Rubyに将来性や需要はあるの?他言語と比較しながら徹底解説します。
Rubyは日本発祥のプログラミング言語であり、Web系のサービス開発など様々な開発案件で使われています。今回の記事では、Rubyの将来性や他プログラミング言語との比較、Rubyエンジニアとして活躍する方法とキャリアパスについて解説します。
目次
Rubyの現状と将来性
Rubyに将来性がある4つの理由
Webアプリケーション開発において需要がある
日本発のプログラミング言語Rubyは、Webアプリケーション開発に適した言語として幅広く活用されています。
Rubyはベンチャー企業から大手企業まで世界規模で普及していますが、世界のプログラミング言語検索数ランキングでは上位とは言えず、日本国内でのシェアの方が安定しています。
Webアプリケーション市場の成長に伴い競争が激化していることも、Rubyの需要拡大を後押ししています。
他言語よりもシンプルなコードのため短期間で工数を押さえながら開発できる
Rubyの大きな特徴の1つがコードのシンプルさです。CやJavaのようなコンパイル言語と比較すると、プログラミングが手軽に行える点も需要と将来性を高める一因となっています。
記述が短く済むことで効率的に開発が進むため、生産性の向上にも貢献します。
Webアプリケーション市場のようなスピード感が求められる業界だからこそRubyの特徴が活かされています。
未経験者でも言語習得しやすい
Rubyはコードが短くシンプルなので、未経験者でもスムーズに習得することができるでしょう。
また、日本発の言語なので、海外発の言語よりも情報収集しやすく、書籍、EラーニングだけでなくSNSも活用して学習を進めることができます。
他の言語に比べて学習のハードルが低いので、Rubyは未経験におすすめの言語です。
スタートアップやベンチャー企業でもRubyを採用する傾向に
エンジニアであれば、Rubyに慣れていなくても言語習得しやすく開発がしやすいこと、スピーディーな開発でコスト削減になるという理由でスタートアップやベンチャー企業で採用されるケースが増えています。
Rubyのフレームワークもスピード感を出すための重要な要素であり、今後も速さが求められる業界・企業で積極的に採用される理由となるでしょう。
Rubyの将来性が懸念されているのはなぜ?
別言語でも代替できてしまう
Rubyの最も大きな強みは「スピーディーで生産性が高い」ことです。とはいえ、Ruby同様に効率的なプログラミング言語・フレームワークと比較した際に差別化が難しいとも言えます。
Webアプリケーション市場が拡大中だからこそ、より生産性が高い言語・フレームワークが今後登場する可能性もあります。
スピード感以外の「Rubyでなくてはならない理由」がない以上、別のプログラミング言語で代替できてしまうことから将来性を懸念する声が上がっています。
Webアプリケーション開発でLAMPが定着している
Rubyの需要は拡大していますが、Webアプリケーションの大規模開発では現状LAMPが定着しています。
LAMPとは「Linux」「Apache」「MySQL」「PHP」の4つのオープンソースソフトウェアを使った開発環境を指します。開発コストを抑えながら高速で安定したシステム開発・運用ができるため、従来の開発現場で多く採用されています。
しかし近年ではトレンドが移り変わりつつあり、ApacheからNginxへ、MySQLからBigQueryやMairaDBへと移行しつつあるように、企業にとってWebアプリケーション開発における言語の選択肢が増えているのです。
コードが属人化されやすくチームで管理しにくい
Rubyは事前にコンパイルを行わず、プログラムの実行時に型の整合性チェックを行う動的型付け言語です。柔軟性が高く直感的にコードを書ける点はメリットですが、開発に携わる全員で統一性を保つ必要があります。
コードを入力する担当者によってさまざまな書き方ができてしまうと、管理の難易度が上がるというのが難点です。
大人数が関わる大規模開発の現場においては、特に懸念点とされるでしょう。
データサイエンスの分野では遅れている
さまざまな業界でAIやビッグデータの活用が広まるなか、注目度を高めているのがデータサイエンスです。データの分析結果を、業務プロセスの改善や新しいビジネスモデルの提案など、課題解決に活かす企業は増えています。
データサイエンスの環境構築に採用されるプログラミング言語は、現状PythonとRが主流です。開発効率の良さや読み書きのしやすさ、特にデータサイエンスに特化したライブラリの豊富さが選ばれている理由でしょう。
Rubyは企業や社会課題を解決するデータサイエンスの分野のライブラリ充実が課題だといえます。
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Rubyの将来性は他言語と比較するとどうなる?
求人からみるRubyの需要と将来性
画像は、2023年10月時点での弊社ギークリーの保有求人数をプログラミング言語別に割合で示したものです。
上位はJava、Python、PHPで、Rubyの求人は全体の6.52%という結果でした。他の言語とRubyの求人を比較してみると、多くはないですが、VB/VBA、C言語/C++、Perlの求人とさほど変わらない結果となりました。
他言語との比較でみるRubyの将来性
RubyとPythonの年収・将来性の比較
弊社Geeklyのデータでは、Pythonエンジニアの平均年収はおよそ400万~950万円、Rubyエンジニアは300~650万円です。
先述の通り、Pythonはデータサイエンスの領域で高いシェアを獲得しており、これはライブラリの豊富さが大きな理由の1つだと考えられます。Pythonが活用されているAIや機械学習の領域は引き続き高い成長率が維持されるでしょう。
Web開発という安定した領域のRuby、将来性は不透明ながら期待できるAI・機械学習領域のPythonはそれぞれ需要が異なります。
プログラミング初心者でできるだけ早くエンジニアとしての実績がほしい、案件を獲得したいという方にはRubyが向いています。得意分野がはっきりしている方、エンジニアとしてのキャリアプランが明確な方はPythonがおすすめです。
RubyとPHPの年収・将来性の比較
PHPエンジニアの平均年収はRubyエンジニアと変わらない水準で300~600万円ほどです。
RubyとPHPではいずれも習得難易度も変わらず、初心者向けと言えます。ただし目的が異なるため、理想とするキャリアパスに応じて選択すると良いでしょう。
例えばWebサービス開発でもECサイトやWebサイト開発に向いているのはPHP、SNSに向いているのはRubyです。志望する企業や業界で習得すべき言語が異なります。
また、先ほどのデータからも分かる通り求人数が多いのはPHPです。案件の選択肢が多い点はPHPのメリットの1つでしょう。年収の面ではRubyの方が上がり幅に期待できます。
開発環境でLAMPからRubyの活用が増える可能性を考えると、将来性が高いのはRubyだといえます。
RubyとJavaScriptの年収・将来性の比較
JavaScriptエンジニアの平均年収は400~800万円と幅広い傾向にあります。
RubyとJavaScriptはどちらもオブジェクト指向のプログラミング言語ですが、求人数が多いのはJavaScriptです。
これはHTMLやCSSと同時にフロントエンドの開発も手掛けるエンジニアが多く、需要も高いことが理由だと考えられます。つまりJavaScript単体ではなく、プラスアルファのスキルによって年収アップや将来性が高まる可能性があるということです。
JavaScriptのフレームワークであるNode.jsは、サーバーサイドの開発や、リアルタイムの情報更新が必要なサービスの開発に適しているという特徴があります。
今後、JavaScriptとNode.jsを用いた開発の需要は徐々に伸びていくことが考えられますが、将来性が安定しているのは現時点ではRubyだといえます。
Rubyで開発できることと、言語習得するメリット
Rubyで開発できること
Webサイト、ECサイトの開発
記述の自由度が高いRubyは、WebサイトやECサイトの開発に多く用いられています。
クックパッド、クラウドワークス、食べログ、価格.comなどがRubyの代表例です。
特にECサイトは、新規参入するスタートアップや既存企業による新たな販売チャネル開拓を目的として導入されるケースが増えています。そのため、スピーディーに開発できるRubyが適しているのです。
Webアプリケーションの開発
Rubyには「Ruby on Rails」というフレームワークがあるため、Webアプリケーション開発を短期間で行うことができます。Ruby on Railsをアプリケーションの枠組みとし、プラグインなどを加えることでオリジナルアプリを効率よく開発できます。
ただしRubyだけでWebアプリケーション開発が完結できるわけではありません。HTML、CSS、JavaScriptなどのフロントエンドを構築するためのプログラミング言語と組み合わせて開発を行います。
各種SNSサービスの開発
多くのSNSサービスは利用者の制約が少なく開発がしやすいWeb版から作成されており、開発にはRubyが用いられています。
パソコンやスマートフォンで利用するネイティブアプリ版の開発に用いられるのは別のプログラミング言語です。
エンジニアがRubyを習得するメリット
コードの記述がシンプルで覚えやすい
Ruby未経験者にとってメリットと言えるのが、コードがシンプルな点です。簡単で初心者にもおすすめとされることが多いのは、このシンプルさが主な理由でしょう。
記述する量が少ないと言うことは、読みやすく、修正の手間も少ないということになります。開発や修正の工数が減り、コストの削減につながるため、Rubyを選択肢として持っているエンジニアは開発現場でも活躍できる可能性があります。
様々な開発環境において汎用性が高い
WebサイトやWebアプリケーションの他にも、Rubyは以下のような開発に用いられています。
・SNS
・ECサイト
・ゲーム
・動画配信サイト
その他にもスマホアプリで利用されるAPIや、プログラムであるクローラーなどの開発もRubyで行われます。
開発できるものが多様なだけでなく、Mac、Windows、Linux等さまざまな環境で動作できる点もRubyが汎用性が高いとされる所以です。
インタプリタ方式である
インタプリタはコンピュータでプログラムを処理する方法の一つで、プログラムの実行時に一行ずつ機械語に変換します。事前にコンパイルが不要なため、ソースコードを書いたらすぐに動作を確認でき、エラーを発見しやすいのが利点です。
Rubyを扱うことで、書いて試すことやエラーの可能性まで見通す力が身につきます。
オブジェクト指向である
Rubyの開発効率の良さは、オブジェクト指向であることも理由のひとつだと言えます。
役割ごとにクラスを分割し、クラス同士を組み合わせてシステムを構築するというのがオブジェクト指向の考え方です。データの集まりごとに扱うため、修正やコードの再利用がしやすくなります。カスタマイズしやすく品質向上につながる点もメリットです。
エンジニアにとっては「ソフトウェアの保守や再利用をしやすくする」という視点での開発が身につきます。
開発フレームワークからみる将来性
Ruby on Rails(ルビー・オン・レイルズ)とは
Ruby on RailsはRubyのために作られたフレームワークです。データの変換を得意とし、保守性や生産性の向上を図ることができるMVCモデルをベースとして作られました。
フレームワークはプログラミングに必要な機能が実装された骨組みであり、Rubyでの開発効率を上げるためにRuby on Railsが利用されているということです。
Ruby on Railsは、Rubyの需要が続く限り必要とされ続けるでしょう。
Ruby on RailsとExpressはどちらが将来性がある?
サーバサイド開発に使われるフレームワークとしてExpressがありますが、Ruby on RailsとExpressではどちらの将来性が高いのでしょうか。
Expressは、JavaScriptをサーバー上で動作させるためのプラットフォームであるNode.js上で、サーバサイドのWebアプリを構築するためのフレームワークです。
Node.jsはRubyが苦手とする高速な実行速度が強みであり、拡張も得意です。また長く使われて来たことで利用実績も多く、情報量が豊富という特徴を持っています。
ExpressはNode.jsのデファクトスタンダードとして長く利用されて来ましたが、Expressの要領で開発ができ、且つバックエンドでもフロントエンドと同じTypescriptで統一できるNestJSなどに代替が進んでいるのも現状です。Node.jsの代替技術が登場する可能性は低く、需要は続くと考えられます。
ただしExpressにライバルとなるフレームワークが登場していることを考えると、Ruby on Railsの方が将来性がある可能性があります。
Ruby on RailsとDjangoはどちらが将来性がある?
Ruby on RailsとDjangoは、いずれもアプリケーション開発の効率化を得意とするフレームワークです。
Pythonで開発されたDjangoはWebアプリケーション開発に適した機能が充実しているだけでなく、セキュリティ対策にも優れている点が強みで、YouTubeやInstagramといった海外発のWebサービスにも採用されています。
近年、Pythonは機械学習やデータサイエンス分野の領域で高いシェアを保っており、将来性も高いと言えます。
習得難易度はRuby on Railsの方が低く初心者向けですが、汎用性はDjangoの方が高く、また高年収が期待できる点も特徴です。
ただしいずれもWebアプリケーション開発がなくならない限り、需要が続きます。
Ruby on Railsの需要が安定し横ばいで推移している一方で、Pythonの急激な需要増にけん引される形でDjangoに注目が集まっています。当面の将来性はDjangoの方が高いでしょう。
Rubyエンジニアとして活躍する方法とキャリアパス例
Rubyエンジニアとして活躍するには
Ruby on Railsの知識を深め、使いこなす
Rubyを扱うエンジニアとして活躍するためには、Ruby on Railsを使いこなすことが欠かせません。
シンプルで学習コストが低く、ドキュメントが日本語で情報収集しやすいというメリットは、他のライバルとなるエンジニアにとってもメリットです。
積極的に知識を得る努力を続けることで市場価値を高めましょう。
バックエンド、フロントエンドの知識を深める
Rubyが開発に用いられるのはWebのバックエンドで、サーバーサイドとも呼ばれます。
バックエンドの領域はプログラミングやデータベース、サーバー構築、OSやネットワークの知識・スキルが欠かせません。
それだけでなくフロントエンドの知識があるとより業務に役立ちます。コーディング、HTML・CSS、CMS構築の他、必要となるのはUIやSEOのスキルです。
将来性の高いRubyエンジニアを目指すのであれば、バックエンドに留まらずフロントエンドへの理解も深めると良いでしょう。
Rubyエンジニアのキャリアパス例
未経験からRubyエンジニアを目指す場合
未経験からRubyエンジニアを目指すのであれば、まずプログラミング言語RubyとフレームワークであるRuby on Railsの知識が必須です。Rubyは日本語での情報が多いため独学で身に付けることも可能ですが、効率的に習得したい方はプログラミングスクールを活用するのも良いでしょう。
Rubyを独学で身に付けたら、実力をアピールするためにも自主制作アプリなどの成果物があると効果的です。Ruby技術者認定試験でもスキルレベルが証明できます。
プログラミング言語、フレームワークと同時にインフラ、フロントエンド、HTML、CSSなどの知識もあわせて学習するのがおすすめです。
他プログラミング言語の実務経験があれば、Rubyエンジニアとして転職する際にアピール材料になることがあります。
現在Rubyエンジニアの方のキャリアパス例
Rubyエンジニアが目指せるキャリアパスには大きく分けて「スペシャリスト」「マネジメント」「キャリアチェンジ」の3つがあります。
1つめはRuby開発のスペシャリストになることです。開発経験を積んで上流工程を担い、Rubyの特性を活かした社会や経営の課題解決スキルがあればスペシャリストとして評価されるでしょう。
2つめはPM(プロジェクトマネージャー)を目指すキャリアパスです。責任範囲を広げ開発を統括するポジションに就くことで年収アップにも繋がります。
3つめはRuby以外の言語を習得してキャリアチェンジすることです。Rubyは効率化や生産性向上に特化しており、インタプリタ方式、オブジェクト指向などの知見も身につきます。
Rubyエンジニアとして得た経験は、同じサーバーサイドのPHPやPythonでも役立つでしょう。複数のプログラミング言語を扱えることで業務の幅が広がり、市場価値を高めることにもつながります。
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Rubyエンジニアの将来性と需要について、複数の視点で解説しました。
スタートアップやベンチャー企業で積極的に活用されているRubyには、速さという強みがあります。
Rubyが普及しているWeb業界は、安定した市場規模を維持しながら拡大傾向にあることからも、引き続き高い需要が見込める点も強みです。また、すでに他言語のスキルを身に付けている場合では、Rubyを習得することでキャリアの幅や可能性が広がります。
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