【採用担当者向け】2021年8月 IT転職市場レポート | ギークリーの利用者から見えるIT転職市場をご紹介!
厳しい暑さの中、オリンピックのメダルラッシュに沸いた8月。しかし緊急事態宣言の延長・拡大など、依然として厳しい社会情勢が続きます。この厳しい情勢は、IT転職市場にも大きな影響を与えているでしょう。ギークリーの利用者から見える、2021年8月のIT転職市場と求職者の傾向を徹底解説するとともに、IT転職市場の変化を探ります。
目次
2021年8月 各社IT採用ニーズトピックス
IT転職専門のギークリーにて取り扱っている求人情報を分析し、各社のIT採用のニーズをまとめました。
2021年8月の主な各社IT採用ニーズのトピックスは以下の通りとなりました。
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▼調査について
調査目的 :求職者集客および求人の仕入れ状況からIT業界の転職市場を知る
調査対象 :8月に当社をご利用いただいた求職者および企業
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8月の求人情報について
8月は全体の求人数が1.2%増加しました。
求人数の増加は8月に入っても続き、依然として増加傾向にあります。
全業界においてエンジニアの採用ニーズが高く、Web系SE・PG求人が5%増加、フロントエンドエンジニア・コーダー求人が6%増加、インフラ系社内SEが6%増加しました。
また、インターネット企業の営業求人が6%増加、事業企業のPM求人が12%増加と、2つの領域で採用ニーズの高騰が見受けられたことも印象的です。
営業職やマーケター職といったセールス系職種の求人増・採用要件緩和
プロダクト・サービス拡販の波が採用にも影響
営業職やマーケター職といったセールスに関する求人数は、毎月5〜10%増加し続けています。
社会全体のDXやオンライン化の浸透に伴い、ITプロダクト・ITサービス拡販の波が転職市場の採用にも影響を与えていることがうかがえるでしょう。
ギークリーにおいても、セールス系職種の紹介決定数が前月対比2倍以上と、大きく伸長しました。
特にインターネット企業や事業企業が、 広告代理店出身者をインハウスのWebマーケターとして採用する傾向が顕著に。
これはマーケティング組織を内製化し、セールス強化を目指しているのではないでしょうか。
また大手・中小問わず、広告代理店は営業職やマーケター職の採用意欲が非常に高く、業界・職種未経験歓迎の求人が増加傾向です。
IT転職市場全体として、セールス系職種は活況であることが考えられます。
45歳以上の採用が進む
インターネット企業では45歳以上、ITアウトソーサーで50歳以上積極採用
企業側からエンジニアやPMの需要が高まり続ける中、母集団形成のために経験豊富な45歳以上の積極採用が目立ちます。
特にギークリーでは、50代エンジニア×ITアウトソーサーでの紹介決定数が増加し、高い面談決定率を誇りました。
ベテラン層の転職理由には、今後のキャリアへの不安や、コロナ禍による現職企業の業績不振などがあります。
今よりも評価が得られる企業を求めて転職活動される方が多く、内定承諾率の高さが特徴的でしょう。
長い社会人経験から現職の未来を具体的にイメージできる方が多く、内定を受けた企業が現職より評価されると感じれば即転職に踏み切れるようです。
2021年8月 集客トピックス
ギークリーでは転職エージェントの面談に訪れた方にアンケートを実施し、1ヶ月ごとにIT転職市場のニーズや傾向を分析。
採用担当者向けに、毎月情報をまとめて発表いたします。
新年度から5ヶ月が経過した2021年8月、主な集客トピックスは以下の通りとなりました。
求職者の転職意向度は引き続き低迷
企業側の採用ニーズは、8月も引き続き過去最高水準を更新しています。
一方で、コロナショックから景気が回復したことで「転職せざるを得ない」という求職者が減り、転職ニーズが低迷し続けている状況です。
昨年と比べて、46歳以上の採用ニーズが高まる
経験豊富な46歳以上のベテラン層に、採用ニーズが高まっています。
昨年と比べベテラン層の採用増加が顕著なため、50歳以上の集客をより強化中です。
営業職の採用ニーズの高まりを受け、営業職の集客に注力
企業側から営業職の採用ニーズが高まっていることを受け、ギークリーでは引き続き集客に注力しています。
営業職においても経験豊富なベテラン層の採用が積極化しており、40代以上の内定決定も見られました。
各トピックスについて、グラフとともに詳細解説をします。
求職者の転職意向度は引き続き低迷
面談者の退職状況の分析(先月と比較)
面談者の退職状況を分析した結果、7月に比べ8月は「退職している」比率が14%から12%に減、「退職日が確定している」は5%で変わらず、「退職の意思は伝えているが退職日は未定」は4%から3%に減と、在職中で退職することが決まっている人は合計3%減少しました。
2%減少した7月に比べ8月はさらに減少し、退職を決めてから面談に訪れる方は引き続き減少傾向です。
「退職する予定だが、まだ意思は伝えていない」は36%から38%に増、「退職するか検討中」は41%から42%に増となりました。
求人企業サイドは引き続き採用ニーズが上昇し、7月に13,000件に達していた求人数は8月に14,000件と、また過去最高水準を更新しています。
しかし求職者サイドは、8月に入っても「退職している・退職が決まっている」という転職意欲が高い人材数が減少していました。
求人企業と求職者の潮目は広がる一方で、8月も引き続き求職者の腰が重い状況でしょう。
転職に対して慎重になっている面談者が多いように見受けられます。
面談者の退職状況の分析(1年前と比較)
次に1年前の2020年8月と面談者の退職状況を比較分析してみましょう。
1年前に比べ「退職している」求職者が6%減少し、「退職するか検討中」の求職者が12%増加していました。
昨年はコロナの影響で退職せざるを得ない求職者が多くいましたが、現在は景気も回復し、そのような状況の方が減りました。
そのため、求職者の転職意向度が低迷していると考えられます。
昨年と比べて、46歳以上の採用ニーズが高まる
面談者の年齢区分(1年前と比較)
面談者の年齢を区分した結果、1年前の2020年8月に比べ今年8月は、46歳以上の集客比率が4%から9%と約2倍に。
逆に25歳以下の微経験層が17%から13%と集客が減少傾向です
今年は経験豊富なベテラン層に採用ニーズが高まっており、50歳以上のエンジニアの転職決定率も伸びています。
今後もギークリーでは、ベテラン層への集客に注力していきます。
面談者の年収区分(1年前と比較)
面談者を年収別に分類した結果、1年前の2020年8月に比べ今年8月は、501万円以上の年収帯の占有率が7%増加しています。
46歳以上のIT人材への集客に注力した結果、このゾーンの集客占有率が増加したようです。
特に600万円台での身長率が大きく、採用ニーズとも合致しました。
営業職の採用ニーズの高まりをうけ、営業職の集客に注力
面談者の経験職種大分類(先月と比較)
面談者の職種を大きく分類した結果、7月に比べ8月は営業職・マーケティング職が16%から20%と大きく増加しました。
営業職の集客比率がさらに高まり、20代から40代まで、幅広い年齢層で採用ニーズが見られます。
特にシステム営業は、35歳以上の転職決定が増えており、営業職においても経験豊富層の需要があることがうかがえます。
面談者の経験職種中分類(先月と比較)
面談者の職種占有率を7月と比較して中分類した結果、8月は営業職の占有率が7%から15%に大きく増加した一方で、SE下流の占有率が32%から23%に減少しました。
営業職へ集客を強化したことから、エンジニア職種の比率が減少しています。
しかし営業職は今後、より採用ニーズの高い属性に絞り集客を図っていくため、エンジニアの集客比率が回復することを見込んでいます。
まとめ
2021年8月は、企業側の求人数が増加し続けることに反し、求職者の転職意向は低下し続けるという、両者のニーズの違いに一段と広がりを見せました。
このニーズの違いは5月から続き、広がる一方です。
昨年8月と比べても、同じコロナ禍であるにもかかわらず転職せざるを得ない状況下の求職者が減少していることも、ニーズの違いが広がる一因かもしれません。
また、企業側が営業職への採用ニーズを高めていることも目立ちます。
昨今のDX化デジタル化の波に乗り、ITサービスの拡販に注力する企業の増加が採用ニーズからも見受けられます。
先月に引き続き、8月に入ってもベテラン層への高い採用ニーズが継続していたことも、今月の転職市場の動向として注目するべき点でしょう。
ギークリーでは、面談いただく求職者はもちろん企業の採用担当者へのニーズも鑑みて、IT転職市場の動向を探っております。企業と求職者のニーズが1件でも多くマッチングできるように、IT転職のエキスパートとして分析をしてまいります。
引き続き来月もレポートをアップしますので、ぜひ企業の採用担当者の皆様はご参考ください。
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