【採用担当者向け】2021年9月 IT転職市場レポート | ギークリーの利用者から見えるIT転職市場をご紹介!
夏の暑さが落ち着いて、一気に秋めいてきた9月。緊急事態宣言下で依然として厳しい社会情勢が続きますが、ギークリーでは第2四半期の締めを迎えました。今回は9月のIT転職市場の動向とともに、第2四半期である2021年7月〜9月の採用ニーズと集客についても徹底解説。ギークリーの利用者を分析して、IT転職市場にどのような変化があったのか探ります。
目次
第2四半期(2021年7月〜9月) 各社IT採用ニーズトピックス
IT転職専門のギークリーにて取り扱っている求人情報を分析し、各社のIT採用のニーズをまとめました。
第2四半期(2021年7月〜9月)の主な各社IT採用ニーズのトピックスは以下の通りとなりました。
▼調査について
調査目的 :求職者集客および求人の仕入れ状況からIT業界の転職市場を知る
調査対象 :7月~9月に当社をご利用いただいた求職者および企業
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【求人全体像】インターネット業種の求人数が最も伸びている
6月末時点から9月末時点で114%に増加
IT転職市場の求人全体をQ単位で確認します。
2021年9月末時点でのギークリー保有求人数は、2021年6月末時点と比べて114%に増加しました。
求人全体が活況と言えるでしょう。
ギークリーでは業種区分を、SIコンサル、インターネット、ゲーム、事業会社(非IT事業会社のIT求人)の4つで構成しています。
2Qで最も伸長したのはインターネット業種で114%。
特に拡大期に入り資金調達を行っているSaaS企業と、オンラインマーケティングを請け負う広告代理店が活況でした。
エンジニア採用競争にて事業会社が存在感をさらに増してきている
承諾率も踏まえ、紹介数担保のための要件コントロールがカギになる
2Qで飛躍的に内定承諾数が増えたのが事業会社(非IT)×エンジニアで、1Qに比べて214%となりました。
上記の図のように、各業種がこぞってエンジニア採用競争に凌ぎを削る中、上場企業など知名度の高い事業会社が強い存在感を出しています。
開発内製化を目掛けて本腰を入れ、内定フェーズの承諾率の高さから、このような結果になったと考えられるでしょう。
他業種は、会社の知名度や安定性、年収など、魅力的な条件が揃う事業会社に対抗するため、これまで以上に要件緩和やエージェントを介した候補者への訴求が重要です。
第2四半期(2021年7月〜9月) 集客トピックス
ギークリーでは転職エージェントの面談にお越しいただいた方にアンケートを実施し、1ヶ月ごとにIT転職市場のニーズや傾向を分析。
採用担当者向けに、毎月情報をまとめて発表いたします。
第2四半期の締めとなった2021年9月、主な集客トピックスは以下の通りとなりました。
求職者の転職意向度は引き続き低迷
企業側の採用ニーズは、9月に入っても過去最高水準を更新しました。
一方、コロナショックで一時落ち込んだ景気は回復傾向です。
転職をせざるを得ないという求職者が減り、転職ニーズの低迷が続いています。
46歳以上の即戦力層と25歳以下の若手層が増加
転職市場の競争激化により、採用要件が緩和傾向です。
特にSES企業で、46歳以上に採用ニーズの高まりがうかがえます。
一方で、25歳以下の若手層を中心としたポテンシャル採用も進んでいます。
高年齢・高年収の集客拡張により、現年収600万円以上が増加
高年齢の集客拡張した結果、現年収600万円以上の比率が増加しています。
また、高年収の集客拡張により、現年収700万円以上のハイクラス層がQonQ、YonYともに増加していました。
各トピックスについて、グラフとともに詳細解説をします。
求職者の転職意向度は引き続き低迷
面談者の退職状況の分析(前四半期と比較)
面談者の退職状況を分析した結果、1Qに比べ2Qは「退職している」比率が13%のまま変わらず、「退職日が確定している」は6%から5%に減、「退職の意思は伝えているが退職日は未定」は4%のまま変わらずと、在職中で退職することが決まっている人は合計1%減少しました。
退職を決めてから面談に訪れる方は緩やかに減少傾向です。
「退職する予定だが、まだ意思は伝えていない」は37%のまま変わらず、「退職するか検討中」は40%から41%に増となりました。
1Qと比べて2Qは数字に大きな変化はなく、求職者の状況に目立った変化がないことがうかがえます。
求人企業サイドは引き続き採用ニーズが上昇し、8月に過去最高の14,000件に達していた求人数は9月に約14,300件と、過去最高水準をまた更新する結果に。
しかし求職者サイドは、「退職している・退職が決まっている」といった退職の動きを取る人材が減少しています。
求人企業と求職者の潮目は広がり続け、2Q締め時点でも求職者の腰が重い状況と言えるでしょう。
転職に対して比較的慎重になっている面談者が多いように見受けられます。
面談者の退職状況の分析(1年前と比較)
次に1年前の2020年2Qと面談者の退職状況を比較分析してみましょう。
1年前に比べ「退職している」比率が20%から13%に減、「退職日が確定している」は7%から5%に減、「退職の意思は伝えているが退職日は未定」は5%から4%と、在職中で退職することが決まっている人は合計10%と大幅に減少しました。
一方で「退職する予定だが、まだ意思は伝えていない」は38%から37%に減、「退職するか検討中」が30%から41%に増と、転職潜在層が78%を占めています。
昨年はコロナの影響で退職せざるを得ない求職者が多くいましたが、現在は転職を検討段階にしている人が大幅に増加。
景気回復により、求職者の状況が1年で大きく変化したことがわかる結果となりました。
46歳以上の即戦力層と25歳以下の若手層が増加
面談者の年齢区分(前四半期と比較)
面談者の年齢を区分した結果、1Qに比べ2Qは、46歳以上の集客比率が7%から11%と大幅に増加しました。
採用競争の激化により、各企業で即戦力となる高年齢層の採用要件を緩和する動きがあります。
特にSES企業で46歳以上の採用ニーズが高まっており、内定数も増加しています。
面談者の年齢区分(1年前と比較)
面談者を年齢別に分類した結果、1年前の2020年2Qに比べ今年2Qは、46歳以上の占有率が5%増加しています。
また、25歳以下の占有率も5%増加しました。
46歳以上の高年齢層は、特に50歳以上のエンジニア転職決定率が伸びており、即戦力としての採用ニーズが高いことが見受けられます。
一方で25歳以下の若手層は、インターネット企業でポテンシャル採用が増加したことで、若手層の採用ニーズが回復しているようです。
ギークリーでは引き続き、即戦力層と若手層への集客に注力していきます。
高年齢・高年収の集客拡張により、現年収600万円以上が増加
面談者の年収区分(前四半期と比較)
面談者を年収別に分類した結果、1Qに比べ2Qは現年収600万円以上の年収帯の占有率が26%に増加しています。
46歳以上のエンジニアや、現年収700万円以上のハイクラス層へ集客を拡張した結果、このゾーンの集客占有率が増加したようです。
現年収600万円以上の人材は転職決定率も高いため、ギークリーではこの年収帯への集客強化も図っております。
面談者の年収区分(1年前と比較)
面談者を年収別に1年前の2020年2Qに比べた場合でも、今年2Qは現年収600万円以上の年収帯の占有率が26%に増加していました。
前四半期との比較と同様の理由により、このような結果になったと考えられます。
高年齢高年収層の転職決定も続々と出ており、採用ニーズと集客が噛み合っていると言えるでしょう。
まとめ
2021年2Qの締めを迎え、企業側の求人数は引き続き増加していますが、求職者の転職意向は低下し続けていることがわかりました。
両者のニーズの違いは、1Qから一段と広がりを見せています。
昨年2Qと比べ今年もコロナ禍であることには変わりませんが、1年で景気回復していることから転職せざるを得ない求職者が減少しています。
このような背景も、企業と求職者のニーズの違いが広がる一因と考えられるでしょう。
今の転職市場で注目するべきは、高年齢高年収のベテラン層への高い採用ニーズの高まりです。
採用要件が緩和していることで、ベテラン層の転職決定が増加しています。
またポテンシャル採用で若手層への採用ニーズも高まっており、求職者の減少から各企業が採用枠のシフトチェンジを図っていると言えるでしょう。
ギークリーでも採用ニーズの高い層への集客に注力してまいります。
ギークリーでは、面談いただく求職者はもちろん企業の採用担当者へのニーズも鑑みて、IT転職市場の動向を探っております。企業と求職者のニーズが1件でも多くマッチングできるように、IT転職のエキスパートとして分析をしてまいります。
引き続き来月もレポートをアップしますので、ぜひ企業の採用担当者の皆様はご参考ください。
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