睡眠をサポートしてくれます。
他にもスマートシティや物流など、IoTを使ったものがたくさん生まれ私たちの生活から切り離せないものになってきています。
IoTの将来性と課題
IoTエンジニアの将来
IoT分野の拡大が続くという事は、IoTエンジニアの需要も増加するという事です。
比較的歴史の浅い分野でありスペシャリストは圧倒的に足りていない状況ではありますが、誰でも簡単になれる職種ではありません。
IoTエンジニアに求められる知見は組み込み系の知識からネットワーク・アプリ開発と幅広く、さらにセキュリティの経験があるとより重宝されるようになるでしょう。
非常に価値の高い職種であり今後も人材不足は続く事が考えられるなかで、新しい情報をキャッチアップし続けられる人材に需要が集中する可能性があると言えそうです。
IoTの課題
急激に便利になっていく一方で課題も浮き彫りになってきました。
セキュリティ
IoT技術の手軽さゆえに増加傾向にあるサイバー犯罪に対するセキュリティ対策の強化が欠かせません。
2022年7月には、経済産業省により「IoTセキュリティガイドライン」が策定され標準化活動が進められる事となりました。(参考:経済産業省)
膨大なデータを抱えるIoTだからこそ、ひとたび犯罪に巻き込まれた際のリスクは大変高いのです。
人材不足
IoTが収集したデータは活用するために集めたものです。これを活用できる人材が不足しています。
収集したビッグデータをAIに分析させるのも分析結果を活用していくのも、非常に高度な技術が必要です。
優秀な人材を確保するのは困難となっています。
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IoTに関わる仕事
人材が不足しているIoT関連ですが、どのような職業が主にIoTには関わるのでしょうか。
ソフトウェアの開発
IoTを制御するソフトウェアの設計などです。
プログラミングを行うプログラマー、通信方法を研究開発する、集められたデータを分析するなど。
AIやビッグデータの知識も必要になります。
ハードウェアの開発者
センサーの機械部分の開発、またインターネト家電の開発も含まれます。
音声認識システムで機器を操ることができるスピーカー、外からでも管理できるエアコンなどを開発する技術者です。
企画
どんなものにセンサーをつけ、どんな情報を収集すればどんなサービスとして利用できるかを考え形にする仕事です。
コンサルタントとして企業にIoTに関する企画提案をする、企業に就職し事業企画部として自社のIoT事業を行っていくなど。
働き方はさまざまで、今後一般家庭・工場・病院・オフィスなどさまざまな場所でIoTの利用が広がることは必至です。
IoTエンジニア
IoTはハードウェアからソフトウェアまで非常に幅広く、全てを一人でこなすことは不可能に近いです。
複数の担当エンジニアにより協力開発されるのですが、他のエンジニアと連携するためには関連知識が必要です。
IoTエンジニアはハードウェアからソフトウェアまで、システム開発にかかわる複数の分野をまたいで担当します。
フルスタックエンジニア(複数のスキルをもつシステムエンジニア)です。
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まとめ
IoTの活用は小さな家電から大きなスマートシティまで、幅広い分野に進んでいます。
これからはさらに便利になり、IoTは私たちの生活の中で切り離すことのできないサービスへと拡大していくでしょう。
それは適職の幅を広げることになるかもしれません。
今回の記事を参考に、今のうちにIoTについて理解を深めておきましょう。
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