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物流テックの市場を解説!物流市場のトレンドや今後の動向は?転職するならIoTやAIの活用例もチェック

物流業界は、最新テクノロジーを活用した「物流テック」によって飛躍的な成長を遂げています。一方で、大きな変革を迎えているからこそ深刻な問題を抱えている一面もあるのです。物流市場の現状と課題・今後の展望などについて、IoTやAI、ドローンなどの活用例を交えて考えてみましょう。物流市場に関わるITに転職を考えている人は、参考にしてみてください。

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ECコマースによって拡大する物流業界

 

 

近年ECコマースの拡大などによって、物流業界を取り巻く環境は劇的に変化しています。

経済産業省の「電子商取引」に関する市場調査によると、

・2019年の国内のBtoC-EC市場規模は19.4兆円(前年比7.65%増)

・BtoB-EC市場規模は353兆円(同2.5%増)

にそれぞれ増加しています。

また2019年の宅配便の取り扱い個数は43億701万個で、前年度比5,568個(約1.3%)の増加となりました。

小売りプラットフォームのサービス向上スマートフォンの普及拡大、さらには社会情勢の変化による消費者の購買スタイルの変容。

これらの時代の変化によって、ECコマース市場はさらなる拡大が期待されているのです。

一方では荷物量の急拡大によって、配送業や倉庫業を含む「物流業界」は大きな変革のただ中にいます。

そのため物流業界は長年、「人手不足」をはじめとする多くの課題に悩まされている状況です。

 

物流業界が抱える課題

 

 

物流業界が直面している課題には、主に次の3つがあります。

 

人手不足

 

物流は、今や人々の生活になくてはならない社会インフラです。

生産者からユーザーに物が届くまでには、

 

・情報システム

・保管

・荷役

・流通加工

・包装

・輸送

 

という各フェーズにおいて、さまざまな職業・職種の人の手が関わっています。

この中で特に、輸送のフェーズにおける人手不足は深刻です。

2017年の国土交通省の調査では、約63%の企業が「トラックドライバーが不足している」と回答しています。

 

過剰なサービス

 

EC大手のAmazonに代表される大企業は、商品の翌日配送などが当たり前になりつつあります。

短納期かつ配送無料というサービスは客にとっては嬉しいですが、逆に配送業者などにとっては大きな負担です。

また「再配達」の問題も労力・コストの面から、配送業者にとっての重い負担になっています。

 

スペース不足、業務効率化

 

荷物量の増大は、商品を保管する倉庫スペースのひっ迫化にもつながります。

そのため大規模な倉庫が必要です。

さらには限られたキャパシティで、最大限にパフォーマンスを発揮するための業務効率化も不可欠になります。

そのため、最新機能を備えた倉庫の需要が高まっているのです。

またドライバー同様に、倉庫での荷役(流通加工・包装)に関わる人手不足も指摘されています。

 

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物流業界の成長を後押しする国の取り組み

 

 

物流は、メーカー・卸・小売りなど流通企業にとって重要であるだけでなく、広く国民全体にとっても大切なものです。

事業者にとっては物流の安定が事業収益の改善や拡大に直結します。

客にとっては、必要な時に必要な物が迅速に手に入ることは生活レベルの向上につながるのです。

こうした物流の重要性は国も認識しています。

2017年には「総合物流施策大綱(2017年度〜2020年度)」を閣議決定し、さまざまな施策を実施している段階です。

具体的な取り組みとしては、

 

・IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ドローン、オートメーション化などの活用による物流革命

・サプライチェーン全体の連携・協働による物流の効率化

・多様な人材の確保や高度化する物流システムのマネジメントを行う人材の育成

 

などがあります。

企業および国の国際競争力を高めるためには、物流におけるITの活用と効率化、高度人材が必要といえるのです。

中でもIoTやAI、ドローンやクラウドなどの新しいテクノロジーを活用した施策は、注目を集めています。

物流業界が直面する課題の具体的な解決策として、今後も大いに期待されていくことでしょう。

 

物流テックとは

 

 

テクノロジーの活用が新しいサービスを生み出し、課題を解決する。こうした物流とテクノロジーの融合は「物流テック」と呼ばれています。

具体的には

 

フィンテック(金融)

アグリテック(農業)

HRテック(人事)

リーガルテック(法律)

 

などです。

ビジネスや実生活の最前線では、既に様々なクロステックによって新たなサービスや商品に加え、新たな価値や仕組みが構築されています。

物流テックにおいても、先進的な企業では最新テクノロジーを活用して、

 

・配送

・在庫管理

・保管

・出荷

 

など物流業務を取り巻くさまざまな業務を効率化・省力化させているのです。

いい換えればテクノロジーの活用に成功している企業が、現在の物流業界の主役になります。

そのような時代の潮流に乗った企業の最前線に身を置いて業務に取り組むことは、自身の価値を飛躍的に高めることができるでしょう。

 

物流テックの活用例・マッチング、配送、ロッカー

 

 

ここでは、物流テックの配送面にフォーカスを当てた活用例を紹介します。

 

ドライバーと荷主のマッチング

 

不足するドライバーの中でも、ラストワンマイル(物流拠点からエンドユーザーまでの区間)の問題は特に深刻です。

再配達によるコスト増加、ドライバーの負担増によって大きな経済的な損失が生まれています。

この問題を解決するための荷主とドライバーを即座にマッチングするプラットフォームが誕生しました。

荷物を送りたい人と荷物を運びたい人のニーズを満たし、双方の業務効率性も向上させることが可能です。

 

センサー

 

トラックなどの車両につけたセンサーから得られたデータをもとにAIで分析し、車両の常態や運転の管理が行えます。

例えば、パーツの交換時期や欠損・故障の予測検知が可能です。

さらにドライバーの運転に問題があり事故リスクが高まるとアラートを出すこともできます。

それにより、事故や荷物の欠損を未然に防止することもできるのです。

 

スマートコインロッカー

 

配送現場での再配達は社会問題になるほどの大きなトピックスです。

これを解決するために、スマートフォンで電子キーを受け渡しすることで、指定のロッカーで荷物が受け取れるサービスが生まれています。

ロッカーを探すところから、キーの発行、決済までをスマホで一括管理可能です。

ユーザーの利便性向上と配送業者の負担を軽減できるサービスです。

 

物流テックの活用例・IoT、シェアリング、AI、ドローン

 

 

次に、倉庫内の業務における物流テックの活用例を紹介します。

 

IoT

 

IoTの導入によって倉庫内のデバイスや作業者・商品からデータを収集可能になり、在庫管理や進捗管理・作業効率化が図れるようになりました。

ここでいうデバイスとは、

 

・タブレット

・スマートフォン

・スマートウォッチ

・画像認識カメラ

・フォークリフト

 

などを指します。

これにより、コスト削減効果はもちろん、倉庫内の異常検知にも役立てることも可能です。

 

シェアリングエコノミー

 

 

クルマや自転車、家事代行のスキルや洋服など、シェアリングエコノミーのサービスが拡大し利用者も増加傾向にあります。

所有からシェアという流れは、一般消費者だけでなく事業者間でも普及しつつあるのが現状です。

例えば、設備・倉庫・車両を複数のEC事業者にシェアするプラットフォームの利用によって、事業者は設備投資費用を抑えることができます。

また荷物量によって柔軟に倉庫スペースの利用をコントロールできるのもメリットの一つです。

 

ロボット

 

倉庫業務の担い手が不足しているのは前述したとおりです。

特に近年は荷物量の増加に伴い、倉庫も巨大化している現状があります。

広い倉庫内におけるピッキング業務をロボットによって自動化することで、省力化・省人化や効率化、正確性の向上などが期待できるでしょう。

 

AI

 

 

さまざまな業界で活用が進むAIは、物流業界でも多くのシーンで導入されています。

例えば今まで目視してスキャンしていた入出荷業務、検品業務、仕分け業務もAIの導入で自動化、スピードアップが可能になります。

また過去の実績に基づいた需要予測によって、最適な在庫数を割り出し、欠品などの機会損失を防止することもできるのです。

作業員の経験と勘で行っていた業務を自動化することで、発注業務の属人化を解消することも可能になりました。

他にも機械学習機能を活用することで、スタッフの人員配置の最適化も図れます。

これにより人件費の削減管理者の負担軽減が期待できます。

 

ドローン

 

現在、国内外でさまざまな企業がドローンを使った配送の実証実験を行っています。

しかしながら、安全性や正確性などについて未だに懸念材料があるのも事実です。

一方、倉庫内での在庫管理にドローンを使うことで、省力化、時短、コスト削減につなげている企業もあります。

 

物流業界は上昇志向のビジネスパーソンに最適

 

 

人手不足は人口減少が進む日本社会では、ほとんどの産業にとって共通の課題です。

中でも物流は「インフラ」として社会にとって必要不可欠なもの。

人々の生活のクオリティを向上させる重要性も担っていることから、様々な施策を通して課題を解決し成長しなければならない分野といえます。

国が競争力の強化のための重要なポイントとして挙げているように、国と民間が一体となって物流の課題に立ち向かっていかなければなりません。

近年の物流業界は先述のとおり、ECコマースの爆発的な拡大によって荷物量が増大し、成長し続けています。

社会情勢の変化や顧客の購買行動の変容などによって、物流の担う役割は今後も重要性を増し続けるでしょう。

物流業界は諸問題に直面しながらも、「物流テック」によって、課題解決を目指すとともに、さらなる変革を遂げようとしています。

昔からある肉体労働というイメージを持つ人も多く、真に高度な人材が不足しているのが現状です。

しかし現在は最新テクノロジーが必要とされており、ビジネスパーソンとしての可能性を広げるのにはまさにうってつけの業界となります。

業界、企業、人材が相互に刺激し合って成長していけるのが物流業界です。

ステップアップを考えている人はぜひ、物流テックによって新たな価値を創造している企業への転職を考えてみるといいでしょう。

 

最新IT技術で進化を続けている物流業界

 

 

物流業界には、歴史が長い大手企業から新たな物流サービスを生み出しているスタートアップまで、多種多様な企業があります。

業績を伸ばしている企業は規模の大小を問わず、IT中心とした物流テックに力を入れていることが多いです。

当然、企業側もITリテラシーの高い次世代の人材を求めており、同時に常に成長を止めない意欲的な人材の確保を望んでいます。

同時に働き方も、肉体労働というイメージからさらに遠のいていく可能性も高いといえそうです。

転職活動の際は、こうした時代や状況に鑑みた業界研究をして臨みましょう。

 

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この記事の監修者

西内信

IT系ベンチャー企業にて法人営業を経験し、そこで培った経験を生かし総合人材会社へ転職。その後ギークリーを創業しました。今までにご相談に応じた転職者は3500名以上に上ります。転職者のご不安や疑問点など一緒に解決しながら、最適な未来が描けるようなサポートをさせて頂きます。

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