Web業界の動向や将来性は?職種や特徴、転職成功の基礎知識を一覧で解説
Web業界とはWebサイトやWebサービスなどを制作・提供する役割を担っています。急速に需要が高まっているWeb業界への転職を考える人も多いため、今回はWeb業界の展望や職種、必須スキルなどWeb業界への転職情報を転職エージェントが徹底解説します。
Web業界とは?
Web業界とは、インターネットを介したサービスを提供する企業を分類する言葉です。
具体的にはWebサイト制作をする企業や、Webサービスを開発・提供している企業などを指します。中でもWebサービスは多岐に渡って展開しており、私たちの生活に強く密着しています。
Web業界が提供するWebサービスの種類や、IT業界との違いを確認してみましょう。
IT業界とWeb業界の違い
IT業界の「IT」とはInformation Technologyの略で、「情報技術」を意味します。ITを活用したサービスや製品を提供する企業を、広義で分類するのに「IT業界」という言葉が使われます。
対してWeb業界は、IT業界の中にある1つの業界です。
IT業界を取り扱うサービスや製品別に分類すると「ソフトウェア業界」「ハードウェア業界」「情報処理業界」「通信インフラ業界」「インターネット・Web業界」の5種類になります。
Web業界は、IT業界の中でインターネットを通してサービスを提供する企業を分類する言葉です。
Web業界のサービス8分類
Web業界が提供しているサービスは、大きく下記8種に分類されます。
ポータル
インターネットを利用する時の「入口」になるサービスです。主に、検索エンジンやリンク集が掲載されているサイトを指します。
ポータルサイトはネット上に存在する多くの情報を集約し、そのなかから欲しい情報を選別できるのが特徴です。総合系、ブログ系、企業系、専門情報系、地域系といったジャンルに分けられます。
例:Google、Yahoo!(総合系)
キュレーション
必要な情報を選別して収集しているサービスです。キュレーションサイト、キュレーションメディアなどど呼ばれ、主にニュースサービスを指します。
収益化も可能なため、近年取り入れる企業が増えています。
例:Gunosy、NewsPicks、All About
Web広告
インターネット上に表示される広告サービスです。インターネット広告、デジタル広告、オンライン広告とも呼ばれます。
SNSや動画、アフェリエイト、ディスプレイ、リスティング、リターゲティングなど特性の異なる複数の種類があります。
例:Google広告、サイバーエージェント(代理店)
eコマース
Electric Commerce(EC)と言ってインターネットで商品が購入できるサービスのことです。日本語に訳すと電子商取引となります。通信販売(通販)と呼ばれることもあります。
例:Amazon、楽天、ZOZO
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eラーニング
インターネットを通じてさまざまな学習ができるサービスで、通信教育と呼ばれます。パソコンやタブレット、スマートフォンを使って学ぶ学習形態です。
例: Schoo、Udemy
SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)
インターネットを通じて、登録した利用者同士ふが個人間で情報をシェアしたりコミュニケーションしたりできるサービスです。
例:Twitter、Facebook、LINE
ソーシャルゲーム
パソコンのブラウザ、もしくはスマートフォンのアプリで、不特定多数の人と交流できるゲームサービスです。
例:パズドラ、LINEツムツム
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電子書籍
インターネットを通じて、電子データ化された書籍を購読できるサービスです。電子書籍専用のタブレット端末なども発売されています。
例:kindle、ピッコマ、DMM
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どんな仕事?
Web業界の主な仕事は、Webブラウザを用いた制作やECサイトの運営、サービス全般を扱います。
- ・Webサイト制作
- ・Webサービスの制作・運営
- ・Webデザイン
- ・システム開発・運用・保守
- ・メディア運営
また、これらクリエイティブ職のほかにデータの収集や解析、営業活動、マネジメントなどを行う職種もあります。
具体的な職種についてはのちほど詳しく解説します。
Web業界で働くメリット・デメリット
Web業界は現代において生活になくてはならない、欠かせない技術に関わる仕事です。
社会の課題に解決を実現する機会に貢献できるため、大きなやりがいを感じるチャンスも増えます。
技術革新がめまぐるしい業界ですので、常に刺激を感じられる点もメリットに感じる人は多いでしょう。
また、常に新しく変わり続けるからこそ働き方も豊富です。
その一方で拘束時間の長さや常に学び続けなければならない点に苦労を感じる人も少なくありません。
だからこそ、最新技術や社会貢献に興味が持てる人でないとWeb業界で活躍することは難しいでしょう。
Web業界の今後の展望
IT業界の中でも特にWeb業界は、今後も大きく発展していくと考えられています。
スマホの普及やコロナの影響と要因もあり、Webサービスは年々増加しているため、Web業界への注目は高まり続けています。Web業界の市場規模やトレンドから、今後の伸び代を紐解いてみましょう。
Web業界の市場規模と成長率の推移
総務省によると、Web業界が該当するインターネット附随サービス業の2020年度売上高は3兆4,289億円となり、市場規模は前年度比+22.7%増という結果でした。
1兆1,736億円だった2010年から10年間の平均成長率は12.25%です。
情報通信業全体を占める割合をみると、インターネット附随サービス業は8.8%と拡大幅を広げて推移しています。
情報通信産業の部門別実質GDPの推移では「情報通信関連製造業」や「情報通信関連建設業」等において減少傾向にある一方で、Web業界の市場規模はまだ大きいとはいえないものの、着実に伸長し続けている業界なのです。
(参考:経済産業省『2021 年情報通信業基本調査結果のポイント』)
Web業界のトレンド
もともとWebサービスは発展し続けていましたが、コロナの影響により特にeコマースの領域で需要が高まりました。
フードデリバリーが爆発的に流行したり、生活必需品の購入を通販に切り替えたり、ライフスタイルの大きな変化にWebサービスが密接しています。
また、企業にとってもWebは切っても切り離せません。
社内のDX化を進めたり、自社サービスの提供や宣伝にWebを利用したり、IT以外の企業でもWebを介したサービスの高い需要がうかがえます。
Web業界の将来性
Webサービスは今後も増加すると考えられるため、Web業界自体の発展も続きます。
人工知能(AI)が人間の能力を超えるとされる概念「シンギュラリティ」が2045年に起こるという考えから、衰退するのでは?という声もあります。
それでもWebサービスの需要が高まる理由として、ユーザーサイドにスマホが普及したことがあげられるでしょう。
メインデバイスがPCからスマホに変遷し、隅々までスマホが普及したことで、インターネットはより身近で気軽に利用できる存在となりました。
スマホを介したWebサービスの発展に伴い、まだまだ伸び代が見込める業界と言えます。
Web業界の課題
現在Web業界が抱える最も大きな課題が人材不足だと言われています。技術者の母数が足りない故にひとりあたりの業務量が増え、残業や休日出勤を避けられない人もいることが「Web業界はやめておけ」と言われる理由だとされているのです。
Web業界に携わる人を増やすことで労働環境を是正し、課題解決につながります。
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Web業界に属する職種一覧
続いてWeb業界の中にある職種を紹介します。
Web業界の職種は、大きく「クリエイティブ系」「エンジニア系」「営業・マーケティング系」の3種に分類され、一般企業ではあまり耳にすることがない名前がついています。
どのような職種があるのか解説しますので、Web業界への転職活動の参考にしてください。
クリエイティブ系
WebサイトやWebサービスの概要を考えて設計したりデザインを考えたりする職種です。
Webディレクター
制作現場の監督ポジションです。プロデューサーが計画したプロジェクトを実現するため、デザイナーやエンジニアとチームを組んで進行管理や品質管理を行います。
制作物の構成を考えるのも、ディレクターの仕事です。
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Webプロデューサー
クライアントの課題を抽出してプレゼンし、プロジェクトの立案を行います。ディレクターのもう一段階上の立場で、プロジェクト全体の統括をするポジションです。
Webデザイナー
ディレクターの考えた構成にデザインを施すポジションです。コーディングで実現できるデザインを求められるため、コーディングの知識があることが望ましいでしょう。
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アートディレクター
制作物におけるデザイン要素の方向性を考えて、デザイナーへ指示・統括します。デザインの総合責任者ポジションです。
UI/UXデザイナー
どのようなユーザーでも直感的に操作方法や動線がわかるように、デザインの設計を行うポジションです。
エンジニア系
WebサイトやWebサービスを実際の形にするため、構築やシステム開発をする職種です。
フロントエンドエンジニア
デザイナーが作ったデザインを、HTML、CSS、JavaScript、PHPといったプログラミング用語を使って構築するポジションです。
バックエンドエンジニア
ユーザーからは見えないサーバー管理やデータベースの整理、システム開発など、Webの裏側部分を担当するポジションです。
アプリケーションエンジニア
スマホのアプリをプログラミング・開発するポジションです。Webサイトのプラグラミング用語とは異なる用語を扱い、iOSやAndroidといったOSの知識も求められます。
営業・マーケティング系
クライアントのWebサイトやWebサービスの課題を分析し、最適な改善案を提案する職種です。
営業職
一般企業の営業職と同様に、案件獲得のために企業や一般ユーザーに営業をかけるポジションです。Webディレクターやプロデューサーが兼任する場合もあります。
Webマーケター
Webサイトやサービスを改善して成長を促すため、アクセス解析をして課題を見つけたり、SEO対策や広告運用をおこなったりするポジションです。
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Web業界で働くには
Web業界が求めている人材がどのようなタイプか、Web業界に向いている人や、役立つスキルを紹介します。
Web業界に向いている人
Web制作はチームで取り組んで作業するため、円滑にコミュニケーションを取れることが何より求められるでしょう。
ディレクターを中心にデザイナー、エンジニアと職種を超えてディスカッションやコミュニケーションを重ねることで、制作物のクオリティが上がります。
また、Web業界の技術は日進月歩で進化するため、常に新しい情報を取り入れられる人が評価されます。向上心があり学習意欲が強い人は、例え未経験でもWeb業界に向いていると言えるでしょう。
未経験からWeb系職種を目指すなら
Web業界でのキャリアをスタートさせるのであれば、WebデザイナーやWebエンジニアがおすすめです。
もしも他業界でマネジメント経験があるのならWebディレクター、プロジェクトの企画設計スキルがあればWebプランナーを目指せる場合もありますが、全く未経験の場合は上述した職種からキャリアアップを目指すと良いでしょう。
業界研究を志望動機に活かす
未経験者が志望動機で効果的にアピールするために重要なのが業界研究です。
特に自分が志望する企業が行っているビジネスの領域に関して掘り下げる必要があります。例えば現在のその業界の市場規模や将来性、現時点での課題やその領域における最新技術の情報、キャッチアップ方法について、見解を述べられるようにしておきましょう。
そのうえで「なぜこの企業なのか」という志望動機に落とし込むことで、未経験であっても採用担当者に熱意が伝わる志望動機になるはずです。
Web業界で役立つスキル
Webでよく使われるツールの操作スキルがあれば、選考時に評価されるでしょう。
例えばPhotoshop、Illustrator、XDなどのデザイン系ソフト、GoogleAnalytics、サーチコンソールなどの解析系ソフトなどが該当します。
Web業界で役立つ資格
Webに関する資格を持っているとアピールになる可能性もあります。
Web業界唯一の国家資格と言えばWebデザイン技能検定です。
そのほかにも、Web制作のスキルを測定するWebクリエイター能力認定試験も有名です。
Googleアナリティクスの理解を認定するGoogleアナリティクス個人認定資格(GAIQ)、Google広告の実務能力を認定するGoogle広告認定資格といった資格の取得もWeb業界転職におすすめです。
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Web業界の平均年収
Web業界で平均年収が上位の職種はWebプロデューサー・Webマーケター・Webディレクターで、いずれも500万円を超えるとされています。
WebプログラマーやWebアナリストも平均年収は高い水準にあり、これらの職種の共通点はスキルや実績によって伸び幅が大きいことです。
Web業界にはさまざまな職種が存在し、企業の提示額が大きく変動することもあります。
その理由はWeb業界では実力が報酬を左右する傾向にあることです。
Web業界で高年収を目指すのであればスキルや経験が最も大切であり、自己研鑽によって自身の市場価値を高めることができるといえます。
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Web業界の国内企業例
日本国内の代表的な企業をご紹介します。
株式会社サイバーエージェント
メディア事業、インターネット広告事業、ゲーム事業を主として展開するサイバーエージェントは、時代と共に変わるネット産業に沿い新しいサービスの提供を続けています。
近年ではネットテレビ局「AbemaTV」、恋活アプリ「タップル誕生」、競馬ゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」が話題です。
ヤフー株式会社
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