コンシューマーゲームとは?PC、ソーシャル、スマホゲームとの違いや将来性・需要を解説
「コンシューマーゲームって何?」コンシューマーゲームとは家庭用ゲーム機でプレイできるゲームを指します。今回はゲーム業界に関心がある方に向けて、コンシューマーゲームとPC、ソーシャル、スマホゲームなどの違いや今後の需要について分かりやすく解説します。
目次
コンシューマーゲームとは?
コンシューマーゲームとは家庭用ゲーム機でプレイできるゲームのことを指します。
家庭用ゲーム機で遊ぶもののうち、テレビに接続して遊ぶタイプが据え置き型、小型のゲーム機単体で遊ぶことができるものが携帯型と呼ばれるものです。
従来はプレイステーションやWii U、XBOXのようなテレビに本体を接続し専用コントローラーでプレイするゲーム機の総称がコンシューマーゲームとされていましたが、据え置き型の他に携帯型も広く普及しました。
例えばゲームボーイ、DS、Nintendo Switch、PS Vitaなどの携帯ゲーム機もコンシューマーゲームの一例です。
昔はゲームといえばコンシューマーゲームだった
現代では、自明のこととしてスマホでゲームをプレイできますが、昔はコンシューマーゲームのみであり、ゲームといえば家庭内でプレイするものという考え方が当時の「普通」です。
特に携帯電話がない時代はゲーム専門誌を購入し、デパートやファミコンショップでお目当てのゲームを購入するのが一般的でした。
ところが現代ではインターネットで簡単に情報が見つかり、SNSで情報共有したり、離れた人とコミュニケーションを取りながらゲームを進めたり、ダウンロードで購入できるようになった点が大きな変化です。
ソーシャルゲーム、スマホゲームとの違い
コンシューマーゲーム | ソーシャルゲーム スマホゲーム |
専用ゲーム機と コントローラーが必要 |
スマートフォンなどの 端末のみ必要 |
ソーシャルゲームはSNS上でプレイするオンラインゲームのことを、スマホゲームはスマートフォンでアプリとしてダウンロードしてプレイするゲームを指します。
両者は混同されがちですが、スマホゲームのなかでもSNSを利用するものがソーシャルゲームに該当するということです。
ソーシャルゲームとスマホゲームは、スマートフォン内にアプリをダウンロードしてプレイする点が共通しています。
そのため、プレイするために必要なものはスマホやタブレットなどゲームをダウンロード済みの端末のみであり、特定の機器を必要としません。
一方コンシューマーゲームは、専用ゲーム機と専用コントローラーが必要です。
このように、何があればプレイできるかがコンシューマーゲームとソーシャルゲーム、スマホゲームとの大きな違いです。
アーケードゲームとの違い
家庭で遊んだり持ち運び可能なコンシューマーゲームとは異なり、ゲームセンターや遊園地などのアミューズメント施設に設置されている機器がアーケードゲームです。
業務用であり、1回プレイするごとに料金を投入する必要があります。
また近年では現金ではなく電子マネーカードでも支払いができるゲームも増えました。
アーケードゲームの本体は「筐体(きょうたい)」と呼ばれ、世界で一番売れたとされるアーケードゲーム機は1980年に日本のナムコが発売したパックマンです。
コンシューマーゲームとアーケードゲームではプレイする場所の前提が大きく異なりますが、家庭用ゲームとして開発されたソフトがアミューズメント施設で楽しめるバージョンになっているものは、「アーケード版」と呼ばれます。
なぜコンシューマーゲームは少なくなったのか?
- 課金システムがあるためソーシャルゲームやスマホゲームの方がコンシューマーゲームより収益が大きい
- コンシューマゲームは制作スタッフが多く必要で開発時間も長い
- コンシューマゲームと比較してソーシャルゲームやスマホゲームの方がコストをかけず開発できる
近年コンシューマーゲームが少なくなってきた事情があります。主な理由を見ていきましょう。
ソーシャルゲームやスマホゲームの方が売り上げが大きいから
コンシューマーゲームの売り上げは「ソフトの販売数」で決まります。
逆にソーシャルゲームやスマホゲームの場合は「課金」が主流です。大ヒットをするほどのゲームであればあるほど、この差は大きくなります。
たとえば10万人のユーザーがいるゲームで6,000円のコンシューマーゲームを発売した場合の売上は以下の通りです。
10万人×6,000円=6億円
この売り上げが、ソーシャルゲームやスマホゲームの場合は更に大きくなります。
同じ10万人ユーザーがいた場合でも、月に1人あたり1000円課金したケースでは1ヶ月の売り上げは以下の通りです。
10万人×1,000円=1億円
このゲームの発売が1年間続けば12億円となり、コンシューマーゲームの売り上げの2倍です。
10万人ユーザーがいるゲームが1年間でサービス終了することは一般的ではないため、コンシューマゲームの数倍の売り上げを生みだすことが考えられるでしょう。
現に2012年に配信開始したスマホゲームの大ヒット作パズル&ドラゴンは、10年以上経ってもサービスが継続され最新版がリリースされています。
先ほどの試算でサービスが5年継続するとしたら、12億円×5年で売り上げは300億円になります。
このことからもソーシャルゲームやスマホゲームの方が高い売り上げを期待できるということがわかります。
コンシューマーゲームより簡単に制作できたから
ソーシャルゲームやスマホゲームが出始めた頃、コンシューマーゲームには多くの開発者が携わることが一般的でした。
また開発期間も1年、2年と長いこともめずらしくなく、コストがかさんでしまいます。
しかしその一方で、当時ソーシャルゲームやスマホゲームはコンシューマーゲームと比較すると高いクオリティを求められておらず、簡易的な作りでもヒットしたという背景がありました。
その後技術の進化に伴い、ソーシャルゲームやスマホゲームはコストを抑えつつ高い品質を実現し、なおかつヒットが望めるようになり始めたことでコンシューマーゲームメーカーも注目するようになっています。
コンシューマーゲームの歴史
1970年代 家庭用ゲーム機が登場
世界初の家庭用ゲーム機として誕生したのは、1972年に米国で開発された「マグナボックス・オデッセイ(Magnavox Odyssey)」です。
これが世界で最初に発売されたコンシューマーゲーム機とされています。
ハードに12種類のゲームを内蔵し、カートリッジを差し込むことによってスイッチを切り替える仕組みで、テレビ画面にソフト専用の「オーバーレイ」と呼ばれるシートを取り付けてプレイしていました。
マグナボックス・オデッセイは、1975年の生産終了までにおよそ35万台販売されます。
その後アタリ社が世界で初めて商業的成功を収めたゲーム「ポン」を開発し、1975年に「テレゲームス(Tele-Games)」という名前で発売しました。
この流れが第1世代ゲーム機のはじまりです。
1980年代 開発ラッシュでプレイスタイルが変化
1980年代には半導体技術の進歩によってゲーム機の小型化が進みます。
米国では家庭用ゲーム機市場が急速に拡大するなか、日本でも複数の企業が新規参入するようになりました。
この当時の主流はアーケードゲームです。
海外製のゲーム機の流通が始まり、国産の家庭用ゲーム機も開発が進められましたが、いずれも高価なうえにクオリティ面でアーケードゲームに劣っていたからです。
ところが1980年には任天堂が初の携帯ゲーム機「ゲーム&ウォッチ」を発売、1983年にはファミリーコンピューターの発売と、第2世代ゲーム機が進出します。
特にファミコンは国内外で累計6000万台以上を売り上げる大ヒットゲーム機となり、ゲームはアーケードでプレイするものから家庭でプレイするものへと移り変わりました。
1990年代 人気ハードの登場
1990年代に突入すると、ゲームのCPUや画像に大きな変化が起こります。
例えばファミリーコンピューターの後続機として登場したスーパーファミコンは、CPUがそれまでの8bitから16bitに上がったことで画質や音質が大幅に改良されました。
1994年にはソニーがPlaystationを、セガがセガサターンを発売しています。
これまでカセットだったソフトがCD-ROMに変化したことで、ゲーム内における3D表現が初めて実現したのがこの時です。
さらに1996年には任天堂が64bitのCPUを搭載し、3Dスティックを備えたNINTENDO 64を発売しています。
ファミコンに代表される第3世代からスーパーファミコンに移り変わる第4世代、そして64(ロクヨン)が台頭する第5世代ゲーム機までを通して、コンシューマーゲームは3Dグラフィックへと変遷しました。
2000年代 携帯型ハードの飛躍的進化
発売自体は1980年代後半から始まっていた携帯型ゲーム機ですが、2000年代に入ると飛躍的に拡大します。
代表的なものが、2004年に任天堂から発売されたニンテンドーDSです。
DSは脳トレゲームを流行させたことで、ゲームのターゲット層を大幅に広げることに成功しました。
同年にはSCEがPlaystationポータブル(PSP)を発売しており、家庭以外の場所でゲームをする子どもや大人を目にすることが増えた時期です。
この頃、ハードウェア、ソフトウェアともにコンシューマーゲームの主流が据え置き型から携帯型へと移行しています。
しかしその一方で据え置き型ゲーム機も「Playstation2」「X box 360」「Wii」のような第6世代、第7世代と呼ばれるものが誕生し、さらなる進化を続けます。
2010年代 ソーシャルゲームなどの登場で割合低下
2014年SCEが「Playstation4」を発売し、ゲーム機は第8世代へと突入します。
また2017年、任天堂が「Nintendo Switch」を発売し、テレビに繋ぐだけでなく携帯もできるさまざまな遊び方を実現しました。
しかしこの頃、日本では2008年に初めてiPhoneが発売され、2010年には急激にスマートフォンが普及したことによってスマホゲーム、ソーシャルゲームの需要が爆発的に増加します。
ゲーム市場全体では2010年代は右肩上がりで推移していました。
ところがオンラインプラットフォームが拡大し、それに伴い家庭用ゲーム機の割合は低下していきます。
2020年代 外部環境で盛り上がりを見せる
2010年代に低迷していたコンシューマーゲームでしたが、2020年代には再度盛り上がりを見せています。
その背景にあったのは巣ごもり需要です。
コンシューマーゲーム市場をけん引したのが、2020年発売のNintendo Switch用のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森(あつ森)」で、世界で4000万本以上を売り上げる大ヒット作となりました。
Nintendo Switchユーザー増のきっかけにもなっており、その後2023年に発売された「ゼルダの伝説 ティアーズ オブ キングダム」は発売から3日間に世界で1000万本というギネス世界記録に認定される驚異的な記録を生みだしています。
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コンシューマーゲームが復活を遂げてきている
- ソーシャルゲーム・スマホゲームとコストが変わらなくなった
- Nintendo SwitchやPS5など任天堂やソニーといったコンシューマゲームの大企業がハードウェアを世界中に流通させている
コンシューマーゲームが少なくなってきたと述べましたが、実は最近になってコンシューマーゲームの開発に注目が集まるようになりました。その理由を探っていきましょう。
開発費の高騰
近年のソーシャルゲームやスマホゲームは高いクオリティの作品が多くなりました。
派手なデザインや演出、コンシューマーゲームと同等の3Dキャラも登場します。
ゲームはクオリティを上げれば上げるほど人的コストが莫大に必要であり、多くのゲーム会社が大ヒットを目指すためにクオリティを上げ続けていった結果、安く作れてヒットが期待できた時代ではなくなりました。
運用費の高騰
開発自体の費用の高騰に伴い、運営費用も高騰しています。
複雑な仕組みのゲームルールや季節ごとのイベントなどの対応で、相応の人数を運営にあてることが求められるようになったからです。
ゲームルールを追加するためにプログラマーが必要になり、新しいデザインを描くためデザイナーが必要になり、スクリプトやデータ入力の人材も求められます。
常時20人を超える開発チームが運営するケースも多く、運営費用は依然よりも上がりました。
1ヶ月に1億円以上の売り上げを出している場合は利益になる一方で、実はマイナス利益の運営の方が多数というのが現状です。
毎月赤字を出してしまうよりは、買い切り型のコンシューマーゲームを出したほうがリスクが少ないという考えも普及しつつあります。
PS4やNitendo Switchの好調も追い風に
開発費や運用費の高騰以外にも市場自体が好調であることも注目です。
特にPS4やNitendo Switchなどの最新ゲーム機の売れ行きは好調であり、多くの開発者に勇気を与えています。
どんなによいゲームを作ったとしても、ハードが流通していなければ大ヒットすることはないでしょう。
PS4は全世界で6,000万台を超える販売、Nitendo Switchは2,200万台という数字からも十分な環境です。
パソコンやスマホを持つ人が多いためにソーシャルゲームやスマホゲームは栄えてきました。
しかし、コンシューマーゲーム機自体が活力を取り戻しつつある状況下で、今後の動きに期待が集まっています。
コンシューマーゲームの今後の需要
eスポーツの普及
eスポーツ(esports)とはエレクトロニック・スポーツの略で、コンピューターゲーム、ビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技として捉える際の呼称です。
2018年頃からオリンピックの正式競技として検討が進められており、2023年6月には国際オリンピック委員会(IOC)主催の世界大会「オリンピックeスポーツシリーズ」がシンガポールで開催されました。
仮想世界への抵抗がなくなった時代背景と、体格や性別、年齢に左右されず互角に競い合うことができる点、また高額な賞金が出ることもあり、eスポーツは世界で愛好家を増やしています。
これまでコンシューマーゲームとしてヒットしてきた作品がeスポーツ大会の競技として採用されることで、多くの支持を得ることが期待されます。
海外でコンシューマーゲームが人気
実は、海外では携帯型ゲーム機が苦戦している傾向にあります。
海外のスマホゲーム、ソーシャルゲームの市場規模は、PCゲーム、家庭用ゲーム機よりも市場規模は大きい一方で、大きな差はない点が特徴です。
日本では2022年時点で、すでにオンラインプラットフォームが家庭用ゲーム機のダウンロード版、パッケージ版、ハードを合計した売り上げの約3倍規模という大差がついています。
この背景には、海外では「ホリデー」として休暇をまとめて取ることに抵抗がなく、長時間かけて家庭用ゲームを楽しめる環境が整っていることが影響していると考えられるでしょう。
対して日本は長期間休みを取ることはあまり一般的ではなく、隙間時間を活用して楽しむことができるスマホゲーム、ソーシャルゲームが躍進したようです。
(参考:経済産業省『ゲーム産業は依然高水準!』)
ゲーミングPCの普及
従来、ゲームといえばプレイステーションシリーズやNintendo Switchなどの「据え置き型ゲーム機」が当たり前でした。
もしくは、携帯型ゲーム機の3DS、PS Vitaで、これらはコンシューマーゲームとカテゴライズされます。
しかし、ゲームをプレイするためにパソコンも長く活用されてきました。
特に昨今では「PUBG」の爆発的ヒットなどに起因し、ゲーミングPCが広く普及し始めています。
それまでゲームをパソコンでプレイしたことのない層がプレイをし始めているということです。
そのため、現在はゲームをプレイするために「コンシューマーゲーム」「スマホ(ソーシャル)ゲーム」「PCゲーム」と、大きく分けて3つの選択肢があるといえます。
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ゲーム業界に関するQ&A
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ゲーム業界で評価される志望動機とは?
志望動機のポイントは「なぜ」を明確にすることです。
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ゲーム業界にはどのような職種があるの?
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まずはゲームの開発に必要なスキルを把握し、自身の強みや適性と照らし合わせることでキャリアプランを明確にすることができます。
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ゲーム業界は進化が止まらない
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